《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

少女漫画と小説の感想ブログです

少女漫画 感想リスト(ライト版) 著者名順

著者名順
※ 各巻の感想は、リンク先のページから お読みいただけます。

・書名の前に がある漫画は 特にお薦めです。

青木 琴美あおき ことみ
・僕は妹に恋をする 基本データwww.wwwbestlilium.com

赤瓦 もどむあかがわら        
・兄友 基本データwww.wwwbestlilium.com

アサダ ニッキ
星上くんはどうかしている 基本データwww.wwwbestlilium.com

アルコ・河原 和音かわはら かずね(共著)
俺物語!! 基本データwww.wwwbestlilium.com

いくえみ 綾いくえみ りょう
プリンシパル 基本データ
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池山田 剛いけやまだ ごう
・うわさの翠くん!! 基本データ
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和泉 かねよしいずみ       
・ダウト!! 基本データ
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岩本 ナオいわもと     
町でうわさの天狗の子 基本データwww.wwwbestlilium.com

宇佐美 真紀うさみ まき
・ココロ・ボタン 基本データ
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大詩 りえおおうた りえ
・猫田のことが気になって仕方ない。 基本データwww.wwwbestlilium.com

小畑 友紀おばた ゆうき
僕等がいた 基本データ
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北川 夕夏きたがわ ゆか
・影野だって青春したい 基本データwww.wwwbestlilium.com

金田一 蓮十郎きんだいち れんじゅうろう
ライアー×ライアー 基本データ
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呉 由姫 くれ ゆき(原案:ルビー・バーティー
金色のコルダ 基本データwww.wwwbestlilium.com

幸田 もも子 こうだ ももこ
ヒロイン失格 基本データ
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小玉 ユキこだま ゆき
月影ベイベ 基本データwww.wwwbestlilium.com

小村 あゆみこむら    
・ミックスベジタブル 基本データwww.wwwbestlilium.com

咲坂 伊緒さきさか いお
ストロボ・エッジ 基本データwww.wwwbestlilium.com
アオハライド 基本データ
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栄羽 弥さこう  わたり
・コスプレ★アニマル 基本データ
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椎名 軽穂しいな かるほ
君に届け 基本データ
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末次 由紀すえつぐ ゆき
・エデンの花 基本データ
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タアモ
たいようのいえ 基本データwww.wwwbestlilium.com

高須賀 由枝たかすか ゆえ
グッドモーニング・コール 基本データwww.wwwbestlilium.com

ぢゅん子ぢゅんこ
私がモテてどうすんだ 基本データwww.wwwbestlilium.com

椿 いづみつばき いづみ
親指からロマンス 基本データwww.wwwbestlilium.com

桃森 ミヨシとうもり みよし
ハツカレ 基本データwww.wwwbestlilium.com

時計野 はりとけいの はり
・お兄ちゃんと一緒 基本データwww.wwwbestlilium.com

南波 あつこなんば あつこ
スプラウト 基本データwww.wwwbestlilium.com

葉月 かなえはづき     
好きっていいなよ。 基本データwww.wwwbestlilium.com

八田 鮎子はった あゆこ
オオカミ少女と黒王子 基本データwww.wwwbestlilium.com

葉鳥 ビスコはとり      
桜蘭高校ホスト部 基本データ
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春田 ななはるた    
・スターダスト★ウインク 基本データ
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樋野 まつりひの     
とらわれの身の上 基本データ
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福山 リョウコふくやま       
悩殺ジャンキー 基本データwww.wwwbestlilium.com

藤沢 志月ふじさわ しづき
・キミのとなりで青春中。 基本データwww.wwwbestlilium.com

みきもと 凜     りん
近キョリ恋愛 基本データwww.wwwbestlilium.com

水瀬 藍みなせ あい
・なみだうさぎ 基本データ
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水波 風南みなみ かなん
・レンアイ至上主義 基本データ
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南 塔子みなみ とうこ
・360°マテリアル 基本データwww.wwwbestlilium.com
・ReReハロ 基本データ
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森下 suuもりした すう
・日々蝶々 基本データ
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山田 デイジーやまだ     
・初恋はじめました。 基本データ
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山田 南平やまだ なんぺい
・空色海岸 基本データ
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やまもり 三香やまもり みか
ひるなかの流星 基本データ
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吉住 渉よしずみ わたる
ちとせetc. 基本データ
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ろびこ
となりの怪物くん 基本データ
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渡辺 あゆわたなべ あゆ
・L♥DK(エルディーケー) 基本データ
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「よろこびの歌」を歌う前に「ほころびの歌」が聞こえるカタストロフィー。

悪魔とラブソング 7 (マーガレットコミックスDIGITAL)
桃森 ミヨシ(とうもり みよし)
悪魔とラブソング(あくまとらぶそんぐ)
第07巻評価:★★☆(5点)
  総合評価:★★☆(5点)
 

あんなから語られたマリアの過去。それはあまりに悲しくつらい出来事で――。それでもあんなと分かりあおうと努力するマリアですが、導きだされた「悪魔」のような結論とは? あんな編はクライマックスへ!!

簡潔完結感想文

  • 当たって。もう一度立ち上がる勇気をくれたのはラブリーな男性。惚れそう♥
  • 砕けて。相手の役に立とうとすればするほど、同じ失敗を繰り返す主人公。
  • なし崩し。堂々巡りの展開に読者も作者も見切りをつけて、この編 打ち切り。

線を散らかすばかりで片付けられない 7巻。

『4巻』の「合唱コンクール編」完結付近でも長々と書きましたが、
本書において作者は一編を終わらせるのが非常に下手である。

『12巻』巻末の「ごあいさつ」で作者が、
「アンケが悪くて短くなってしまった章もありました…」
と書いたのは この「あんな編」のことだろう。

作品全体にこそ類は及ばなかったが、
「あんな編」は間違いなく打ち切りだろう。

どこまでも同じ展開が続くので、あれっ?とは思いましたが、
当時の読者の反応も私と同じようだ。
これは作者の自業自得かな。
みんな思考実験を繰り返すような動きに乏しい展開には辟易だろう。

そして この編の主要人物・あんな は荷物をまとめる結果になりました。
間違いなく夜逃げですね。

これで あんな が再登場すれば、この編に意味が生まれるのだけれど、
そんなこともせず、最後まで あんな は永久追放となりました。
要するに不良債権化したから、左遷したのだろう。

これで私の作品と作者への信頼度はグッと下がりました。
「あんな編」って読まなくても結末に全く問題がない。

もっと登場人物を大事にして欲しかった。
本当、周辺人物に冷淡な物語です。

作者が主人公・マリアしか偏愛していないようで、
神様の不平等を感じてしまいます。
2人の関係に何らかの決着を見せて、マリアに影響を残して欲しかった…。


んな を守ろうとして傷つけるジレンマに陥り、落ち込むマリア。

マリアを諭す神田 優介(かんだ ゆうすけ)とも言い争いになりかけた時、
テレビから流れたのは合唱コンクールの取材をしたテレビ番組。

マリアは取材時にクラスメイトたちが自分のことを語る様子を見て涙を流す。
人に思われる喜びで感情が決壊するマリア。
これで目黒以外の人の前でも泣けることが分かりました。

この取材のテレビ番組を全編 見たい。
どういう編集で、どういう趣旨になったのだろうか。
なぜマリアたちが舞台で歌わず教室で歌ったのかという経緯も見せているのだろうか。
あれだけ取材の様子にページを割いたのに淡白な扱いである。

作者への不信感でいっぱいな私は、
それを考えるのが面倒だから都合よくテレビのスイッチが入/切したのかと勘ぐってしまう。


テレビ取材にも裏表のない本音を語ってくれたクラスメイトたちを見て、
自分は まだ あんなに対して本心を見せていないことに気づかされる。
彼女に対しては本気でぶつかっていない。
マリアの再挑戦が始まる。


その感謝の証として、マリアはこれまでの生い立ちを、自分が知り得る限りの半生を語る。
ちょっと不自然な流れにも思うが、
これはマリアが現状で認識している自分の半生を知らせる意味もあるのだろう。
どこの記憶が抜け落ちていて、高校生になって何を考えてきたのかが分かる。

ちなみに神田たち「申し子」だけじゃなく、他2名の男子生徒もいます。



んな と向き合う勇気をくれたのは主に神田。

晦日の夜に2人で歩くマリアと神田。
空からは天からの手紙が舞っている。
クリスマスではないが、非常に雰囲気のいい冬の夜である。

でも絵からは決して積もっているようには見えないのに、
いきなり雪を丸めて投げているのに違和感がある。

ならば路上に足跡を残すとか、絵で表現するべきではないか。
話の構成といい細部といい雑な印象を受ける。


前向きになったマリアはご機嫌。
そんな彼女を見て思わず神田は何度目かの告白をする。
しかも今度こそ嘘のしないために神田はマリアを強く抱きしめて…。

だが それはマリアの記憶のトリガーで、トラウマへと誘う行為だった。

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「ラブリー変換」の弱点は、どんな言葉も軽佻浮薄に響いてしまうところだろう。

黒 伸(めぐろ しん)が あんな派みたいになって、マリアに近づかないのは
傍にいたら彼女に触れたくなる欲望を自制が出来ないと思っているからだろうか。

それもまたマリアを守る一つの行動なのだろうけど、
目黒の役割は距離を置くことではなく、目を離さないことなのに。

これは恋愛の結論を先延ばしにしたい作者の都合だけに思える。
こんなにも彼らが不自然に距離を開ける必要性を感じない。


そして目黒は何で大事なこと(マリアの過去)を神田に電話で話すんだろうか。

『6巻』のマリアのメールでの告白といい、
直接ズケズケ言うことが売りの漫画だったのに、
登場人物たちが採る手法が、どんどん間接的に、回りくどくなっているのが気になる。


だが直接話す機会を得ても神田は目黒から深い事情を聞き取らない。
間接的にではなく、直接マリアの口から事情を聞けるその日まで待つという。
神田の方が正しいことが多すぎないか?

目黒がマリアの過去を調査しながら彼女を守る一方で、
神田は事情を知らないまま彼女を元気づけることにした。
だから神田は毎夜マリアに電話を掛け、眠るまで聞き届ける。

ここは陰と陽、2人のキャラの違いと重なっている気がする。


リアが あんな としたいこととして一緒に音楽活動の道を模索する。

マリア・あんな・目黒・神田の4人で音楽ユニット結成です。
4人ともこの音楽教室に入会したのだろうか。

音大の作曲科出身の榊 章吾(さかき しょうご)がプロデューサー的役割を買って出る。
彼も「申」の字を持つ「申し子」の一人。

…なのだが、このくだり全部が無意味になりましたね。

作者の当初の予定では音楽ユニットの活動を通して、
2人の関係性に光明が見えるとしたかったのでしょうか。

しかし全部が ご破算になりました。

非常に意味あり気な言動を繰り返す榊も、結局 使いこなせなかった。
『7巻』での彼は これから悪魔的所業をする伏線バリバリなんですけどね…。

全13巻中の折り返し地点を過ぎた本書。
後半はちょっと褒められたもんじゃない部分が多い。


わずかばかりの榊の功罪はマリアに路上ライブを提案したことだろうか。
榊は自分が人にどう見られているかマリアに自覚させるために彼女を路上に立たせようとする。

だが、マリアを過保護に心配する目黒は、
マリアの世界が広がり、汚い欲望をもって彼女に近づく男が登場すること危惧する。
それがキッカケで彼女の心を壊しかねないから。


上ライブを見学していたマリアは、
榊に促され冴えない歌手の歌を歌おうとするが…。

そこに割って入ったのは あんな。
再び誰かの言葉を奪おうとするマリアを責め立て、
そして自分の本心を一言で表す。

あんなの本心は痛いなあ。
マリアが代弁できない、他に代わりがきかないことこそ彼女の願望。

そこに思い当たらないマリアが炙り出される。
でもマリアが、自分の意思を間違いだと思わないで独善的な行動を繰り返しているのに違和感。
「本物の友達」が出来て再び浮かれているようにしか見えない。
最初こそ高い能力だったが、伸び悩み、なかなか成長しない人ですね。

この「あんな編」は「合唱コンクール編」と違って、
期限も出口も見当が付かないから間延びしているように思える。

それを恋愛で下支えしているんだけど、
こちらは結論が見えてしまっているから緊迫感がない。

マリアの思考が堂々巡りし始めて、
着地点を見失ったところに 幸か不幸か この編の打ち切りが決まり、
あんな という障害物を取り除いたように思える。


リアの記憶の中の母はあんなそっくり。
これは作者の画力の問題ではなくて、実際にも似ているのだろう。

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マリアは記憶の中の母を あんな に求めていたのかもしれない。だから友情は生まれなかった…。

マリアは聖カトリアで、あんな と出会った時に、
自分にはないはずの母親の記憶が呼応したのかもしれない。

だからマリアは一心不乱に あんな のことを追い求めた。
一緒に歌って舞い上がり、ストーカーして、
彼女を理不尽から守って、他者の断罪をしようとした。

それは母性愛の逆で、子が親に対して持つ共感力だったり、
子から親への守りたいという一種の庇護欲だったのではないか。


また、聖カトリアで、あんな が自殺を図ったという過去も影響が大きそうだ。
こちらもマリアの深層心理が母の自死を覚えていて、
今度こそ止めようとして かえって あんなを苦しめる結果になったのではないか。

歌を通じて穏やかに出会った2人だが、
自分の中にいる誰かを求めたり、自分の嫌いな自分を見つけたり、
好きが高じて、嫌いが高じて、傷つけ合うことしかできない関係になってしまった。


その関係性の解決法を誰も、作者すらも見つけられないから、
あんな は煙のように姿を消すしかなかった。

合唱コンクール編」の井吹(いぶき)ハナと同じ扱いである。
マリアが彼らと築きたかった関係など、塵芥のように除去されてしまう。

一体、作者はマリアに何を学ばせたいのか。
目黒や神田がいるから他はもう どうでもいいのか。

折り返し地点を過ぎても成長を感じない作品となってしまった。

傷つけ合うことでしか保てない絆があることに、君は気づいているかい?

悪魔とラブソング 6 (マーガレットコミックスDIGITAL)
桃森 ミヨシ(とうもり みよし)
悪魔とラブソング(あくまとらぶそんぐ)
第06巻評価:★★★(6点)
  総合評価:★★☆(5点)
 

マリアが聖カトリア時代の唯一の友達だと思っていたあんな。しかし、あんなの本心は「マリアといると苦しかった」…。辛い事実を受け止めたマリアだが、クリスマスを前にあんなから衝撃の告白が…。マリアの生い立ちと過去に迫る第6巻!!

簡潔完結感想文

  • フェアなラフプレイ。本性を曝け出したから遠慮はいらない。反則上等。
  • 告白。誰かに好きだと伝えられる自分になりたかった。結果は関係ない…。
  • 2巻連続 突き放し。本当の友達の証として聖痕を残しなさい(物理的に)

跡を起こすことでマリアの神性が顕現する 6巻。

今回でマリアは2つ目の「聖痕」を得る。

右の手のひらに続いて、左手にも現れる「聖痕」。
作中では、これは友達の証なのかなぁ。

奇跡ではなく、どちらも同性から受けた暴力ですが…。

右の時は亜由(あゆ)の怒り・暴力から甲坂(こうさか)を守るために(『2巻』)。
そして今回は申利(もうり)あんな の中にある悲しみを わざと引き受けた。
どちらも大切な人を守りたいから ついた傷だ。

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あんな は加害者でありながら、マリアが身を挺して守りたい人でもある。聖痕は その証。

「由」「甲」「申」、永遠につづく きずな を意味するマリアのクロスと同じ字を持つ「申し子」たち。

この2つの傷が彼女と世界の きずなを証明するのだろうか。
人の世の罰・間違いをマリアが一身に引き受ける、という意味だろうか。


本書ではマリアが神のような存在なのか。
だから「申し子」たちは、神の一部の字を持つのかな、などと思っていたが、
この作品には、神そのものがいることを思い出す。

それが神田 優介(かんだ ゆうすけ)。
日本だと一般的な苗字だが、改めて考えると神が名前に入っているって凄いことだ。

そう考えると、神田こそが神っぽい。
人の世を(クラス内を)明るく保つにムードメイカーで、
一瞬で物の見方を変えてしまう「ラブリー変換」という奇跡の力を持つ。
そして、この巻のラストの行動など、まこと慈悲深い。

恋愛に憶病・奥手なのも、俗世に介入しないのも神だからかもしれない。
目黒 伸(めぐろ しん)とマリアの恋愛も一歩引いて
微笑ましく ご覧になっているのかもしれない。

しかし相変わらず神田は表紙になると美化150%って感じですね。
金髪・碧眼が異邦人に見えるのかな。
いや、これが神の神々しさなのかもしれない…。


めて腹を割って話したことで、
新たな関係性へと変化したマリアと あんな。

マリアが信じたかった あんなの姿よりも、
目黒が見抜いていた あんな への不信感は当たっていた。

目黒はマリアの過去に因縁のある人だから、あんな を注視し警戒しており、
だからこそ あんなの表層的な態度や友情を見破っていたのだろうか。
これは目黒の対マリアの特殊能力だ。

もしかしたら本書における能力の源泉は、
他者への愛なのかもしれない。

そこから類推するとマリアは愛をもって人をよく見ているという証拠か。
これは聖(セント)カトリアの時には無かった能力なのかもしれない。
人を知りたいという彼女の欲求が第六感を目覚めさせたのだろうか。


かし肝心のマリアは、人生で初めての友に舞い上がって
あんな との距離感を誤り、それが彼女を苦しめていたことを知る。

そうしてマリアは、その失敗を目黒への想いにも適用してしまう。
独占欲や執着を失くすよう自分に課してしまう。

友情と同じく初めての恋だから分からないことが多すぎる。
でも友情と同じ失敗は繰り返さないよう心に決めてしまい、
初めての恋なのに自制しすぎている。


戦布告をして口火を切った目黒を巡る女性同士の争い。

恋愛漫画としては、目黒の想いも明確になっているので決着はついている。
あんな もそれは重々承知だろう。

だから あんな は目黒に対して貪欲に行動する。

そしてマリアには嫌がらせ工作を遠慮なく駆使する。
自分の遅れを取り戻すために。

それが恋敵に対する報復なのか、
マリアへの個人的な復讐なのかは分からないが。

あんな は どうもマリアの好きな人を好きになっている気がしてならない。


あんなの嫌がらせの一環が、
マリアが目黒に送った「好きです」の言葉が添えられたメールを勝手に返信する。

まるでマリアが目黒にメールを送るタイミングまで分かっているかのような あんな の悪行。
もしかしたら これが あんな の能力なのかもしれない。

マリアへの二律背反な気持ちが彼女に恋愛バトルの優位性をもたらしているのか。


ただ、このメールに関しては納得がいかない。

ここで あんな が叙述トリックを用いた犯行の様子を描くのは分かるんだけど、
んーーー、そもそもマリアってそんな大事なことメールで送るかなぁ?という
根本的で大きな疑問が湧いてくる。

「愛の告白は相手の目を見て気持ちを込めて言わないと意味がないぞ」
いや、ラブリー変換で、
「告白に照れる顔も可愛いんだぞ♥」だろうか。

…などと思ったら、神田も同じことを言っていた。

しかし直接 想いを伝えようとしないマリアの態度に神田が告白(2度目)。

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芝居の中でも君に好きと言えるのなら…。芝居の中に逃げ場所があるのなら…。

自分の告白に対して、うれしいか?という神田の問いに、
「好きになってもらえて うれしくないわけが…」と答えるマリア。

今回も神田は自分の告白を芝居に変換して、彼はマリアを奮い立たせる。

目黒の気持ち、自分の叶わない想いを痛いほど知っている神田なら尚更だろう。
そして2人が両想いになれば自分の胸の痛みも引くのだろう。

利他的でありながら利己的、神田の神様は苦しい恋をしている。

こういう神田の深層心理の動きも以前のマリアなら一発で見抜いていた気がする。
が、やはり自分の恋愛に関しては能力が発動しないのかな?

マリアが ただの恋する、ちょっぴり臆病な少女漫画の主人公になっているなぁ…。


が、直接目を見た告白にも目黒の答えは同じだった。

ここは読者の予想を裏切る展開ですね。
そして この恋が成就するのはだいぶ先になりそうだ…。

なぜ目黒はマリアの告白を断ったのか。
その裏には、目黒とあんなが交わした ある会話・筆談があった。

それはマリアの過去、マリアの出自に関わるものだった。

なぜ彼女は一人暮らしなのか、その謎の一端が明かされる。
この物語は想像よりだいぶ重いものになりそうだ…。

マリアの過去によって目黒はマリアを抱きしめられない。

自分の気持ちを押し付けて抱きしめればマリアは過去を、
自分の母親の自死に深く関わっていることを思い出してしまう。

だから何も手を出さないようにする。
少し離れて見張るように見守ることが目黒の愛なのだろう。

合唱コンクール編」で恋のベクトルが互いに近づき、
「あんな編」で目黒が偽りのベクトルを反対方向に伸ばし、
最終回までに お互いの方向を修正するという感じでしょうか。


しかし、あんな はなぜ見てきたようにマリアの家庭の事情に詳しいのだろうか。
マリアは記憶を失っているので、彼女から聞いたという線はない。

一応、全てがでっち上げではない証拠はある。

それは当時の雑誌の記事。
相手が米海軍兵ということもあり、その当時事件となったという。


好きな子の本当に汚れた過去を知っても目黒は自分の気持ちが揺らいだりしないんですね。
簡単に人を好きになるけど、簡単に嫌いにもなれる10代の恋愛。

そんな中で目黒は彼女の騎士になることを選んだ。
なんという忠誠心だろうか。さすが「申し子」。

マリアは今回も目黒の中にある隠した気持ちに気が付かない。
恋が彼女の能力を鈍化させているのか。
こういう普通の物語が、切れ味が鈍ったように思わせられてしまう。

もっと建前を一思いに切り裂く言葉のナイフのような鋭さ、
そして そこから本音が出る偽りのない叫びが売りだったのに。

なんだか ずっと隔靴掻痒です。
必殺技を封じられて、決着が付かないバトルを見せられている気もする。


思っていたら、音楽教室の一幕でマリアの能力が久々に発揮される。
音楽教室で あんな と関わる男女の本質を代弁してしまう。

能力自体は失われていないようですね。
ただ書き言葉の あんな と、恋愛が絡む目黒には効力が弱まっている。

その音楽教室の一角で、再びマリアは あんなと本音をぶつけ合う。

そこで初めて語られるマリアの退学理由。
「あんなに対するいじめをシスターが隠蔽しようとしておもわず殴ってしまった」らしい。

だが、そのマリアの行動をあんなは憎んでいた。
なぜならマリアが行動を起こすまであんなは自分がいじめられている認識がなかった。

ここでもマリアは「悪魔の鏡」になってしまったようだ。
彼女があんなのためにした行動で見えてきたのは、孤独で可愛そうな あんなの姿だった。

マリアは露悪的に あんなを罵倒することで謝罪をする。
これは「ラブリー変換」ならぬ「ロンリー変換」だろうか。
「デビルー変換」でもいいわよ♥

『5巻』のラストといい、女性同士に容赦がないことが清々しい。
徹底的に傷つけて、そこから再生する関係に注目したい。


でも何でもかんでも悪魔に例えすぎ。
そして その反対を天使にしすぎ。
ちょっとチープである。