《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

少女漫画と小説の感想ブログです

少女漫画 感想リスト(ライト版) 著者名順

著者名順
※ 各巻の感想は、リンク先のページから お読みいただけます。

・書名の前に がある漫画は 特にお薦めです。

青木 琴美あおき ことみ
・僕は妹に恋をする 基本データwww.wwwbestlilium.com

赤瓦 もどむあかがわら        
・兄友 基本データwww.wwwbestlilium.com

アサダ ニッキ
星上くんはどうかしている 基本データwww.wwwbestlilium.com

アルコ・河原 和音かわはら かずね(共著)
俺物語!! 基本データwww.wwwbestlilium.com

いくえみ 綾いくえみ りょう
プリンシパル 基本データ
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池山田 剛いけやまだ ごう
・うわさの翠くん!! 基本データ
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和泉 かねよしいずみ       
・ダウト!! 基本データ
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岩本 ナオいわもと     
町でうわさの天狗の子 基本データwww.wwwbestlilium.com

宇佐美 真紀うさみ まき
・ココロ・ボタン 基本データ
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大詩 りえおおうた りえ
・猫田のことが気になって仕方ない。 基本データwww.wwwbestlilium.com

小畑 友紀おばた ゆうき
僕等がいた 基本データ
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北川 夕夏きたがわ ゆか
・影野だって青春したい 基本データwww.wwwbestlilium.com

金田一 蓮十郎きんだいち れんじゅうろう
ライアー×ライアー 基本データ
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くまがい 杏子        きょうこ
・放課後オレンジ 基本データ
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呉 由姫 くれ ゆき(原案:ルビー・バーティー
金色のコルダ 基本データwww.wwwbestlilium.com

幸田 もも子 こうだ ももこ
ヒロイン失格 基本データ
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小玉 ユキこだま ゆき
坂道のアポロン 基本データ
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月影ベイベ 基本データwww.wwwbestlilium.com

小村 あゆみこむら    
・ミックスベジタブル 基本データwww.wwwbestlilium.com

咲坂 伊緒さきさか いお
ストロボ・エッジ 基本データwww.wwwbestlilium.com
アオハライド 基本データ
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栄羽 弥さこう  わたり
・コスプレ★アニマル 基本データ
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椎名 軽穂しいな かるほ
君に届け 基本データ
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末次 由紀すえつぐ ゆき
・エデンの花 基本データ
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タアモ
たいようのいえ 基本データwww.wwwbestlilium.com

高須賀 由枝たかすか ゆえ
グッドモーニング・コール 基本データwww.wwwbestlilium.com

田中 メカたなか    
キスよりも早く 基本データ
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ぢゅん子ぢゅんこ
私がモテてどうすんだ 基本データwww.wwwbestlilium.com

椿 いづみつばき いづみ
親指からロマンス 基本データwww.wwwbestlilium.com

桃森 ミヨシとうもり みよし
ハツカレ 基本データwww.wwwbestlilium.com
悪魔とラブソング 基本データ
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時計野 はりとけいの はり
・お兄ちゃんと一緒 基本データwww.wwwbestlilium.com

南波 あつこなんば あつこ
スプラウト 基本データwww.wwwbestlilium.com

葉月 かなえはづき     
好きっていいなよ。 基本データwww.wwwbestlilium.com

八田 鮎子はった あゆこ
オオカミ少女と黒王子 基本データwww.wwwbestlilium.com

葉鳥 ビスコはとり      
桜蘭高校ホスト部 基本データ
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春田 ななはるた    
・スターダスト★ウインク 基本データ
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樋野 まつりひの     
とらわれの身の上 基本データ
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平間 要ひらま かなめ
ぽちゃまに 基本データ
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福山 リョウコふくやま       
悩殺ジャンキー 基本データwww.wwwbestlilium.com

藤沢 志月ふじさわ しづき
・キミのとなりで青春中。 基本データwww.wwwbestlilium.com

みきもと 凜     りん
近キョリ恋愛 基本データwww.wwwbestlilium.com
きょうのキラ君 基本データ
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水瀬 藍みなせ あい
・なみだうさぎ 基本データ
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水波 風南みなみ かなん
・レンアイ至上主義 基本データ
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南 塔子みなみ とうこ
・360°マテリアル 基本データwww.wwwbestlilium.com
・ReReハロ 基本データ
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森下 suuもりした すう
・日々蝶々 基本データ
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山田 デイジーやまだ     
・初恋はじめました。 基本データ
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山田 南平やまだ なんぺい
・空色海岸 基本データ
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やまもり 三香やまもり みか
ひるなかの流星 基本データ
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吉住 渉よしずみ わたる
ちとせetc. 基本データ
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ろびこ
となりの怪物くん 基本データ
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渡辺 あゆわたなべ あゆ
・L♥DK(エルディーケー) 基本データ
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少女漫画界一 厭世的ではありますが、不特定多数と交際していた典型的ヒーローです。

ロッキン★ヘブン 2 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)
酒井 まゆ(さかい まゆ)
ロッキン★ヘブン
第02巻評価:★★★(6点)
  総合評価:★★★(6点)
 

勉強会のおかげでテストの結果も良く、喜ぶ紗和たち。けど、城戸が紗和を好きだと知った藍は紗和を避ける。そんな中、体調を崩した藍。紗和は見舞いに行くが…?

簡潔完結感想文

  • 看病。家族のいない広い家に単身 乗り込むヒロイン。じゃ 服を脱げ。
  • 中2の3学期。クラスを覆う連帯感の、全ての謎の真相が明らかになる。
  • 元カノ。学校生活は無気力ですが、恋愛に関しては気力旺盛だよ☆

ーローの過去の あれこれが明らかになる 2巻。

彼の過去を知ることで納得のいくことと、納得のいかないことが混在している。

ヒーローなのに いまいち表情に覇気がなかった藍(らん)の理由が分かった。
そしてクラスメイトたちの友情とは違う奇妙な連帯感も理解できた。

だが彼のことを知る手掛かりなのに、彼のことが理解できなくもなった。
彼の抱える絶望に対して、恋愛面の設定がマッチしないのだ。

ヒーローに特殊性を出すために影を持たせたが、
あくまで漫画の展開は少女漫画の既定路線を行くだけ。

それは作品の決定的な瑕疵となるようなものではない。
しかし設定と内容の道具立てのチグハグさに違和感が生じた。


ーロー側が暗い過去や恵まれない家庭環境の中にいる、
というのは少女漫画の中では もはや定番化された設定と言ってよい。

ヒロインは、そんな彼の心の中に立ち入ることの出来る唯一の女性という特別性が生まれ、
彼の人生を変えた運命の人となっていくことで存在価値を高めるのだろう。

本書のヒーロー・藍は そんな不幸な背景を持つヒーローたちの中でも、
特に厭世的な人物であることが『2巻』で明かされた。

それが中学2年生の3学期の、校舎からの飛び降り。
直接的な言葉は使ってないが、端的に言えば自殺(結果的に未遂)である。

私の読書歴の中ではヒーローの自殺未遂は初めてかも。


しかし、そうなると『2巻』で明らかになる もう一つの過去、
恋愛遍歴との兼ね合いに違和感が生じる。

藍は来るもの拒まず、不特定多数の人と交際をしていたらしい。
そして中3の時(現在高1なので去年)には半年くらい長く付き合っていた元カノがいた。

ここから少女漫画の定番の元カノ問題に発展するのだが、
藍の人生年表は どうなっているんだと疑問も生じる。


女漫画のヒーローは過去の女性遍歴が派手だ。

これは競争力の高さを示して、ヒーローに付加価値を与えようとするもので、
更には数多いる女性の中からヒロインが選ばれる運命性の演出が可能になるのだろう。

藍の場合はどうか。
家庭環境の不幸や閉塞性から、女性との交際に愉楽を求めるのは分かる。
なかば投げやりに不特定多数の女性に望まれるまま交際をする過程も理解できる。

だが、自殺未遂から間もなく半年の交際には疑問が生じる。
これも藍が望まれるまま交際して、彼女が不満を募らせて一方的に別れた流れらしい。

でも死んだように生きていた藍ではあるが、
基本的に優しさを持ち合わせてる彼が愛のない交際を長期間するかは疑問だ。

無気力だけど刹那的な関係だけでなく、女性と交際しようとする気はある。
しかし彼女に何の思い入れもないみたいだ。
作品全体から見て、この元カノとの交際が彼の人生に何の影響も与えていないことが残念だ。

例えば、この恋愛で藍が自分は長期的な恋愛に向かないと思い知らされたとか、
自殺未遂の傷が多少は塞がったとか、そういう類の描写は一切ない。

なぜなら作品が求めたのは、元カノという記号だから。

藍と紗和(さわ)の恋愛において、
不特定の女性たちではなく顔の見える特定のライバルが必要だっただけ。
要するに元カノ問題がやりたいがための、即席の元カノなのだ。
だから当時の藍の心理状態とか、元カノとの交際内容などは一切 考慮しない。

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可憐な容姿と元カノという設定のみが与えられた結李(ゆり)。残された役割は恋の踏み台か。

ヒーローにトラウマを持たせたい。
でも少女漫画の王道展開でしか物語を進められない。
そんな欲張りが生んだ折衷案が、顔のない存在が元カノ・結李(ゆり)なのである。

今後の展開から言って、物語にずっと顔を出すのは難しいが、
それにしても即席で作られた立場の、即退場キャラで可哀想である。


でも実はこれ、今後の展開、
藍と交際しても決して女性は幸福になれないということの前振りだったりして…。


カノ問題も含めて『2巻』では、
少女漫画の定番イベントと「あるある」が多く盛り込まれている。

『1巻』を通じて、すっかり男子生徒(主に5人組)と仲良くなった紗和。
だが男女の間には友情よりも愛情の方が育ちやすく…。

そんな仲間たちの変わり始めた雰囲気に、藍が過剰反応する。
どうやらクラスの雰囲気には何やら彼が関わっているらしい。

そこへ やってきた風邪回。
藍が体調を崩して、紗和が一人で様子を見に行くことに。

これは藍と親しい椿(つばき)が気を回したから実現した。
椿は藍の中に芽生え始めている恋心に気づいていたからこそ、紗和に頼んだのだろう。
これは椿が藍の様子をつぶさに観察している成果だろう。
ただ、誰もいない男性の家に女性を一人で向かわせるのは配慮に欠ける気がする。

少女漫画あるある では恋人(または その手前の関係)が、
互いの家に行くと飲み物をこぼしたりして、服を着替える率が異様に高い。

展開は王道を行く本書ですから、当然あります。
今回は紗和が藍の家に向かう最中に梅雨の雨に打たれたので、服を着替えるというもの。
藍の家なので着替えるのは藍の服。
これはなかなか胸キュンポイントが高いのでは。

裁縫は苦手のようだが、料理は出来る紗和なので 彼のために お粥を作ってあげる。

どうでもいいが、アゴが尖りすぎて結果、口が小さい男性たち。
食事するのも大変だろうな、と余計な心配をする。
あと口やアゴの構造からいって食べ物を食道へ通すのも一苦労だろう。


そこへクラスメイトの城戸(きど)が門前に登場。

藍は嘘をついて彼を追い返す。
その理由は、城戸が紗和を好きだから変な誤解が生じるというもの。

城戸の恋心を勝手に暴露する藍。
デリカシーのない奴め。
そして これは二重にデリカシーが無くて、
城戸本人だけじゃなく、藍に恋し始めていた紗和のことも間接的に傷つけている。
自分に好意はないと言われているようなものだもの。


して男女の間の恋愛沙汰は、仲間内にも問題を引き起こす。

藍と城戸との関係が気まずくなったことで言い争いが勃発。
そして城戸は藍のトラウマをえぐるような発言をしてしまう。

それが上述の自殺未遂の経緯と経過。
父親との関係が行き詰まり、父の監視下にない新しい道へ進むことも反対されて、
絶望した藍は身を投げた。
それ以来、「何に対しても投げやりになった」藍。
(なのに男女交際に関しては結構 前向きなのだから違和感がある)

当時のクラスメイトたちは、藍の飛び降りなど無かったかのようにモミ消した学校側が許せず、
藍と常に行動を共にするようになった。
そして今は、藍を見守るために側にいる。
彼らの教師たちへの反抗的な態度にも理由があったのだ。

まぁ、不幸なら荒れていいという訳でもないが…。

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紗和の王道ヒロイン発言。ちなみに(左下)は三つ子ではありませんので、ご注意を。

藍の過去を知ることで、紗和は恋心を明確に自覚していく。
そんな折に元カノ・結李が登場して、この恋は前途多難の様相を呈するところまでが『2巻』。

非常にオーソドックスな恋愛漫画となっております。

そういえば、藍は高校入学以降(紗和と知り合ってから)は不特定多数との交際をしていないのだろうか。

友人・椿も含めて中学生の時は お盛んに遊んでいて、
高校生になったら落ち着いたというのは都合の良い展開である。

全ては過去にすることで、紗和や読者は彼らに幻滅することないように設計されている。
優しくて遊び慣れた格好いい男の子たちという便利な存在が出来上がった。

まぁ、現実的に考えれば すっぱりと遊びを止められるとは思いませんが(意地悪)。


『2巻』の1/4は、おまけページです。
作者の労力はすごいと思うが、本編重視の私には読み応えが減じる構成。

おまけ がなければ全6巻ぐらいでまとまったんじゃないか。

紗和の小西(こにし)家の間取りが現実的で驚かされた。
もっと現実離れした広さなのかと思ってた。
ちゃんとローンで支払ってそうな感じがする家だ。

制服目的で学校を選択したように、青春目的でクラス改革。恋愛は副産物に過ぎない。

ロッキン★ヘブン 1 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)
酒井 まゆ(さかい まゆ)
ロッキン★ヘブン
第01巻評価:★★★(6点)
  総合評価:★★★(6点)
 

制服に憧れて天羽学院に入学した紗和。しかし、そこは元男子校でクラスは男だらけの無法地帯だった!! イジワルばかりする彼らに紗和は反抗して…?

簡潔完結感想文

  • 無意識の逆ハーレム。気が付いたらクラスは生意気ざかりの君たちのイケメンパラダイス。
  • 「ゴミ組」謎の結束。異邦人の主人公がクラスの過去にまつわる謎を解き明かすミステリ。
  • 努力は必ず報われる。イベントに並々ならぬ熱意を燃やせ。血と汗の染み込んだゼッケン。

愛も青春も相手を矯正してから始まる 1巻。

清く正しい少女漫画です。
小学生が読んでいても全く問題のない種類の漫画です。
「りぼん」の正統派と言っていい前向きな主人公が、恋に青春に全力疾走しています。

ただ、余りにも正統派すぎて本書ならではのオリジナリティに欠けるようにも思えた。

男装などはしないが、女子が男子の群れの中に入っていく様は少女漫画の典型パターンですし、
男子生徒の意識を女性が捨て身の奮闘で変えていくという展開も既視感がある。
ヒットする要素ばかりで作られた作品である。

私の中で連想したのは
本書の連載時にはドラマ化はされていなかったが原作漫画は既にあった「花ざかりの君たちへ」と、
原作漫画・テレビドラマが当時 大ヒットしていた「ごくせん」です。
その内容を足して二で割ったような印象を受けた。

高校生という設定の割には話が狭い世界で完結していると思ったが、
最終回を読んで、それこそが作者の狙いだと分かった時にはカタルシスを覚えた。

『1巻』では その狭い世界であるクラス内の変化が描かれる。

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主人公だから口には出さないけど、可愛い制服を着こなす可愛い私という自意識が見える。

人公の小西 紗和(こにし さわ)は15歳。
天羽(あまばね)学院高等部の新1年生。
4月に入ると同時に新しい家に引っ越してきたという設定。

だが制服名鑑のみで学校を選んだ彼女には知らないことが1つあった。
それが この学校が去年まで男子校だったこと。
そこから二重の意味での異邦人生活が始まる。

ちなみに新しい家の周辺では事件は起きません。
本書の舞台は高校の、更に言えば紗和が在籍する1年G組のみ。
世界は教室の広さに等しい。

1年G組に女子生徒は2人のみ。
といっても学校の中には女子生徒は いることはいる。
ただし紗和は他生徒と ほとんど交流を持たない。
彼女の興味は自分のクラスだけ。

途中参加の新キャラまでも、このクラスに転校してくるから
単純に逆ハーレムのイケメンパラダイスを作りたかったのかな、と思ったが、
紗和にとって高校生活はクラスの親密度が高く、充実した学校イベントを送ることと同義であった。

本書は間違いなく恋愛漫画であるが、その前に青春漫画である。
恋愛は青春の中の一要素に過ぎない。

結構早い段階で恋愛要素が淡白になっていくが、
それでも読み続けられるほどクラスメイトたちが活躍する。

紗和が この学校を元・男子校だと知らなかったのは とんでもない ご都合主義であり、
彼女の頭が お花畑だという証拠である。

制服という自分を装うツールこそが目的で、偏差値などは関係ない。

そう考えると紗和は結構なナルシストのように思う。
制服の似合い方を自画自賛しているし、毎日、鏡に向かって髪型を気合入れて整えている。

問題児だらけのクラスメイトと伍して話す勇気があるのも、
自分の容姿に自信があるからでは?と、卑屈な私は邪推してしまう。

まぁ そんな深読みをしなくてもいいのだろう。
これは まだ自意識や劣等感に苛まれる前の小学生読者のためでもあろう。

ただ、細かいことに捕らわれない、自分の楽しいことを追求する彼女だから、
クラスの改革に身を投じることになっていく…。

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実は男装の麗人でしたと言われても違和感のない藍。首が細長いぜっ!!

1年G組は、問題の多いクラス。
というか問題児が多いクラスかもしれない。

学院総理事の一人息子の松雪 藍(まつゆき らん)を筆頭に、
内部生の持ち上がりが多く、G組の生徒の構成は中3の時のメンバーとほぼ一緒らしい。

これは藍が総理事の息子による特権を利用したというよりも、
問題児を一か所に集めて封じてしまおうという学校側の苦肉の策なのだろう。

その証拠に、他生徒からG組は通称「ゴミ組」と揶揄されている。

学校内の治外法権的な場所がG組。
教員すらも恐れをなす授業が受けられない世紀末的な荒れ果てた雰囲気。

そこに掃き溜めに鶴とばかりに現れたのが紗和だった。

そんなクラスがどうかわるかが『1巻』の内容。
紗和の孤軍奮闘ぶりが彼女の自己紹介代わりになります。

ハッキリ言って、G組の男子生徒たちの精神年齢はかなり低い。
高校1年生とは思えない、小学校高学年レベルの粋がった生徒たちの集まりにしか見えない。
これもまた読者の年齢に合わせた、のだと思いたい。

クラスメイトとの青春を目標にする紗和は、
幼稚な男子生徒たちにピシャリと物言う立場。

しかし それが男子生徒の反感を買い、
「女共が調子乗らないうちに もっと釘さしといた方がいーんじゃねーの⁉」
という、決して頭の良くない発言を引き出す。

お子様な彼らのやることは姑息で彼女の靴を隠しては喜ぶ始末。
ここも暴力やら暴行などに手を出さないのは読者のためか。
高校生にしては幼稚だが、これ以上の非道な行いをすると読者が彼らを嫌いになってしまう。
女性読者たちが男の子って可愛い、と思うぐらいのレベルが この辺りなのだろう。


ちなみに こういう時に、紗和以外の唯一の女子生徒・永島 晶(ながしま あきら)は関与しない。
これは彼女の危機管理能力の賜物というだけでなく、
漫画家志望の彼女の時間は漫画制作のためにあるからである。
このドライな思考によって、序盤は紗和一人で問題を解決する流れが自然と出来ている。

多人数を一気に動かしながら、
それでも焦点を絞って、要点を説明している点に感心する。

紗和の正義感と負けん気の強さ、
そしてヒーローの藍の陰険さと危うさ、そして優しさを上手に1話で まとめている。


うして一目置かれるようになった紗和が次に挑むのは球技大会。

気だるいことが格好いいと思っている男子生徒を学校イベントに参加させるために、
紗和は身を粉にして尽力することを厭わない。

無理難題が立ちはだかっても、目的に向かって全力疾走する紗和の姿は、
精一杯生きることの楽しさを伝えてくれている。

ヒーローの藍も紗和の努力を認め、
彼の根本に潜む優しさを見せて、紗和の胸をときめかせる。
無気力に見えても、何だかんだヒーロー役をしっかりと演じてくれている。


でも、1つだけ気がかりなことがある。
それは、紗和が球技大会に参加している様子がないこと。

そもそも女生徒が少ない中で、彼女たちはどう対決するつもりだったのか謎だ。
共学校としてスタートを切ったばかりの学校運営の混乱が見られる?

なので球技大会における紗和の役割は、男子生徒を支える完全にマネージャーである。

参加の条件とはいえ男子生徒全員(35人分)のゼッケン付けをして、
やる気を引き出すためとはいえ、朝5時半から おにぎりを作っている。

これは女性の役割は裁縫と家事という旧来の価値観が滲み出ているような気がしてならない。
その疑念を払しょくするためにも最後には紗和にも男女混成チームで球技大会を満喫する様子が欲しかった。

女性の社会進出という意味では、
紗和の家族の小西家は母親が獣医師として働きに出て、父親が専業主夫をしている。

ただ これは変わったキャラ付けの一環でしかないように思える。
このことが既存の価値観を揺るがすような問題提起はしていない。

実際、最後まで紗和は紗和であることだけを望まれ、
周囲の人物たちが将来の夢などを明確にしていく中でも、彼女の道は示されない。
唯一示されたのは、前時代的な女の幸せのみ。

その意味では、紗和は男性たちからチヤホヤされるだけの愛され主人公である。
男子主導の学校生活の価値観まで変革するぐらいの大望を持って欲しかった。


いても学校イベントが続いて、試験直前の勉強回となる。

勉強会場は引っ越してきたばかりの紗和の家。
休日ということもあり、小西家は全員集合。
紗和の両親もクラスメイトたちと初対面となります。
(ちなみに女生徒・晶は今回も欠席)。

そして まだ交際前だが、ヒーローと家族の対面場面でもある。
私の中での「少女漫画あるある」では、
家族と対面・挨拶することは、婚約とほぼ同義である、という偏見がある。

本書の場合、交際前から婚約が成立している。
その結果がどうなったかは、最終巻で明かされるだろう(知ってるけど)。


この勉強回は本書で初めて学校外に出る回でもある。
全員の私服が見えたり、これまで以上に素顔が見えてくる回。
色々と読み込む要素が満載だと思われる。

そんな中で藍が何かに反応していることが分かる。
小西家で家族とクラスメイトで囲む食事の間も、どこか虚無的で覇気のない藍。
そんな彼の様子に気づいた紗和は、2人きりでの後片付けの最中に藍のプライベートを垣間見る。
(食事に睡眠薬でも混入していたのだろうか、というぐらい他の男子生徒4人全員が即座に寝る!)

これもまた学校という檻から出た開放感が成せる業だろうか。

クラスメイトと距離を近づけるという本来の紗和の目的は達成され、
次は、藍個人に近づくことが彼女の目標となる。
青春の環境を整えてから、次は恋愛への主題が移るのだろう。

紗和は割と お花畑の人ではあるが、
恋愛が人生の全てと思う恋愛脳ではないことが分かる。
恋愛だけでなく何事においても前向きという紗和の姿勢に好感を持った。


年ぶりとなる「りぼん」漫画。前回は春田なな さん『スターダスト★ウインク』

ページ全体に貼られたトーンの多さに驚く。
事実、書籍のデータも他の漫画に比べて多い。
白っぽい漫画が60MBに対して、本書は100MBを超えている。
画面に余白がないほどである。
この辺も少女向けに華美にしているのかな。
私には少し目に痛いぐらいだ。

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紗和の大きい目 特集。特に(右)の紗和は主人公なのに作画崩壊している。怖いけど笑える。

目といえば、気になるのが主人公の顔。

結構、少女漫画耐性のある私だと思うが、この顔は怖い。
目が大きすぎて、顔から零れ落ちんばかりである。

表情の変化で上のまつ毛から黒目が離れることが多いが、
そうすると本当に落ちそうに見えて恐怖が倍増した。

この目の大きさはやりすぎで、
失礼ながら、深海魚やトンボの目の大きさに類似すると思う。
中盤から徐々にサイズダウンしていって違和感もなくなったが。


男子生徒は基本的に同じ顔である。
髪型・髪色・メガネの有無で見分けるのが精一杯。
クラスメイトでは誰が好き、などと言ってられないほど判別すら困難な状況だった。

男子生徒は目が紗和に比べたら小さくなっているが、
大きな目でバランスを取る代わりに、目の距離を離してバランスを取っていると思われる。

なので顔の端の方に目が存在するという、こちらも魚顔の仕上がり。

そして斜め向きの顔は、俗にいうエラ部分が全く、あごから耳へと一直線。
その弊害で、口が異様に小さく、歯の生える隙間すらなさそうな気配である。
パッと見は綺麗なんだけど、現実にいたら個性的な顔に見えるだろう。


「エンドレス・マーチ」…
音楽学校に通う音羽 弥生(おとわ やよい)は学年でも有数のピアノの奏者。
だが臨時講師の寺脇(てらわき)だけは苦手。
なのに彼と個人レッスンが舞い込んできて…。

仮にも音楽学校で弥生の演奏の欠点に気が使いない人はいなかったのかという疑問はあるが、
自分だけが知るその人の本当の音、というのは秘密めいていてエロティックですらある。

最後のアドバイスは的確だけど、
彼女の気持ちに うぬぼれているナルシストじゃないと言えない気もする。