《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

少女漫画と小説の感想ブログです

経験豊富なヒーローは本当に大事な人には なかなか手を出さない「少女漫画あるある」。

ライアー×ライアー(9) (デザートコミックス)
金田一 蓮十郎(きんだいち れんじゅうろう)
ライアー×ライアー
第09巻評価:★★★★(8点)
  総合評価:★★★★(8点)
 

高槻湊22歳。友達の高校時代の制服で変身中、義理の弟・透に別人「みな」として惚れられてしまいつきあっていたが、真相を話せないまま別れてしまう。ようやく湊自身として透と気持ちが通じ合えた矢先、湊の部屋で「みな」の携帯を透が見つけちゃって……!? クライマックス目前、二重恋愛コメディー!

簡潔完結感想文

  • 答え合わせ。遂に透に みな と湊が同一人物だということが発覚。早くも危機⁉
  • 初めて尽くし。好きな人と過ごす新しい日々。その人との初めてが たくさん。
  • 親元を離れ、独り立ち。環境は整った。次の関係に進むための最後のハードル。

嬢さんとは清く正しい交際をさせて頂いています、の 9巻。

男女ともに22歳。
健全な男女の、健全なお付き合いは、清く正しい。
しっかりと順序を踏みたい、育ちのいい子供たちだから仕方ない。

新社会人として世に出て自活し始めた男女の向かう先は…。


『9巻』の2人を見ていたら、北村薫さんの『スキップ』『ターン』『リセット』の、「時と私 三部作」の書名が浮かんだ。

本書の主人公、晴れて恋人同士になった湊(みなと)と透(とおる)の義姉弟

しかし2人は正式な交際の前に、湊は別人格の みな ととして、透は彼女にベタ惚れの彼氏として
嘘で塗り固めた交際していたため、恋人時間を先取りしている。

本当の2人は まだ手しか繋いでいないのに、物理学上の交際歴は2年以上になり、
既に2人で お泊りしているなど『スキップ』した関係性が特殊である。

『9巻』で2人は全ての出来事・情報を『リセット』して新しい自分たちの関係を結び直す。
そして湊と透として一度 行った同じ場所を『ターン』する。

なんか思った以上に、文章が上手くまとまりませんでしたが、
そんな感じで、今度こそ嘘や偽りが存在しない、
清浄なる世界で もう一度 男女交際が始まります…。


頭は、本来「みな」が所持している携帯電話を、
湊が所持していたことが透に発覚する場面から。

ルームシェアする2人の部屋への引っ越しの際、
湊が自分では まだ見られない激甘な透の表情を収めた写真の数々が記録された
携帯電話を持って来てしまったのが伏線だったとは驚きである。

昨年末の交際開始から僅か1か月ちょっと。
早くも湊の人生最大で最悪の嘘が露見してしまいました。

思えば 湊って、自分がついた嘘を自分でカミングアウトしたことないような…(あったっけ?)

まぁ、あまり頭の回転が速くはない人なので、
自分で しどろもどろに弁解するよりも、
相手の出方を待って そこに正直に補足説明した方が被害は最小限になりそうだ。

今回の場合も、透が1日かけて みな=湊という衝撃の事実を
なんとか呑み込んでくれた お陰で、修羅場は回避されました。

ここでも透の天然加減が良いですね。
透が悩んでいたのは「そこっ⁉」という部分で、
姉の嘘や、素の自分を見られていた恥辱などは割と どうでもいいらしい。

透の方にも みな には姉の代替品という後ろめたさがあって、
そして みな 湊である可能性を意識的に排除して、
彼女との恋愛に邁進・妄信したかったからかもしれない。

そんな透に、湊は
「……途中 透はとっくに みなの正体に気付いてて
 逆に からかわれて いるのかもって思った」と過去の気持ちを明かす。

これは私も思いました。
お互いに嘘に全乗っかりすることが互いの幸せになると思っていたのかと思った。


今回は嘘がバレるタイミングも、その過程も最良だったんじゃないでしょうか。
湊の嘘は自分からはバラさないのが妥当な方策かもしれない。
それは『9巻』ラストの最後のカミングアウトにも言えることで…。


うして全ての嘘が帳消しになった2人。
本当に綺麗な身体になりました。
生まれ変わったと言ってもいいだろう。

2人の共通の友人・桂(かつら)くん や透が言う通り、
「優しくなった」「笑顔が多くなった」湊が、「本来の姉(あね)さん」なのだろう。

潔癖症の湊が嘘で汚れてから約3年弱か。
自分の汚れは簡単には落とせませんでしたね。


そして透。
彼は本当に生まれ変わってしまった。

湊も解説している通り、
透は湊に初めて会った小学生の気持ちを ずっと保持している。

なので性欲や性体験は既にあるけど、彼にとって最初の男女交際になる。
だから2人は同じ速度で道に迷わないよう前に進むため、
また2人で手に手を取り合って同じ目的地に進まなければ ならない。

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出会った あの日から同じ速度で同じ目的に向かって歩くのが2人の基本姿勢。今は姉であり彼女だから。

ここは少女漫画の王道とも言えますね。

よくある展開としては、若くして(高2ぐらいで)女性を飽きるほど抱いてきた俺様ヒーローが、
主人公にだけは これまでとは違う胸の高鳴りを覚えて、どんどん本気になってしまう。

ヒロインに対して数々のドS台詞や、セクハラ行為をしてきたヒーローに、
突然、恋愛リセット機能が発動して、彼は純真な存在になる。
するとヒロインに対して欲望を湧かせたり、触れたりすることすら躊躇い始める。

この なかなか進まない関係に悩んだり ヤキモキするのはヒロインで、
時に大胆に彼との接触を図る、というのが王道展開です。


透は俺様彼氏ではないけれど、みな との交際では主導権を握っていた。
けれど湊との交際ではリセットされて、どちらかと言えば湊の方が関係を進めたい。


回、かつて みな と行った温泉旅館に湊と再訪する。
そこで透は混浴のチャンスがあっても照れて避けてしまう。
以前は自分から積極的に彼女を誘っていたのに。

今度は透の方が別人格になってしまいましたね。
湊が友人の真樹(まき)ちゃん姓・野口(のぐち)と、自分の名前のアレンジならば、
透は友人・桂くんの姓と、透を変換して「トオ」が適当か。

透の新人格・桂 トオ。ちょっと名前に違和感が…。

幼児退行したかのような この透の新人格と湊は上手に付き合わなければならない。
今回の交際は手を繋いで一緒に迷わないように進む。
それが2人の新しい、2人だけの形。

今回は手順を「スキップ」せたくない2人。
段階を踏んで、大事にこの愛を育てていくことを決める。

手を繋いで、デコチューして、抱き合って、キスをして、
男女の関係に進むのは、お互いの両親に交際の報告をしてからという暗黙の了解が出来上がる。

だが多くの場合と違い、お互いの両親とは お互いの両親なのである(笑)
自分を育ててくれた お父さんと お母さん。
その2人に報告することは、通常よりもハードルが高い。

背徳感が2人を包みそうになるが、2人で手を取って乗り越えようと決意する。

でも 交際の報告が湊主導だというのが心配だなぁ。
だって 上述の通り、彼女が自分から言い出す勇気は見たことないし、
それって、何かの拍子に親にバレちゃうフラグの気もするし。

その結果は次巻!
本書の後半は完全に単行本化を意識した構成ですね。


の目指す2人の理想形は 結婚!

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湊ちゃんと結婚することは15年ほど前から透の中では決定事項。反論なぞ聞きませんので。

彼の中に当然のようにある大前提である。

良くも悪くも透は情の深い人ですね。

大好きな湊ちゃんも、父母も、友人の桂くんも、
一生付き合っていきたいと思っている。
思い込みが激し過ぎて怖い部分も多々あるが…。


法律的には問題がないが、家族や周囲の人たちの心情面に不安を残す。
そして結婚のために必要なのは独り立ち。

多分 そういう通過儀礼として必要なのが、卒業や就職などの節目なのだろう。

人としても恋愛もモラトリアムの時期は過ぎて、
現実と向き合う時期に差し掛かったのだろう。

本書のスタートが2人が20歳前後と遅めなのも ここを見越してのことなのか。
(もしくは掲載誌の問題か。でも「デザート」も女子高生主人公 多いよね)

2人の通っていた大学のモデルは中央の大学だったんですね。
敷地が広そうだな、とは思っていましたが、なるほど。

湊の所属するインカレサークルは、2大学合同で卒業コンパ開催。

ここで湊の元カレ・烏丸(からすま)くんが湊に植え付けた呪縛を消し去ります。
立つ鳥跡を濁さず、ですね。
彼とはもう会う機会ないのかな。

これもまた恋人たちの関係を前に進める大事な儀式です。
かつての恐怖は、優しい人たちに囲まれているから大丈夫だ、という安心感に変わる。


そして就職。
通常の少女漫画なら、環境の変化は新しい出会いの場。
恋愛に波乱を起こすには もってこいの状況だ。

でも本書は職場の描写は最小限に止めて、そこで問題を起こしたりしません。
物語も最終盤だし、作者もこれまでの問題以上のことを起こす意味を見出さないのだろう。
絶対に これまで以上の問題にならないしね。

綺麗に整理された論点、引き延ばさない勇気。好ましい。
作者が新人作家じゃないから出来るのかもしれないが、大事なことです。


初任給を貰った2人は両親への贈り物を購入し届ける。

嬉しさの余り感涙する父親、子供たちの成長を実感する母親。

「世界一親孝行な子供たちを持った 世界一幸せなお父さんとお母さんだわ!!」

お母さんは世界一って言葉好きね。
本来なら額面通りに受け取れ、厚意が実った嬉しさでいっぱいになるはずの言葉だが、
これは2人を呪縛する言葉にもなる。

家庭外では恋人同士であるが、
その交際を報告したい両親の前では子供たちで、関係は姉弟でしかない。

仲が険悪だった最低の時期も両親の前では心配をかけまいとしていた
家族を大事にしている2人だからこそ、悲しませるかもしれない予感に苦しむ。

優しい人たちに待ち受ける 最後の関門。

2人は間違いなく清い交際で、
授かり婚の事後報告じゃないんだから自信を持って、と言いたいが、
それは外野の声なのだろう。

みんなが笑って暮らせる日が来ますように!

ライアー×ライアー(9) (KC デザート)

ライアー×ライアー(9) (KC デザート)

傷つきたくないから嘘を重ねる自分が キライだ × キレイだ 初めて会った時から君はずっと。

ライアー×ライアー(8) (デザートコミックス)
金田一 蓮十郎(きんだいち れんじゅうろう)
ライアー×ライアー
第08巻評価:★★★★☆(9点)
  総合評価:★★★★(8点)
 

高槻湊(たかつき・みなと)22歳。友達の高校時代の制服で変身中、義理の弟・透に別人として惚れられてしまいつきあっていたが、真相を話そうとした矢先「姉を愛している」と告白され、結局カミングアウトできないまま別れてしまう。お互いに「好き」なのに、きょうだいだからこそすれ違ってばかりで…!? 話題沸騰! 二重恋愛コメディー!

簡潔完結感想文

  • 告白が相手を困らせるなら嘘にすればいい。後腐れの無い関係継続のために。
  • 嘘から真実への反転。透の回想を通して語られる 彼の彼女の見守り方とは…。
  • 好きが発動する科学。もう一度 君に触れて、最初の日から 始めてみよう。

れい は汚い、汚いは きれい、の 8巻。

本書の主人公、同じ年の義理の姉弟・湊(みなと)と透(とおる)。
中学生の あの夏の日から こじれてしまった2人の関係。

見たくなかった/見られたくなかった姿で対面したことで、
一方は きれいを追求し、他方は汚いを甘受した。

そうして潔癖症をこじらせた湊が、架空の女子高生・みな として透と交際をする。

その過程の中で見えてきたのは、最初に出会った頃と変わらない透の優しさ。
そして嘘に頼る自分の弱さ、嘘を続ける自分の汚さ。

彼女の嘘は自分を守るために行使される。


一方、あの夏の日以降、女性関係が乱れに乱れ、湊から蛇蝎の如く嫌悪されていた透。

だが今回、そんな彼の心境が初めて語られ、彼の中にある純真な部分が明かされる。
それは自分がどんなに汚れても、変わらなかった彼の本願。

自分をも騙す彼の嘘は全て彼女を守るためのもの。


いつの間にかコスプレしていた自分のキャラクタ。
嘘をついたことで見えてきた自分と他者の本質。
今回、湊は清濁併せ呑む 素の湊として、透に向き合うのだが…。


世一代の透への告白は、まさかのスルー。

これには『7巻』ラストから楽しみにしていた読者も肩透かしを食らっただろう。

でも これは、無駄な先延ばしなんかではなくて、
後半を読むと 透なりの理由があることが分かる。

それが湊の「物語の無さ」だろう。

「透の中では わたしとして(みな ではなく湊)
 透を好きになった流れが全然見えない」というのはもっともな指摘。

読者は二重恋愛も、湊の心の推移もずっと追ってきているが、
透としては、一足飛びに距離を詰めてきた姉に困惑するしかないだろう。

透の不信は彼らの変遷にも原因が あった。
あの夏の日、いや それ以前から絶望の中に生きていた透にとって、
自分が永く望んでいた言葉を姉が発するなど非現実的なことだったのだろう。

透は甘い言葉に乗りそうになる自分を自制している。
姉の告白を信じて、暴走した自分が姉を傷つけてしまうのが怖い。

もはや透にとって姉との距離は つかず離れず が適切な距離になってしまっていた。


が、みな として透の本心を聞いていた湊としては まさかの結末。

この勝負の勝算は高いと判断したのに、まさかの敬遠。
告白する前よりも希薄な関係になるとは思いもしなかっただろう。

やっと本当のことを話しても信じてもらえないのは、まさに「おおかみ少年」のよう。
大体が自業自得だから、一層 悲しい。

2人きりの空間を徹底的に避け、家に帰らなくなった透に対して、
湊は 彼の困惑を除去するために、また嘘をつく。

でも これは後ろ向きの嘘ではなくて、
塚口先輩が湊に告白した際(『6巻』)、彼女の困った態度で望みのないことを悟り、
咄嗟に誤魔化したのと同じ、優しい嘘だと思う。

その嘘は自分の都合よりも、相手の心の平穏を望んでいる自分が つかせる。

これまで嘘を逃げ道として使用してきた湊も、
他者を思って嘘がつけるようになったという成長の証でもあるのではないか。


まぁ、この嘘のせいで更に透は混乱することになるのだが…。


の回想編が2話分続く。

「小学生の時に初めて会った その時から 多分ずっと好きだった
 初恋だったのかもしれない」

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同じ年の あの子は僕を その手で世界一にしてくれた。だから僕は世界一でいなければ いけないんだ。

湊と初めて出会ったのは小学校低学年~中学年の頃。
妻と死別した透の父親と、夫と離婚した湊の母親が「お友達」になった頃から。

けれど無知が透の人生を狂わせたともいえる。

まさか自分の父親が再婚を前提に湊たち母娘と会っているとは思っていなかった。

仲良くなった優しい湊と結婚するいう夢は、姉弟になってしまっては果たせない。

子供だったから、子供で純粋だったからこそ、深く傷ついた透。
そこから絶望が襲った。

思えば、女子高生の みな と交際時に、時期尚早で独り善がりな家族計画を話していたのも、
かつて潰えた夢のリベンジだったのかもしれない。

そう考えると透と みな の交際って悲しいものがありますね。
彼にとって みな は諦めていた自分の気持ちや夢を再生する装置でしかなかったとも考えられる。
みな が実在していたら透の嘘は、湊のそれと同等か、それ以上に罪深い。

透にとって湊は、自分が知らない母の優しさを与えてくれる人で、
自分が言い出せない父への甘えを補完してくれる人で、
世界一という自己肯定感と目標をくれた人で
きっと初めて好きになった異性で、
つまりはそれは世界そのもの。

こりゃあ、湊が神になっても おかしくありませんわ。


しかし中学校入学前から なかば投げやりな人生だから、
家族とは適切な距離を保ち、他者(特に女性)とは刹那的な関係を築く。

あの夏の日、透の部屋で裸の彼を湊が見た時、
自分が「世界一最低な弟」になったことを痛感した。

悪循環ですね。
また湊に頭を撫でて欲しくて演じていた役は最低の評価を受ける。
彼女のために「世界一」を目指していたのに皮肉な結果だ。

ただ悪いことばかりではなく、
自分の素行の悪さ(主に女性面)が評判となることで、
湊の男性不信が募り、彼女に「好きな人」が出来ることは遠ざかった。

透は自分の行動が間接的に彼女を傷つけることを知りながらも、
それが彼女を守っているとも信じていた。

ヒールになることでナイトになる、か。
まさか、彼女に嫌われることが快感に変換されたりしてないよね⁉
無表情を取り繕いながら、内心では ドM心がMAXとか 割と気持ち悪いです。


でも、透は本当に「女関係なかったら悪い子じゃない(『1巻』湊 談)」。
家族関係を何よりも尊重し、波風を立てない。
両親の前では昔の様な関係を演じる嘘つき兄弟たちは優しい。

湊に嫌われても言い訳もしないし、追い縋ったりしない。
何事も右から左に受け流す、それが彼の信念なのかもしれない。
タフな精神力の持ち主です。


んな気まずい状況の中で開催されるサークルのスキー合宿。

今回の日程は年またぎ。
そして部屋割りは またもや湊たち高槻(たかつき)姉弟で1室。

精神的不調がスキーに影響するのも同じな姉弟
血は繋がってないのに、魂の双子。ソウルメイトなの?
湊は透、透は湊、と考えれば本書は一気に分かりやすいのかもしれない。


そんな一室で巻き起こる姉弟の対話。

部屋から出て行こうとする透に対して、湊は訳を問いただす。
そこで語られるのは ありたい自分たちの関係性。
今度こそ、嘘偽りなく想いを伝える…。

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彼の手を通して、あの日から彼が自分をどれだけ大切に想ってくれていたかが伝わる。

2人の想いが通じる場面、すごい好きだなぁ。

『1巻』や回想の中にあった、あの2人での最初の思い出に繋がるのかぁ。
それを覚えていてくれた湊がいて、
それを嬉しく思う透がいて、確かに気持ちが重なるのを感じられる。

どんな愛の言葉を囁かれるよりも ずっと確かなものが伝わる、
この2人らしい幸福な場面だな。

あの日の、あの日からの透が救われる感じもして涙が出てきます。


透が湊の気持ちを無視してまで強引にしてしまいそうになること、したいこと、には笑った。
これは後半の清い関係の伏線でもありますね。

きっと透の中では少年だった あの日の想いが変質することなく保管されていたのだろう。
湊は その手一つで、自分を満たしてくれる大切な人だから。


うして新たな関係性が構築されて始まる3回目の新年。

今年は湊と透だけで、そして両想いの2人として初詣に向かう。
同じシチュエーションを何度も描くことによって、
立場や流れた歳月を感じられるのが長期連載ならではの楽しみですね。

冬はイベントごとが多い。
続いてはバレンタインデー。

なのだが、年明けから1か月強経過しても何の進展もない2人。

どうやら透にとっての湊は不可侵の聖域らしい。
長年の思慕が、彼女を神格化させてしまったみたいだ。

透は彼女を 見守れれば それでいいらしい。
心が通うことが透のゴールで、もはや煩悩も湧かない様子。

ここで湊の心に湧き上がるのが、透の元カノ問題。

元カノとラブラブでイチャイチャだったことを身をもって知っている湊だけに
元カノ・みな に強い羨望を抱く。

少女漫画のお約束、元カノ問題が噴出するのだが、
それが亡霊との闘いだという構図は面白いですね。

みな もまた自分なのだが、透と恋人としての距離が近かった。
自分であって自分でない、相手に出来て自分に出来ない恋愛体験が彼女を悩ませる。

ここもまた、冒頭の告白と同じように、
嘘をついてきた分の報いを湊は受けているのでしょうか。


そんな悩みを抱えながら眠った湊の重大なミスを残して物語は終わる…。


巻末にはタアモさん『たいようのいえ』とのコラボ企画
「たいよう×ライアー」が収録。
掲載内容は『たいようのいえ 13巻』のものと全く一緒ですね。

アサダニッキさん『星上くんはどうかしている』といい、
2015年前後の雑誌「デザート」は私好みの作品が多いなぁ。

ライアー×ライアー(8) (KC デザート)

ライアー×ライアー(8) (KC デザート)