大切な人と紅茶を飲むささやかな時間の積み重ねが幸福になる。『紅茶王子』

紅茶王子全25巻完結(花とゆめCOMICS) [マーケットプレイスコミックセット]

作者:山田南平
白泉社

山田南平（やまだなんぺい）
こうちゃおうじ（こうちゃおうじ）

　私的評価：★★★★（8点）
　　蛇足度：★★（4点）
　　　理由：全く長さを感じさせない面白さだが、最終盤の独自ルールと動機が説明不足か。

奈子(たいこ)、そめこ、美佳(はるか)はお茶会同好会の部員。ある日、月夜の下で開いたお茶会の最中に、紅茶の中から2人の王子様が出現して…!?　マジカル学園ロマンス、待望の文庫化！（1巻あらすじ）

140字総評
作者の高い画力と想像力を存分に楽しめる作品。工夫が随所に見られる序盤は文句なく面白く、超長編になっても単純に紅茶王子を増やすだけにはせず、それぞれの人物に違う性格と違う役目を担わせていた。集中力の維持に感服する。終盤からの幾つもの別れはどれも忘れ難いシーンばかりで目頭が熱くなる。

紅茶王子の召喚に必要なのは紅茶と満月。この気軽さが作品への親近感に繋がっている。

基本データ
白泉社　花とゆめCOMICS　全25巻（文庫版12巻）+番外編1巻　全144話＋ α　約5,048ページ
掲載誌：花とゆめ　1996年21号－2004年12号
告白　： 　 138話／144話（ 95.8％：される）
両想い：　 139話／144話（ 96.5％）
　キス： 　 141話／144話（ 97.9％）
性行為： 　描写なし
エンディング：ハッピーエンド（時間経過：最終話は数か月後）
※『少女漫画分析』についてはリンク先をご参照ください。