お薦めしたい長所と、お薦めできない短所が混在するからジレンマに陥る『恋するハリネズミ』。

ヒナチなお
恋するハリネズミ（こいするはりねずみ）

　私的評価：★★☆（5点）
　　蛇足度：★★★（6点）
　　　理由：いるはずのない元カノの登場など、後半は連載の継続を優先し設定を無視している。

「人を殴るのが大好きで　他人に興味がない」そんな風に校内で噂されている帆月。ごく普通の女子高生・紀衣は、ハリネズミ好き。警戒したり、びっくりすると針で刺してしまう…そんなハリネズミみたいな帆月の行動の真相を偶然知り、彼に興味を持ちます。それをきっかけに話すようになった2人。知れば知るほど、帆月の隠れた優しさや、揺るがない正義感に惹かれていく紀衣ですが…！？つい「チクチク」してしまう、不器用なハリネズミ男子・帆月とのんびり屋の紀衣の、キュンキュン×チクチクラブストーリー。（1巻あらすじ）

140字総評
心理学の「ハリネズミのジレンマ」がモチーフの作品。自分のハリで人を傷つけることを恐れるあまり、人を遠ざけるヒーローに対し、ヒロインが傷つきながらも距離を縮めていく奮闘の様子が可愛らしい絵で描かれる。2人とも良い子たちなのだが面倒くさい性格で、話をややこしくしている張本人でもある。

自分と関わると相手の悪評まで立ってしまうので帆月はワザと露悪的に振舞う「泣いた赤鬼」。

基本データ
小学館　ベツコミフラワーコミックス　全5巻　全24話　約1,000ページ
掲載誌：ベツコミ　2014年01月号－2015年12月号
告白　：　　9話／24話（ 37.5％：する）
両想い：　 11話／24話（ 45.8％）
　キス： 　 10話／24話（ 41.7％）
性行為： 　描写なし
エンディング：ハッピーエンド（時間経過なし。）
※『少女漫画分析』についてはリンク先をご参照ください。