《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

少女漫画と小説の感想ブログです

シェアハウスから新しい家に移っても リビングのルールは不変。幸福であること、貴方がいること。

リビングの松永さん(11) (デザートコミックス)
岩下 慶子(いわした けいこ)
リビングの松永さん(リビングのまつながさん)
第11巻評価:★★★★(8点)
 総合評価:★★★★(8点)
 

私のリビングにはこれからもずっと大好きな人がいる。
シェアハウスで暮らす女子高生のミーコは一緒に暮らす年上デザイナー・松永さんとついに両想いに!でも、松永さんが大きな仕事を機にシェアハウスの卒業。そして、健ちゃんと朝子さんが結ばれて退去したり、シェアハウスの居住者が変化するなか、松永さんとミーコはすれ違い気味。ミーコの誕生日デートもドタキャンになって失意のミーコに凌くんが…!? オトナ男子とJKの年の差シェアハウス・ラブ、完結!

簡潔完結感想文

  • 好きな人のために用意したケーキは、必ず その人が食べてくれる、が この家のルール。
  • 遠距離&音信不通で美己の心のスキマは広がるばかり。それでも貴女が笑顔であるために。
  • 1話の美己の歓迎会から最終回の送別会まで彼女の青春の全てが描かれ、次のリビングへ…。

サリに大事なのは砂抜き、加熱し過ぎた当て馬ファンに大事なのは毒抜き、の 最終11巻。

最終巻で言うのもなんですが、このシェアハウスって建物の名称はないんでしょうか。アパートなら「××荘」みたいな。この作品の もう1人(?)の主役は間違いなく この建物なので、名前で呼びたい気分なのだ。ありがとう「サバコハウス(勝手に命名)」。
この家では『1巻』1話で美己(みこ)が引っ越してきて歓迎会が行われ、そして その6年後を描いた最終回では美己の送別会が行われた。美己が入居して退去するまでの物語で、間違いなく作品の舞台は このシェアハウスであった。読者としても美己と同じで、この家を出るのは寂しいのだけれど、その反面 幸福な記憶で充足しているという気持ちを味わえた。別れるのは寂しいけれど、それよりも この作品に出会えて本当に良かった!

もっと局所的に言えば、本書で一番大事なのは やはりリビングなのだ。ネットで美己の大学生編を読みたいという意見が散見されたが、ファンの気持ちはともかく、その頃は2人がイチャラブするリビングが確保できないので割愛したのだろう。非住人の松永(まつなが)がシェアハウスに来て、美己とイチャラブするなどマナー違反であろう。それをしないためにも松永は家を出たのだし。こんなことしたら凌(りょう)の傷跡をえぐって再起不能にしてしまう。そんな非常識なことを この2人はしない。とても真面目な2人なのだ。
では、『10巻』から登場した松永の家を使えばいいではないか、と思うが、あの家にはリビングと呼べるスペースはない。松永にとっては事務所と言う意識が強すぎるだろうし、それに美己は住人ではなく客なのだ。題名にある通り、同じ家の住人同士のリビングでの交流を真ん中に据えているから、そこから逸脱は出来ない。

だから最終話は美己が大学を卒業するまで話が飛ぶのだろう。両想いから5年が経過し、美己は卒業と同時にシェアハウスから松永と暮らす家へと引っ越す。その新居は『10巻』で出てきた松永の事務所 兼 自宅ではない。新しく2人が住む、2人だけの空間である。そこに初めて2人の「リビング」が生まれる。わざわざ最終回で美己と松永の住む自宅とは別に、松永には仕事をする事務所があることを示唆しているのもそのためだろう。やはり「リビングの松永さん」としては松永の居場所はリビングしかないのだ。リビング to リビング、そのための5年間の時間経過なのである。そして このことから、この5年間で松永は仕事を順調に拡大し、自宅とは別に事務所を構えたことが分かる。それが初登場時からアラサーだった彼の成長と言えるであろう。もしや美己は結婚したら名目上は社長夫人なのかしら。


回、笑ってしまったのは、読者の不満を解消させる手法。『8巻』でも使われていたが、読者の抱える不満を登場キャラクターに語らせることで読者の中に生まれてしまった毒を抜いている。こうして定期的に毒舌キャラを登場させ、読者の毒抜きをすることで、作品への風当たりを弱めているのが作者の秀逸なバランス感覚を感じる所である。

分かりやすい毒舌キャラは服部(はっとり)。『8巻』では読者から嫌われる運命にある松永の元カノ・小夏(こなつ)を悪し様に言っていた彼女だが、今回は読者が最も意見を二分する松永・凌の本命・当て馬問題に切り込んでいた。美己を巡る勝負において勝敗は第1話、いや この題名になった時点で決まっているが、予想以上に凌が当て馬として育ちすぎたため、この結末は熱心なファンの心を離れさせる要因となりかねない。そして熱心なファンは一気にアンチ化するのが少女漫画の難しいところ。実例を挙げると やまもり三香さん『ひるなかの流星』幸田もも子さん『ヒロイン失格』など、アンチの方が声が大きくなってしまった作品たちだろう。

賢明な作者はファンがアンチに変わる直前に読者の留飲を下げた。それが服部の役割である。凌の良い所を服部に挙げてもらうことで、読者の気持ちを不満から共感へとシフトしていった。そして毒舌といえばシェアハウスの飼い猫・サバコも そう。なんとサバコはヒロインへの悪口というタブーに挑戦している。少女漫画では女性キャラが少しでもヒロインに敵対すると物語から追放されるのが通例だが(小夏が良い例である)、サバコの場合、人間じゃないから難を逃れる。サバコの毒舌は美己には伝わらないから、敵対視されないのだ(物理的な嫌がらせはサバコが犯人だとバレるが)。

そして今回、美己自身も人の悪口を言っている。なんと相手は松永。お互いに不満を溜めてしまったから心理的に距離が出来てしまったが、松永はこれから本音を言い合うことで同じ失敗を回避しようとした。最初に不満を包み隠さず申告したのが美己だった。松永の非道の数々を挙げ、松永にダメージを与えている。ただ これは もう同じ失敗をしない、という宣言でもある。美己の内心を理解した松永は、これからは仕事と恋愛のバランスを上手く取るであろう。
ヒーローである松永の悪口を美己が言う事によって、ここでも読者のモヤモヤを解消させている。本人が相手の悪い所を列挙し、許しているから、読者も引きずらないでね、という合図でもあろう。

作中で こんなにも松永は悪く言われ、凌は礼賛されている。最終巻にして あんまりな松永への風当たりの強さだが、それでも美己が選んだのは松永なのである。そこに読者が お節介に異議を挿むことは出来ない。美己が少しでも凌に心が動き、彼に思わせぶりな態度を取っていたら読者の不満も分かるが、本書の場合、ヒロインは少しも迷っていない。松永との遠距離恋愛(車で10分)に悩む描写はあるが、松永への愛を疑ったりはしていない。『1巻』からずっと変わらない松永への恋心が、美己が読者から愛される理由の1つであろう。


ういえば本書には男性側のトラウマが一切出てこなかった。トラウマの定番である家族問題も松永の家族が一切出てこないし。松永が年末年始も実家に帰らないなど、親子関係に問題があるような描写があったけれど、勘違いだったようだ。でも今回、松永がトラックに撥ねられ入院しても彼の兄弟はおろか両親も登場しないのは逆に親子関係に問題があるように思えてしまう。近い将来あるであろう美己との結婚式には参列してくれるのだろうか。
そして凌も どうして1人暮らしをしているかなど彼の背景も分からない部分が多い。地方出身者とか そういう裏設定があるのだろうか。どちらかというと松永の方が地方から上京した匂いがするが。

2巻で完結、漫画家引退危機、平成生まれの息子さんなど様々な出来事を経て、本書を このような物語として完結させた作者には感謝しかない。そういえば掲載誌の企画で『リビングの凌くん』なる冊子があるようだが、私のような後発読者が読めるようにならないだろうか。上手な商売としてよくある、作者の別の漫画に収録する手法でも構わないので。読みたい。


永との関係に悩み、泣く美己に全身全霊を捧げる、という発言をした凌。この後の「風邪ひかないように あたたかくして」という言葉は松永を連想させる。凌も他者を こんなにも考えられる人になったんだぁ、と彼の変化と成長に胸が あたたかくなる。

そして凌は この日が誕生日である美己のためにケーキを買っていてくれた。これ、出すの迷っただろうなぁ。でも美己に食べて欲しかったんだろうなぁ とケーキを用意するなど慣れないことでも美己の喜ぶ顔のためならする凌の真剣度が伝わる。そういえばクリスマス回(『8巻』)の美己の手作りケーキも、最後には松永が食してくれた。好きな人のために用意したケーキは絶対に相手に食べてもらえる、が このシェアハウスのルールでしょうか。


永は午前4時に仕事を終え、休む間もなく美己に会いに一目散に自転車を走らせる。だが雨で視界が悪い中、焦っている上、黒猫が前方を横切り、更にはトラックが突っ込んで来て…。

松永は その事故から丸1日起きなかった。怪我は右脚の骨1本のヒビだけだが、寝不足が原因で昏睡していたらしい。その後、検査入院が3日と言われるがスマホが(メガネも)粉々になったという。これでは美己に連絡が取れない。
だがベッドにくくりつけられる生活になり、連絡が取れなくなった松永は、改めて美己に会いたい、美己が好きだと思う。松永が初めて美己との距離を感じた出来事かもしれませんね。

そんな事は知らず翌日になっても松永から連絡がないことに、彼にとっての自分の必要性を感じられない美己。気持ちを切り替え、本来の自分の生活に集中し、学校、シェアハウスでの暮らしを重視する。

そのシェアハウスでの水漏れのトラブルに冷静に対応したのは凌。やはり すっかり長男で、頼りがいのある男性になっている。これが少女漫画の第1話だったら恋に落ちている所である。
トラブルを住人全員で乗り越え、新しい住人たちの間にも結束が生まれる。再びシェアハウスの生活が楽しくなったことが美己にとって救いであろう。そういえば この回で新住人たちが社会人で(おそらく)年上なことが判明する。

松永のスマホは粉々になったが、美己のスマホにも ある事件が起きていた。彼女のスマホから『1巻』から付けていたストラップ、そして『4巻』で貰ったストラップを外していた。それは美己の愛の象徴であったが、それがないのは彼女の不信を表している。


のことを目ざとく見つける凌。そんな美己の「心のスキマ」を広げるべく、松永から連絡が来ないことを再確認し、そして自分とのデートを申し込む。

気分転換になるという凌の言葉に即座に断れなかった美己。それを反省する美己に公衆電話から着信が入る。それは松永からの久々の連絡だった。ってか松永は美己の電話番号を暗記しているのか⁉ 愛なのか??

だが松永は この数日のことを美己に心配させたくないから事故ではなく旅に出たことにしてしまう。しかし美己は、スマホを忘れて旅に出たという自分勝手な松永によって こんなにも苦しんだことが腹立たしく思えた。
必死に弁解しようと、美己に会う約束を取り付けようとする松永だったが、美己に「私 彼女じゃないんで!」「北条さんにデートに誘われている」と言われてしまう。

松永への腹いせに凌とデートをすることにした美己。ここは間違っても凌に想いが傾いたり、二股をしようということではないことに留意しなければならない。


が連れて来てくれたのは この時期がベストの潮干狩り。そこで露呈するのは2人の気の合わなさ(笑) インテリぶって小バカにすると凌を非難すると、凌も美己は無神経な発言が多いと言い返す。これ、2人が交際しても上手くいかないという例示なのではないでしょうか。精神的には中2の松永(28歳)よりも、凌との交際の方が年齢差(または偏差値の差)を感じるかもしれない。

凌にとって一世一代のデート。だけど全然 楽しくなさそう(笑)この思い出を胸に凌は生きてくのか…?

休憩がてら堤防で語らう2人。ここにきて初めて なぜ凌が序盤では美己に塩対応だったかが明かされる。それは美己がシェアハウスに越してきたことで、彼女が最年少になったから。これまで末っ子だった自分が、美己の登場で その地位を奪われた。それが凌は気に食わなかった。当初は、同じ三男と三女という同格の立場ながら、三男の方が年長だから2人の関係は兄妹になった。こういう部分も家族っぽいのか。現実の兄弟と同じように、序盤の凌は 赤ちゃん返りしていたのか。

そのスタートから、それでも何度も凌が自分を気に掛けてくれたを再確認した美己は感動する。そして そんな凌の自分への想いに気づかなかったことを心の中で詫びる。

凌は、松永と美己の間に確実に「心のスキマ」が出来ていることを感じていた。だが、そんな状況であっても凌は自分よりも美己の幸せを最優先にする。それは凌の美徳であろう。

美己の涙をぬぐい、そして抱きしめたが、その後 自分から美己の身体を遠ざける。そして美己に、なぜ松永が嘘をついていることが分からないのか、と不安と不満から狭くなっている美己の視野を指摘する。松永が美己を放っておくわけない。今から松永に会いに行け、と凌は訴える。
それでも躊躇い、凌を優先しようとする美己に対し、「(オレと過ごす約束なんて)そんなの どうでもいい」「オレをすきなわけじゃないだろ」と美己を松永の下へと走らせる。
気持ちに応えられないことを泣いて謝る美己に、凌も努めて笑顔で彼女を送り出す。

凌は最高である。美己も一途だったが、凌もまた一途に、自分よりも美己の幸せを願った。これを世間では押しが弱い、と言うのかもしれない。でも だからこそ凌は自分の誇れる片想いを全うできたはずだ。こういう利他的な考えを持てたことは、凌の医者としての基盤になり、そして間違いなく凌は良い お医者さんになるだろう。


己は松永が関わる仕事を見に乗った電車内で、松永を信じきれず、距離に負けた自分を反省する。そして頭を冷やした美己は渋谷の街をジャックした彼の仕事の中に、彼からのメッセージを読み取る。

それを見て満たされた美己。その後ろには松葉杖を脇に置いて座っていた松永がいた。これは偶然ではない。美己の背中を見送った凌が、松永に連絡をしたのだ。どこまでも凌は美己の恋の応援団なのである。

久し振りに会った松永のTシャツは、いつもの変Tではなく、胸に「I♥YOU」とストレートに彼を気持ちを表すものだった。もしかしたら広告の文章、そして このTシャツで、美己へのメッセージは完成するのかもしれない。凌から連絡を貰った松永は急いでTシャツを買ったのかもしれない。

公私混同の仕事と、ど直球なTシャツ。自分で好きだと言わないで好意を伝えるのは流石デザイナー?

そうして美己は松永の5月5日以降の真実を初めて知る。感動だけでなく、ここで松永が「すぐ なにかと凌にフラフラしやがって」と言ってくれるのが爽快だ。これも上述の通り、毒舌による読者の毒抜きであろう。そして こういう嫉妬や不満も松永は隠さなくなった、ということでもある。


一方、恋の応援団長の凌は、この日 収穫したアサリを服部のカレー屋に持っていった。勝手に提供された激辛カレーを食べながら涙を流す凌。その彼の涙に誘発され涙を流しながら、「なんで凌くんじゃ ないんだよおおおお」と凌派の気持ちを代弁し、松永さんをディスる服部さんが最高である。「凌のほうが優しい・イケメン・高収入(予定)」はいいとして、「元カノとかもいない」という言葉は、初恋が終わったばかりの凌にも刺さっている気がしてならない。
ここで大事なのは、別に凌が美己への未練で泣いている訳ではないということだろう。服部が勝手に凌の涙を曲解して、代弁してくれているだけ。

そして誰よりも凌の心を癒すのは、サバコだった。彼女もまた美己、凌と同じように一途を貫いた存在である。


々に対面した美己を松永は抱きしめる。そこに大雨が降り、2人は松永の家に行く。ここで雨が降るのは出会いの話である1話との共通点を出すためだろう。

松永の自宅に入った2人はキスをする。美己は「大人のキス」に失神。
そこで松永は改めて美己に謝罪をする。反省し、同じことは二度としないよう、2人の胸の内は全て吐き出すようにする。そうして促されて話し出す美己は、愚痴が止まらない(笑)でも欠点や不満があっても、美己が好きなのは松永ただ1人なのだ。

不満を出し切った美己に松永は、将来的に また一緒に住みたいと思ってる、と伝える。それは少なくとも同棲、そして結婚を視野に入れているということだ。松永は元から腹くくってるらしい。熱血漢で実直な松永が、女子高生に手を出すということは、そういう覚悟だったのだろう。

こうして遠距離恋愛(車で10分)の難しさもシェアすることになった2人。
その後、高校3年生の美己は受験生として本格的に動き始める。バイトも辞め、塾に通い、周囲のサポートを受けながら前へ進む。特に、凌の大学の後輩になりたい美己は、彼からも厳しく勉強を見てもらっているようだ。
そして見事、合格。あっという間に9か月も経過してしまった。


終話は更に そこから4年後となる。この時間の経過に驚くのも無理はない。だが上述の理由で飛ばさざるを得ない5年間なのだろう。

美己は、大学を卒業し、6年間住み続けたシェアハウスを卒業する。美己は楽しすぎて大学でも ここに住み続けた。祖母は存命で両親は介護生活が続いているのか、それとも美己が実家に帰らない選択をしたのかは分からない。

『1巻』で美己の歓迎会から始まった本書は、美己の送別会で終わる。この送別会には現在の住人(男女3人)の他に、元住人の朝子(あさこ)・健(けん)ちゃん、服部も呼ばれていた。朝子たちの間には子供が誕生している(健ちゃんが溺愛中)。

『10巻』から住んだ社会人住人たちは もう卒業した後みたいだ。やはり社会人は3年間が住む目安だから、4年後の この家にはいないか。OBたちは凌が呼んだのだが、研修医となった彼は多忙。だが、美己のために休憩時間に抜けて駆け付けてきた(サバコ歓喜)。そこでも彼は美己の幸せを一番に願う応援団の自分をアピールする。最強の当て馬の、強すぎる恋心は後を引くものだ。

最後に美己は叔父に この家の鍵を返却し、この家の玄関から次の世界へと旅立っていく。社会に出ようとする美己には、青春の思い出が詰まったモラトリアムな時期から、新世界への旅立ちである。


己の卒業後はウェディングプランナー。そしてシェアハウスを出た次の転居先は、松永との愛の巣である。

だが松永は海外研修中で不在。周囲に人がいるのが当たり前だった生活から、美己は家に1人きりになる。この時の不安は、美己がシェアハウスに引っ越してきた1話の不安と よく似たものであろう。

孤独を感じる美己のピンチに駆け付けるのは、やはり松永。いつだって、6年の時が経過しても、美己の心の動きを察知するのは松永なのだ(1人にしたのも松永だからマッチポンプ感があるが…)。

彼は美己のこれまでの、親元を離れて暮らした6年間を褒める。そして今日からは始まる同棲生活。どうせなら、もう1つ1話と同じように、美己の荷物の荷解きをテキパキして片付ける松永さんを見たかったなぁ。

最終回でも松永は裸要員。これは大人の関係を意味するのか、それとも ただの癖でいつも通り寝ている間に脱いだだけなのか。まぁ、高校卒業後4年間何もないのもファンタジーなので、この時が初めての朝チュンという訳でもあるまい。
そういえば松永の年齢は、この時点で33歳? それなのに少しも太った様子がないのは、高い熱量を筋トレで消費しているからか。

結婚を視野に入れて名字が同じになる場合に備えてか、美己が松永を呼ぶ時の「松永さん」を変更することにする。美己が選んだのは「純ちゃん」。これで一気に距離が縮まった気がする。

高校生の時のように松永に見送られて、働きに出る美己。違うのはキスをしてから見送るところだろうか。帰ってきたら2人で お酒を飲みながらリビングで過ごす。お酒や、自宅以外の事務所など所々に時間の経過を表現している。

だが変わらないのは、リビングは幸福が集う場所である、ということだ。