《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

少女漫画と小説の感想ブログです

オレが ずっと この部屋に住み続けるのは いつか君がまた この家に来てくれることを願っているから…。

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やまもり 三香(やまもり みか)
ひるなかの流星(ひるなかのりゅうせい)
番外編 評価:★★☆(5点)
  総合評価:★★★★(8点)
 

すずめと馬村のカフェデート。周りがカップルだらけになってしまった、猿丸。すずめの選択から6年後の獅子尾や、男女逆転展開などひるなかのキャラ達が輝き続ける1冊。金沢を舞台にした読みきりもオールカラーで収録!
【収録作品】二人の日常/猿丸小鉄のあたまの中/隣の男/男女逆転 ひるなかの流星/Black Pink/はつ恋むらさき

簡潔完結感想文

  • 『ひるなか』の番外編は過半数以上のページは占めるけども、関係のない短編も2編あるのが気になる。
  • 獅子尾の遅すぎる純情。この気持ちを全て すずめ にぶつけていれば…。女性の好みは一貫してるのかな?
  • 未来の話よりも男女逆転のネタ漫画が一番好きかも。あの馬村子ちゃん は幸せになる未来が見えない(笑)

字通りの番外編。

ただ同じく番外編で一冊 出した『日々蝶々』と比べると、
本書は、全編『ひるなか』関連で埋められていないのが非常に残念である。

ページを埋めただけの昔の短編に替わって、
『日々蝶々』方式で文章や他作家さんからのイラストを集めて、
何とか『ひるなか』だけで埋めて欲しかった。

あの短編は内容も異にするし、昔過ぎて絵柄も違うので、
悪目立ちしてしまっていて可哀想だ。

そういう手間暇をかけた労力を感じられないので、
『ひるなか』人気に便乗しようという気持ちが見え隠れしてしまう。


しい言い方をすれば、本書は『ひるなかの流星』が大気圏に突入した後の燃えカスである。

私は本編が完璧だと思っている人なので、
スピンオフも、その後の話も特に必要性を感じなかった。
あの作品世界が読めることに嬉しさはあるんだけど。

そして『ひるなか』の番外編も、影の薄かった登場人物のスピンオフ。
本編中に入れられなかったというよりは、急いで こしらえた感じがする。
身内で全員くっつけばハッピーという訳でもないのに。


また、獅子尾(ししお)の「寿司ネクタイ」はやり過ぎだなぁ。
すずめ から貰った唯一の物だからって。
しかも本編では誕生日プレゼントなんて いらないと言っていた人が…。

元カノ・つぼみ の時もそうだったが、
恋を終わらせるのが下手な人ですね。

何だか先生の惨めさが一層クローズアップされてしまった気がする。


「二人の日常」…
馬村と恋人同士という実感の湧かない すずめは、恋人らしいことをしてみるが…。

これは、最終『12巻』の後ってことですよね。
『10巻』から一応、交際はしているんで迷う。
ただ『12巻』の美ら海水族館が交際後 初めてのお出掛けといっているので、後確定か。
制服が夏服じゃないので、秋ぐらいか。
食欲の秋、といっても すずめ は年中こんな感じだけど。お幸せに。

「猿丸小鉄のあたまの中」…
男友達に皆 彼女が出来てしまい、クラスメイトの女子・亀吉(かめよし)と話す機会が増えていった猿丸(さるまる)。
だが彼女が他クラスの男子生徒に告白されたことで状況が一変。
また独りになって気づいたこととは…?

うーーん、私が一番嫌いな THE 脇役の恋。
特に本書は脇役にキャラが必要ないぐらいメインの3人の話に終始していたので、
猿丸くんは顔が分かるぐらいで、個性を発揮する場面がなかったのに。

そして、もう一つ嫌いな男女の仲良しグループ内での続々 恋人成立。
まっ、猿丸くんの結果は分からないですけどね。
相手が亀吉じゃなくて、合コンで知り合った子と意気投合して、
恋の喜びを知っていくという内容の方が良かったかも。
とにかく身内でくっつき過ぎ。

「隣の男」…
少女漫画編集者の鮫島(さめじま)の隣人は獅子尾(ししお)先生。
直近で2回もその男の部屋に上がることになった鮫島は獅子尾の人となりに興味を持ち始め…。

最終回から6年後、30代に突入した獅子尾が見られます。
どうやら同じアパートにずっと住んでいるようだ。
…まさか引っ越さないのも すずめ との思い出があるとか、
いつか すずめ が ひょいっと現れるかもしれないとか考えてたりして…。

そういえば獅子尾側に職業を申告する場面がなかったが、
まだ教師やってるんですかね。

変わらないことは、獅子尾の中にまだ すずめ がいること。
25歳の誕生日に すずめ から貰った「寿司ネクタイ」を部屋に鎮座させている先生。
どんだけピュアボーイなんだよ…。
すずめ はピュアな男性2人から好かれていたんだなぁ。

そんな すずめ とも すずめ の叔父・諭吉(ゆきち)の結婚式で再会。
すずめ は食べかすを頬に付けての再会です。
先生の言う通り「思い出にできて」んですかねー。
怪しいところです。再会で未練が再燃しなきゃいいけど。

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結婚式での再会は獅子尾にとって恋の卒業試験だったのかもしれない。

ってか諭吉が40代突入して初婚。
諭吉自体は登場しないので、お相手は不明のまま。
獅子尾の恋を終わらせた原因が、こちらは勝手に幸せになったようです。

そして、このまま鮫島との恋が始まるとするならば、
やっぱり先生は、あまり女性性を感じさせない人が好みなのではないかと察せられる。

「男女逆転 ひるなかの流星」…
題名通り、性別が男女逆転した妄想の6ページ漫画。

男女逆転は、単行本のオマケとして描いていたが、
ちょっとキャラデザが違うのかな。

すずめ は一気に天然っぽさが出てますね。
ただ、垢抜けなさが無くなってしまったような気がする。

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男すずめ には育ちの良さ、坊っちゃん感があるなぁ。歩き食べはさておき…。

獅子尾が大人の すずめ といった感じで、
馬村は目つきが悪く、性格がとがり過ぎている。

本書では大体が苗字で呼ばれていたので、会話に不自然さ がない。
名前で呼ばれていた すずめ も そのまま。
まぁ、これは男性でも変ではない。

問題は、1コマだけ登場した皆川 土牛(みながわ とぎゅう)先輩。
女性になっても土牛なのだろうか。土牛子ちゃん?

「Black Pink」…
少女漫画の恋にしか興味がない梅谷小町(うめや こまち)は、
その姿勢を先輩の桜一葉(さくら かずは)から注意される。
現実の恋を知ろうと合コンをセッティングされるが、そこで一葉の ある秘密が…。

ある意味で男女逆転 繋がりか。
話としては、少女漫画としては ありがちな話。
恋をして、お互いに眠っていたジェンダーが呼び起こされる話なのか。

ただ『ひるなか』の番外編の中で悪目立ちをしている。
どう考えてもページ数の関係で収録しているだけである。
『ひるなか』人気に便乗して本編中にも収録した短編は、
短編集とまとめて頂けると ありがたい。
売上としては落ちちゃうんでしょうね。
それなら水増しすんですよね。
分かってます。分かってますけども。

後の小村あゆみ さんの『うそつきリリィ』の原型である、と言われても違和感がない。
雑誌掲載が本編が2008年で、『うそつき』が2009年だし。

「はつ恋むらさき」…
千鳥(ちどり)が、いつも同じ店で醤油ソフトクリームを食べる訳は…。

舞台は金沢だそうです。
同じ味のはずのソフトクリームが違う味に感じられるのは、
恋という隠し味を自分で足しているから。

初恋が醤油あじ なのは千鳥の他にも もう一人いるらしい。

だけど、この年の差だと、またしばらく会わない時間があって、
再開したら恋人や伴侶がいたという繰り返しになりかねない。

金沢、それは恋の不毛地帯(怒られる)。

「特別描きおろし」
叔父さんの結婚式に出席した帰り、
馬村の家に引き出物を届けに行った すずめ。
このところ馬村は ある決意を胸に秘めているのだが…。

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20代の馬村。そろそろ『1巻』の頃の獅子尾の年齢。ねぇ、馬村。15歳は恋愛対象?

キーワードは結婚ですね。
そして、この8ページが本体ですね。

上手い具合に諭吉の結婚式に馬村は出席せず。
なので獅子尾とも再開せずに済んだ。
そもそも式に呼ばれるような関係性ではないと思うが、
獅子尾の すずめ との再会で、馬村とイチャつかれていたら、
獅子尾は再起不能の傷を負った可能性もある。
もしくは男の対決再びで血が流れたかもしれない。
無事に式が終了してよかった…。

馬村は実家を出てしまった みたいですね。
あんなに広い家なのに。
今は父と弟だけで済んでいるんでしょうか。
父の再婚 待ったなしですね。

それ以外の情報はあまり掴めません。

変わらないのは馬村と幸せな日々を暮らしているということ。
そして近々、自分も馬村になるということ。

ってか、あれから6年後なら22-3歳ですよね。
ちょっと早い気もするけど、
一つの結末としては良いんじゃないでしょうか。

これでまた私の持説
「少女漫画で恋人の親に対面すると結婚する説」が補強されました。

ずっと他の女性に触れない体質でいるんだぞ、馬村。
お幸せに!