《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

少女漫画と小説の感想ブログです

視点の変更や後日譚、作家コラボに平行世界、エブリデイ バタフライエフェクト。

日々蝶々 12 (マーガレットコミックスDIGITAL)
森下 suu(もりした すう)
日々蝶々(ひびちょうちょう)
第12巻評価:★★★(6点)
  総合評価:★★★☆ (7点)

未収録だった番外編&読みきり版を全て収録! すいれんとの出会いを川澄目線で描いた「1話目(裏)」 ひるなかの流星とのコラボ「ひるなかの蝶々」 ゆりの遠距離恋愛を描いた「ゆりとだいすけ」 ハタチになった小春と後平の大人の恋「小春日和」 連載の原型となった読みきり版「日々蝶々」 アイドルになった川澄たちを描いた異色作「俺たちのStarting Over」 川澄がすいれんを守る決意をする「夏休み初日」 デートのときめきの瞬間を切り取った「ほのぼのデート編」 豪華カラー口絵付き! 単行本未収録のレアなカラーイラストに加えて、キャラの日常や裏話を描いた1Pまんがをカラーで全て収録! 豪華作家陣によるトリビュート! 秋本治幸田もも子小村あゆみ・桜乃みか・里中実華・シタラマサコ・葉月めぐみ・水野美波やまもり三香・雪森さくら この豪華作家陣が日々蝶々を描きます! 日々蝶々の全てがつまった1冊です。

簡潔完結感想文

  • 雑誌でしかお目にかかれなかったカラーイラストや企画も収録。美麗!
  • 川澄目線の1話や読みきり版を収録。読みきり版川澄は現在形より饒舌。
  • 後平と小春や、皆のその後が判明。日々蝶々に飲酒シーンとは驚きだ。


あらすじの「日々蝶々の全てがつまった1冊です」という言葉に偽りなし。

漫画やイラスト以外の文章でページが埋まっている箇所もほとんどない安心設計の番外編。
後日談が最長で川澄たちが高校卒業して1,2年まで描かれているのでガールズバーみたいな店で飲む川澄たちという描写がほんの少しだけどあったりして、時の流れと本編とのギャップに驚く。

豪華作家陣によるトリビュートは、不勉強なもので知らない方々が半分ぐらいいらっしゃるのですが、その中になぜかいる秋本治さんの名前には驚いた。
秋元先生によるすいれんがまさかこの世に存在するとは。そもそも何の繋がり何でしょうか。
集英社ぐらいしか浮かばないが、それにしてもなぜ描いてもらえることになったのでしょう。
謎過ぎます。


「1話目(裏)」…
川澄目線の1話目。
もはや懐かしい思い出ですね。
話がコンパクトになって、違いといえば上級生との喧嘩シーンがコミカルになって、川澄の怪我が少なくなってるぐらいか。

「俺たちのStarting Over」…
アイドルにスカウトされた後平とそれに巻き込まれる川澄兄弟と良祐…。

顔も性格もいい感じにバラバラでアイドルの王道4人組かもしれない。
川澄兄弟がポジションまで似すぎかもしれないが、兄弟が売りになるかも。
このアイドルユニット「K2AT」のアニメ化希望です。

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アイドル化。川澄(弟)って歌が上手くなさそう。ってか下手であってほしい。
一番人気の「あとちゃん」じゃなくて川澄を応援するすいれんに笑った。
本編の後の座談会に川澄兄・壱の好みのタイプがあって興味深い。
和風美人、髪は黒髪らしい。髪がピンクなんて絶対ダメだ。
で、今巻に収録されているマーガレット表紙に日々蝶々が飾られた際のイラストを見ると髪がどピンクのすいれん。
私は単行本派なので初見でその色に驚いたのですが、その後の壱のこのコメントでまた笑う。
どうやら、すいれんは兄の好みではないらしい。

「ほのぼのデート編」…
川澄とすいれんのデート模様。
男は映画館で寝ちゃう生き物。
あるあるなんですかね。
寝てる好きに手を出す小悪魔すいれん。

「ひるなかの蝶々」…
商業施設でお買い物デート中にはぐれたすいれんは迷子センターに…。
川澄がケータイ持ってないから大きいお友達のすいれんも迷子センターに行くはめになるんだ。
コラボ相手の『ひるなかの流星』からは、主人公・すずめ と馬村(まむら)が登場。
これは『ひるなか』のどの時点なんでしょうね。
結末まで気の抜けない作品だったので、ここでの相手役が誰になるのかすら問題だ。
川澄と馬村は無表情コンビでしょうか。
2人とも身近に年下の子供がいるので扱いは手慣れたものか。
意外にも子供と遊ぶ川澄。
「子供とか分かんねーんで」と言わないだけ偉い。
困ってる人を助ける気持ちの方が強いんですかね。

「夏休み初日」…
距離を置いていた高校2年生の夏休み初日の川澄…。
描写のなかった川澄の夏休みバイトや、すいれんの後ろの席で何を考えてたのかという描写がある。
勉強そこそこのすいれん。
それを笑っちゃう川澄。
余り際立った描写はなかったけれど川澄は文武両道でしょうね。
メガネを取ったら格好いい目立たない系男子で実はかなりハイスペック。

「ゆりとだいすけ」…
初めての彼氏の大輔君との2年間の軌跡。
こちらもほのぼのカップルですね。
遠距離恋愛を数か月してからの初キスという関係性が凄い。
よく続くなー。みんなお幸せに。

「小春日和」…
20歳の誕生日を迎えてすぐに酒場(ガールズバー?)で働き出す小春。
そこには思わぬ再会が待ち受けていて…。

好意を伝えて関係を壊すのが怖い小春と、好意を伝えられないと関係が始まらない後平、ってこと?
後平のドS感。
これは最後の描きおろしにも通じていて、後平も実は硬派で女性の前で好意を伝えられないのでしょうか。
大学入学以降も遊んでる様子も見受けられないし、なかなか真面目なのかな。
あと小春の友達・小梅ちゃん。
何気に1巻からこの12巻までずっと出てますね。
すいれんの友人・めぐなちゃんより扱いいいかも。

読みきり版「日々蝶々」…
本編と別にしてこの短編大好きだ。
言葉遊びの使い方も非常に効果的で告白と特別な呼び名を一挙に解決している。
私は本編終了後にこの短編を読んだので新鮮さしかなかったが、読みきり短編から読んで連載化を喜んでいたら、すいれんの性格や物語の進み具合に少なからず不満を持ったかもしれない。
基本の設定はほぼ一緒。
大きな違いは川澄が一人でパニックになる性格で、あれこれ気を回して話しかけようとしている点だろう。
あとすいれん母が怖いことぐらいか。

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この短編が好評だったのは十分理解できる。こちらの川澄と すいれん で長編化しても良かったかも⁉
描きおろし「その後」…
こうみると結局、狭い世界でくっついてるな。
男友達の前では彼女の事をのろける後平。
小春がかわいそう。でもよかったね小春。