原作:ひねくれ 渡・作画:アルコ(ひねくれ わたる・アルコ)
消えた初恋(きえたはつこい)
第02巻評価:★★★★(8点)
総合評価:★★★★☆(9点)
「もっと悩めばいいんだ 俺と同じくらい!」 井田という男に惹かれてしまう青木。しかも、橋下さんから驚きの事実を聞き、ますます悩んでしまう。そんな時に、井田家でドキドキの勉強会が開催され…。さらに、パリピ男子・あっくんの乱入で橋下さんの恋にも事件が…! 男子同士の恋、真剣に検討中。
簡潔完結感想文
- 迷探偵・あっくん は間違えながらも正解に辿り着く。『1巻』に続く驚愕の真相。
- 相手を「かっけー」「可愛い」と思うのも頭を支配されてしまうのも恋の副作用。
- 消しゴムから始まるシンデレラがあるならば、ビンタから始まる恋もあるかもね。
俺の推理によると お前は井田に狙われている(ある意味 正解)の 2巻。
『1巻』に続いて やや ごちゃごちゃしている『2巻』。そして『1巻』は叙述トリックを用いたミステリだったが、『2巻』は名探偵(自称)が事件に遭遇し、最後に真実に辿り着く正統派ミステリの構成になっている。
『1巻』が青木(あおき)と橋下(はしもと)さんの巻ならば、『2巻』は井田(いだ)と あっくん の巻だと思う。青木にも気持ちの乱高下は起きるが、縦軸は井田の心の動きと、あっくん の暴走にある。そして最初の2巻を使ってメインの登場人物の基本的な紹介が終わる。この時点で私は彼らのことが大好きになった。
今回、あっくん が探偵になることは迷惑も多いが大切なプロセスである。なぜなら青木には あっくん が自分の「好き」を肯定してくれるかどうかは不明で、トラウマの名残や あっくん の軽すぎる性格への不信感から青木は自分から あっくん に恋心を言い出すことは出来ない状況にある。青木が言わないのであれば、あっくん が それを指摘するしかない。だから彼は探偵になった。あっくん はデリカシーなく興味本位で他人様の恋愛を探ったのではない。今回の「あっくん少年の事件簿」は「探偵によって真実が暴かれなければならない」という必要性があるのだ。そして事件解決の華麗な手捌きによって探偵と犯人に相互理解が深まっていく。
また私は本書を、恋愛において生まれたての赤ん坊である井田の成長記録だと思っている。恋愛知識や感情が白紙の彼が、青木に告白されたことで「恋」という概念を学んでいく。『2巻』では井田に少し成長が見られ、彼は自分が青木を ほっとけないことを自覚する。青木の人となりを知ってから告白の答えを出そうとする彼だが、知れば知るほど青木という人間は善良な気持ちのいい人間だということが分かる。少なくとも井田は青木に対して嫌いな所がないぐらいまでは到達しているだろう。まだまだ よちよち歩きの井田が どう成長していくのかが楽しみだ。そして本書は恋愛においては大器晩成型の井田のお陰で最後までずっと面白い。
話の展開上、『1巻』では大人しくしていなくてはならなかった あっくん は『2巻』で鬱憤を晴らすかのように大暴れする。『2巻』の彼はMVPであり迷探偵であり破壊神と八面六臂に忙しい。そして彼によって、勘違いから始まって、青木の中で勘違いじゃなくなった井田との関係が一度 綺麗にリセットされてしまう。だが焦土と化した物語の中で、青木は自分の中に井田への恋心が しっかりと根を張っており、それを消そうとしても「消せない この恋」になっていることを認める。この消しゴムで始まった全てを消せと言われても難しいのは井田も同じ。互いが相手と向き合った時間と発見した長所は都合よく消えない。
『1巻』は青木が自分の恋心を橋下さんに自白するまでの道程であったが、今回それは あっくん に適用される。橋下さんという応援団を得て、そして あっくん という理解者がいることで、青木は自分の「好き」を誰かに受け入れらる この世界を受容していく。そこが『2巻』の到達点で「第二の告白」と言えよう。
『2巻』は迷探偵あっくんの推理の外れっぷりが見事である。恋愛関係者は4人しかいないのに、彼は推理を3回外している。橋下さんは井田が好き(外れ)、井田は青木を好いている(この時点では外れ)、橋下さんは青木が好き(外れ)、そして4回目にして ようやく推理が当たる。ちなみに迷探偵の初登場場面は『1巻』の文化祭打ち上げの時だと思われる。
ただし あっくん の推理力は褒められたもんじゃない。それに青木の恋心は探偵業をしなくても親友で ずっと傍にいたら気付くぐらいに分かりやすい。これだけ長く青木と一緒にいる人で、彼が井田を好きかどうか判然としないのなんて恋愛音痴の井田ぐらいなものじゃないか。
ただ井田の恋愛感度を笑ってはいけない。名探偵自身も「あっちが好きか どうかなんて雰囲気でわかるだろ」ということを「わかんねー」のだから。関係者4人の中で、橋下さんが好きなのは井田でも青木でもないのなら、答えは自ずと出るのだが、あっくん は やはり迷探偵であって、自分の存在を完全にスルーする。
でも これは橋下さんにとって悲しいほど残酷な現実であって、あっくん を笑っている場合じゃない。本書において「好き」が「だれかとしゃべってんのに うわの空だったり」「ついつい好きな人を目で追ったり」「何してんだろって考えたり」ことと定義されるのであれば、あっくん だけは この内、どの行動もしていない。もしかしたら橋下さんは青木よりも前途多難な恋愛をしているのかもしれない。
そして迷探偵の功績は青木の好きな人を見事に言い当てたことじゃなく、推理発表後の事件の見事な捌き方にある。青木にとって何より恐れるのは自分の「好き」が否定されること。これは繰り返し言及してきたが、それに加えて今の青木は男性を好きな自分は否定されてしかるべき という先入観がある。青木の あっくん への情報秘匿は、あっくん への不信感だけでなく、自分の「好き」に自信が持てないから。「好き」の表明でさえ青木には恐怖なのに、それが多くの人と違う「好き」の形であることが彼を二重に委縮させる。
だが あっくん は正解に辿り着いた後、嘘をついていた青木を断罪しない。青木は嘘をつかざるを得ない環境にあり、そうさせたのは探偵本人であり、そして世間の「普通」である、と世間の空気や社会悪が事件の背景にあるというのが あっくん の最終解答となる。むしろ罰せられるのは自分だ という あっくん の態度は彼もまた聡明であることを表している。
「その普通が間違ってるだろ」という言葉の裏にある、あっくん の「お前(青木)は間違っていない」というエールに目頭が熱くなる。そのエールを受け取って青木は「ああ あっくん と友達でよかったなって」思うのである。間違いなく あっくん は青木の親友である。
こうして あっくん もまた青木の恋心を否定しなかった。自分を笑わない友達がいる、それが心底嬉しい。それは青木にとって世界から承諾を得ることに等しく、あっくん の働きがあるからこそ青木の告白の道は開かれたと言える。名探偵に追い込まれたとはいえ青木が あっくん に自分の恋心を隠さなくなったことが本書の「第二の告白」となる。橋下さん・あっくん と続いたら次は当然 井田である。だから告白イベントは『3巻』に起こる。『2巻』までは青木のトラウマや告白への恐怖心を ゆっくりと解きほぐすための事前準備である。
橋下さんの恋の相手は井田ではなく相多(あいだ)こと「あっくん」であることが判明する。橋下さんと あっくん の出会いは高校入試の日。この時も文化祭準備の時と同じように あっくん は橋下さんの失敗を慰め、泣きそうな彼女を笑顔に変えてくれた。そういうことが自然に出来てしまうのが あっくん の人柄なんだろう。
消しゴム事件の時の小テストが返却され、集中力の欠如もあって青木は散々な点数を取る。この時、井田も相当 動揺していた描写があるのに しっかり点数取れているのは元々の学力の違いなのだろう。井田が とても嫌味なヤツに見える(笑)
そこで あっくん の提案で勉強会が企画される。参加者は青木・あっくん・井田、そして立候補した橋下さん。男性の輪に入っていくなんて色々な意味で勇気がある。周囲の女子生徒の反応が見たい。
場所は この日、家族が不在の井田の家となる。井田の部屋は青木にとって好きな人の部屋。だから橋下さん以上に青木は好きな人の隣で勉強することに緊張する。そして青木は橋下さんと あっくん の「普通」のカップルを見て、自分の恋の前途多難さを思い知る。
この勉強回で迷探偵・あっくん が登場し、彼は橋下さんの好きな人を井田だと推理する。これまで2人が一緒にいる場面を何度も見たことが根拠なのだろう。橋下さん は あっくん に推理を聞かされ、唖然とするが、自力で誤解を解く。その話の流れで自分に好きな人がいることを彼に伝えられただけでも大きな前進である。
日も暮れた頃、彼らは帰宅組と居残り組の2手に別れる。課題を終えた あっくんと橋下さんは帰宅、未了の青木は井田とそのまま勉強を続ける。青木と橋下さんは ここでお互いの健闘を祈る。
だが いよいよ2人きりになって青木は緊張する。その緊張は怒りに変換され、自分と違い平然としている井田に対し、自分たちが告り/告られた関係であることを井田に怒り交じりに再確認する。けれど井田も青木のことばっか考えていることを自白する。井田は自分に告白してくれた青木に対してどう接すればいいか考えてくれていた。
それを確認できた青木は井田が真剣なことを知り安堵する。その安心感から自分が井田のことばかり考えて悩んでいることを無自覚に自白してしまう。そんな青木の真っ直ぐさに井田は頭を抱えて照れる。この回あたりから井田の頬に赤みがさすことが多くなっている。彼に照れや恋心が見えると それだけで嬉しい。
さて これまで接点のなかったクラスメイトだった今の彼らの関係は何と名付けたらいいものなのだろうか。
井田は青木との交際を想像できない。だが青木自身は「可愛く」見え始めた。これは青木が文化祭準備を経て井田が王子に見えるほど「かっけー」と思ったのと同じ感情だろう。「好き」は相手を輝かせる。
そんな井田の心の揺れを 迷探偵・あっくんが知ったから騒動が起こる。こうして井田は青木が好きという、本書2つ目の誤解が生まれる。ただし今回は青木は井田の名誉のためにその誤解を即座に解く。そして橋下さんの個人名は秘匿したまま あっくん にこれまでの経緯を話す。
ここで大事なのは あっくん のリアクションと、それを見た青木の「好き」の封印危機である。あっくん はデリカシーがないので井田が青木にラブであることを「ヤベー フラグ」だと表現する。そして青木は それが世間の反応だと自分の恋心の特殊性を思い知る。
更に事情を何も知らない あっくん は青木に誤魔化し続けることが苦悩の連鎖になると正論を言い、井田への謝罪を勧める。だが誤解から始まった騒動には、困ったことに一つ本当のことが生まれている。それは青木が井田に「いだくん♥」という事実。
青木は再び屋上で井田と対面し、同行した あっくん が事の経緯を説明し、全てが誤解の上に成立している事と話す。ただし あっくんの出番は ここまで。あとは当事者同士の話し合いとなる。
井田は自分が不必要な悩みを抱えていたことに溜息をつき、そして自分が本気にしたから青木も真実を言い出しづらくなったと自分の責任を感じる。しかし今は井田の優しさは青木に罪悪感を増幅させるだけ。本当のことを言えないまま、井田から「勘違いでよかった」と騒動の総括をされてしまい、青木は深く傷ついてしまう。こうして青木の「好き」は届かないことが確定的になり、彼の二度目の恋は終わった…。
そこから青木の自己嫌悪は続くが、話を聞いた橋下さんは彼を励ます。しかも ここで青木は橋下さんへの気持ちをうっかり喋ってしまって彼女への恋も正式に玉砕する。踏んだり蹴ったりで、もう彼には どこにも恋心の置き場がない。
橋下さんは気持ちには応えられないが、青木の本当の気持ちが誤解され、嘘のままであってはいけないと彼の「好き」の自己否定を止める。これは『1巻』で井田が青木に言ってくれた言葉に似ている。誰かが自分の「好き」を大切にしてくれる優しさは いつも青木に涙を流させる。だが もう自分の浅はかな行動で取り返しはつかない。だから彼は恋愛感情を、煩悩を捨てようと間違った努力を始める。
こうして仙人になろうとする青木を追いかけた橋下さんは途中で あっくんに遭遇する。そこで あっくん は青木の間接的に「好き」を否定するような言葉を吐く。その上、青木・橋下さんに共通する勇気を出せない悩みも否定したので、橋下さんは あっくん に強烈なビンタをかます。橋下さんが怒るのは恋愛弱者への偏見と自己責任を押し付けるような発言内容だったからだろう。前向きな彼に惹かれたが、後ろ向きの人たちを理解しないような発言で彼のことを嫌いになる。
山に籠った青木は恋心を封印する。だが勉強回の成果でテストで高得点を取った報告を喜色満面で井田にしてしまう。その青木の全身全霊の喜びを見て井田も破顔して、彼の頑張りを称える。青木にとって自己肯定感は恋のはじまりなので、もう青木の井田への気持ちは消そうとしても消えないものになっていた。
しかし急なテストの好成績によって青木はカンニングを疑われる。これは青木にとって自分の頑張りを否定される行為であり、自己肯定感がまた減っていく。そんなピンチを助けるのが井田である。井田は青木のカンニング疑惑 = 頑張りの否定を、否定してくれる。一緒に勉強していた事実と、そして青木の善良な心、そして勉強の証拠としてノートを見せることで彼の冤罪は晴らされる。井田が青木を庇ってしまうのは、世界で誰よりも青木の純粋さや善良さを理解しており、「可愛い」青木を守りたい気持ちが無意識に働いているからだろう。この場面、不出来な漫画とは違って、ヒーローが急に現れるのではなくて、2人が職員室前で会っているシーンを挿入しているから話の流れがスムーズだ。
事情を知らない あっくん は自分がなぜ橋下さんに殴られたのか理解できない。全ては親切心からの行動なのに、自分は悪者にされた。その疑問が真相追及の動機となる。
そして あっくんは、青木の視線やリアクション、橋下さんの怒り、それらを総合して今度こそ名探偵として ある人の恋心を見抜く。ビンタされることも証拠集めの一環だったとも言える。だから あっくん は本人に聞く前に橋下さんにビンタの理由を聞く。ここで聞きたいのは謝罪の言葉ではなくて、彼女が怒った理由という分別のある あっくん が素敵だ。口ごもる橋下さんの沈黙が自分の推理の正解に辿り着いたことを教えていた。
こうして真の名探偵となった あっくん は青木に推理を披露する。それが真実であるかは青木の動揺で分かった。だが名探偵が辿り着いた真相とは、青木の恋心に蓋をしてしまったのは自分が友達失格だったからというもの。名探偵が犯人という大どんでん返しである。自分の罪を自覚して神妙に謝罪する あっくん の珍しい姿を見て青木は笑う。それに青木は あっくん の反応が「普通」だと考えていた。でも あっくん は その「普通」を否定する。だから自分の罰として頬を差し出す。橋下さんは左だから、青木は右である。
もちろん青木は当然 怒らない。親友が自分の「好き」を尊重してくれた。それだけで青木は あっくん と友達で良かったと心から感謝する。そして青木こそ相手のことを過小評価して、あっくん が世間と同じような言動をするのではないかと勝手に決めつけていた。何より青木自身が自分の「好き」を肯定できていなかったことが周囲に迷惑をかけたのだ。こうして青木の自己肯定感は周囲の優しく賢い人たちによって守られ、告白の準備が整う。
あっくんの迷探偵騒動の副産物として起きたビンタ事件は、橋下さんと あっくん の間の最大の思い出となっただろう。青木と井田を結ぶのが消しゴムならば、彼らの馴れ初めはビンタである。
青木と違って あっくん は即断即決の人だから、親友の恋心を知れば、すぐに行動しようとする。井田への恋心を諦めようとする青木を けしかけるが、梃子でも動かないと見ると、今度は次の恋を目指して合コンを提案する。そういう気分じゃないはずの青木は あっくん に操縦されて、結局 合コンに参加する。
一方、井田は青木の事ばっか考えていたため練習に集中できず、所属するバレー部の仲間たちに心配される。そこでバレー部員たちは これまで恋愛と無縁だった井田が恋に悩んでいる姿を見て驚く。そんな彼の恋愛スキルを上げるようとバレー部員は井田を合コンへと誘う。何だか急な展開だが、これは今後の井田の成長のため、青木の未来のために必要な展開である。
合コン会場で青木は井田も同じ参加者であることを知る。2人の間の恋愛問題はリセットされている状態なので問題はないのだが、青木は告白を撤回したり、それでいて別の出会いに前のめりだったりとフラフラし過ぎだ。私が井田の立場なら「テメー どういうつもりだ」と問い詰めたくなる。しかし青木は自分のことを棚に上げて井田に怒りをぶつける。これは やっぱり井田は異性がいいのか、自分の告白が軽視されているのではないか、というのが彼の焦りと怒りの根源だろう。
合コン相手は黒髪清楚系1人とギャル3人。その外見と言葉遣いに男性陣は委縮するが、青木は不慣れにもかかわらず振り切って盛り上げ役に徹する。それは自分が逆の立場なら、と考えられる青木の視野と心の広さからの行動だ。そういう青木の良い面ばっかり見えてくるから、井田は青木の事が気になってしまう。
そうして場の空気が和んでくるとギャルたちにも それぞれ良いところが見えてくる。人の内面を見ましょう、というのが本書の教えである。その中の1人、ココロは井田の硬派で大人びた雰囲気を気に入り、正面から「超タイプ」と言われる。
以後、ココロは毎日 井田と駅で彼を待っているという。井田がココロと付き合うのも時間の問題であることが、青木を苛立たせ、井田に八つ当たりしてしまう。相変わらず井田は青木のことを褒めてくれるが、今はその優しさや、彼を もっと好きになることが辛さに変換される。
青木の子供じみた行動は「じいちゃん」の井田の心に珍しく苛立ちを呼び起こす。その日もココロは井田の部活終わりを待っており、井田が悩み事を抱えているように見えた彼女は井田をスタバに誘う。その店内には青木と、彼の あまのじゃく な言動を心配してメンタル相談に乗っている橋下さんがいた。それを見た井田は目の前にいるココロよりも青木の事が気になる。
ここでココロは彼に交際を申し込むのだが、井田は それが不思議でならない。ココロには他に好きな人がいるのを井田は合コンで知っていたからだ。そこから井田はココロの恋バナを聞く。井田が人の「好き」に接するのは青木に続いて2例目。そして恋心は どれも似ていることを学ぶ。
別れ際、ココロは井田がスタバにいた子をずっと気にしていたと指摘する。そんな その井田の行動は恋愛あるあるだとココロは共感する。こうして井田は青木に対する好意の可能性に戸惑い、実際に青木と接近すると心が乱れることを自覚する。
青木にとって橋下さんが異性の相談相手なように、井田にとってはココロが恋愛相談の相手なのだろうか。
このエピソードは誰も悲しむ結果にならないのが良い。井田も最初からココロのアプローチを勘違いしていないし、ココロも井田にフラれたりしない。人にフラれる役目は青木が2回も担ってくれている。そして最後までココロの好きな人を周囲に話さない井田に義理堅さを感じる。