《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

主に少女漫画と小説の感想ブログです

川澄は時々のび太にも見えるので、本書をしずかちゃんとのび太の高校時代として読む新解釈。

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森下 suu(もりした すう)
日々蝶々(ひびちょうちょう)
第5巻評価:★★★☆(7点)
  総合評価:★★★☆(7点)
 

自分の好きな人が自分を好き──。両思いだとわかったすいれんと川澄。とてもうれしいはずなのに、これからどうしていいか、どうしたいのかわからない。とまどいながら、ふたりでつくる新しい関係──。少しずつ、前に進む第5巻です。

簡潔完結感想文

  • 両想い。気持ちが通じ合う奇跡、付き合うのは当然の軌跡? 混乱の極致。
  • 両親へご挨拶。朝、目覚めたら父と名乗る人があれこれ詮索してくる件。
  • ちょっと待ったコーール。川澄から改めてご挨拶。いい最終回だった…。


『前巻』のゴール直前のラストスパートのような全速力から、いつものペースに落ち着く5巻。

自分たちの「好き」が通じている事を知った二人。
ただ、両想いの先の「つきあう」がよく分からない。

その日の帰り道もお互いに相手のことを思いやっているけれど沈黙ばかり。
並んで歩いているのにポケットに手を入れたままの川澄に、すいれんはお得意の服を引っ張る仕草で意思を示す。
すいれんは首を「フリフリちゃん」だけじゃなく服を「クイクイちゃん」でもあります。
手を繋ぐ描写もすいれんの方からである。
硬派というよりも天然で気の利かない川澄には、やっぱり内気であってもすいれんの方がリードしないとダメですかね…。

両想いが判明した夜のすいれんの描写はあるけれど、川澄側は描かれなかった。
予想としては目がギンギンに血走ってたのではないか。
あとはどうしても眠れないから夜中にランニングしちゃうとか。
翌日の川澄の様子は夕方一緒に帰る時から始まってるから推測する手掛かりもない。

ただ、この後の緊張して当然のすいれん両親と同席する夕食の場面でも変わらない食欲を見せているので、体調に変化はなさそう。
重要な場面では二人の克明な様子が知りたいものだ。


両想いの翌朝にすいれんの父親が初登場。
父は長期出張であまり家にいないという設定らしい。
これまでも母親はすいれんを過保護なほど心配している描写があったが、このすいれんの両親は二人揃うとなかなか鬱陶しい。
家に送ってくれる存在の川澄の事を話したすいれんは、その様子を家から見る事だけ許可する。

だが両親は家から出て川澄を自宅に誘う。
母は着飾っているし夕食まで用意して川澄を待ち構えていた様子。

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過保護な両親による 過剰な圧力。「交際前」のご挨拶。
その割には川澄の無口にたじろぎ会話を模索してるし、娘の彼氏として扱う事も不慣れである。
更には曖昧な二人の関係を知って、聞かれてもいない自分たちの恋愛を語りだす。

だけどこのギクシャクした一夜の出来事で言えるのは誰も悪い人がいないという事実。
すいれんとすいれんの彼(候補)を見たい両親の気持ちも分かるし、そこから逃げ出さない川澄の真摯さも伝わる。

ただ私がすいれんだったら「嘘つき、パパなんて大っ嫌い!」と再び長期出張に行くまで口をきかないかな。


このところ顔を赤く染めすぎたせいか発熱するすいれん。
保健室で横になったすいれんの隣には同じく体調の悪そうな上級生・小春がいた。
川澄を好きだった小春はすいれんと川澄の仲が進展している事に驚き大声を上げるが、川澄に手を出さない事も明言する。

すいれんにとって小春は「蝶」としてのお手本であるので、自分と違い想いの果たされなかったが小春のこれまでの積極的なアプローチに自分も奮起する事を心に決める。
だが、彼女にとって自分から口を開くことは穏やかな日常との別れを意味する。
そう知ってていもなお彼女は好きな人に挨拶をする自分を止められない…。


つきあうということ、それも公然とつきあうこと、が5巻のテーマだろうか。

前述の保健室での小春とのエピソードで川澄を恋慕する者はすいれん一人に絞られた。
そして二人の気持ちももう確かめられている。
川澄がもっと卑怯な男なら誰にも知られずにつきあうことも選択肢に浮かんだだろう。
だが川澄は硬派で自分に嘘のつけない男だ。
彼の中の「つきあう」は秘密という言葉とは結ばれない。

だから他の生徒に囲まれながらもすいれんを正面に向き合って顔をあげて告げることが出来たのだろう。
どうも川澄は「男らしい」という言葉に行動を奮起するみたいだ。
今回のすいれんへの言葉も友人・良祐に「男らしくねぇな」と言われたことから始まった。

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「男らしく」曖昧な関係に蹴りをつけるために、川澄は一歩前に。
ということは今後も良祐に「男らしく接吻だ」とか「男らしく同衾だ」とかそそのかしてもらったら、かなり前向きに検討しそうな気がする。
もはや良祐の操り人形なのが「男らしく」ないが。

余談としては今巻からデフォルメすいれんが頻出しますね。
手抜きかな、などと思ってはいけない。

日々蝶々 5 (マーガレットコミックス)

日々蝶々 5 (マーガレットコミックス)

  • 作者:森下 suu
  • 発売日: 2013/09/25
  • メディア: コミック