ぢゅん子(ぢゅんこ)
私がモテてどうすんだ(わたしがもててどうすんだ)
第4巻評価:★★★(6点)
総合評価:★★★☆(7点)
リバウンドしちゃったけど、見事美貌を取り戻した花依(かえ)。そんな彼女に惚れ直した五十嵐(いがらし)は、花依へのアタックがマジモードに!! 七島(ななしま)も五十嵐に負けじと動き出そうとするんだけど――!!? ホワイトデーの爆笑エピソードが読める「番外編」&ぢゅん子先生直筆の『私モテ』キャラデザインも大公開しちゃってどうすんだ!!?
簡潔完結感想文
- 球技大会。七島がサッカーを止めた訳。イベント盛況の学校だ。
- 七島が五十嵐に抱えるコンプレックス。5に続き7も覚醒。
- 夏休み。格好悪い自分しか見せられない事に焦った四ノ宮は…。
↑の表紙の通り、4・四ノ宮、7・七島がフィーチャーされる4巻。
七島回は球技大会。
『前巻』で花依に二度目の恋に落ちた五十嵐の積極的な姿勢を目の当たりにし、自分の煮え切らない態度を自覚する七島。
取り敢えず目前に迫った球技大会のサッカーでの優勝を狙うため、クラスメイトを指導する元サッカー部の七島だったが、現サッカー部の五十嵐との対決の可能性を知って逃亡する…。
逃亡って、いやいや対決はまず優勝した後の事でしょ、というツッコミはまたしても野暮だろう。
大会当日、登校拒否する七島。
実は彼はサッカーを巡り五十嵐に鬱屈した思いを抱えていた事が判明。
が、七島を迎えに来た花依にはそんな言葉関係がなかった。
直接的な言葉で七島を非難し、鼓舞する。花依は辛い過去の自分の経験から言葉を紡いでいく。
辛い過去、それは七島によく似たアニメキャラ・シオンの死、そしてそれを肥やしにした経験と恩恵の思い出。
花依は身を粉にして勝負する大事さを七島に見せる。
このシリアスからのふり幅、とっても楽しいですね。
そういう花依の前向きさが人を変えていき、そして人は彼女に惹かれていく。七島と五十嵐の勝負の結果も容赦のない現実を見せて笑わせてくれるが、球技大会の同じ土俵に立った事で七島は花依を巡る勝負にも戻ってきた。
目線のやり取りだけで会話する5・7の関係が最初と最後に上手く使われていますね。
七島なりのアプローチが今後楽しみだ。
でも今回、五十嵐が花依にちょっかいを出すのを「ジャマするのが(七島の)仕事」と四ノ宮に言われているのは流石に同情してしまった。
なぜなら真理を突いているからだ。
四ノ宮も若干その気配が漂っていてトラブルメイカー側の4・7と、2・5・6の収束させる側の役割分担が悲しい。
四ノ宮回は夏休み。
そう花依にとってかけがえのない高校2年生の夏がやってきたのです。2回目のね☆
雑誌発売の暦通りに季節を移す方式のため、連載も2年目に突入すると同じ季節が巡っちゃうらしい。
この回では七島と同じく、精神的にも肉体的にも他の先輩たちに引け目を感じている四ノ宮の姿が描かれる。
空回りするドジっ子が加速しています。
彼の長所は何でしょう。
今回の物語を通してもそれは見えてこない。
ただ未熟さが目立つからこそ成熟がある、という成長性は最弱で最若の彼にあるのではないだろうか。
四ノ宮にとって先輩たちはライバルであり、そして目標でもある。
花依という動機があって、周囲に凄い人たちがいるというのは彼にとっていい環境だろう。
そこに辿り着くのにあとこの世界線を何周しなくてはならないのか、また彼らもまた同じ時間軸を生きていく事が彼最大の不幸だろう。
この回は四ノ宮のラッキースケベ2回目とその後の噴射、そしてドジっ子触手プレイが本書ならではの笑いか。
あとは橋崩落の時、珍しく六見先輩が顔を青ざめさせている(ような顔の縦線)描写があるなぁ。でも他は普通の少女漫画、または乙女ゲーの水着回の一般的な話かな。
あらゆるイベントに萌えの一ひねりを加えるのが難しくなってきたのかと不安だ。
私としてもページ数も内容も薄くなっている気がして、印象的な場面や感想すら浮かばない。こちらも困る。
水着回やお泊り回があっても、女性の二科がいることで健全性がありますね。
二科の抜け目なさがあって、初めて五十嵐の魔手から花依が守られている安心感があります。
二科自身も手を出す側とはいえ、完全なる逆ハーレムではない事が、花依を可憐なヒロインに仕立て上げていない気がする。
仲良しサークル感が増したとか友達濃度が濃くなったとも言えますが。