《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

主に少女漫画と小説の感想ブログです

時間と距離と優しさどれか一つ 選ぶのなら何が一番大切なの?『晴れた日と月曜日』

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ぢゅん子(ぢゅんこ)
私がモテてどうすんだ(わたしがもててどうすんだ)
第14巻評価:★★★★(8点)
   総合評価:★★★☆(7点)
 

お互いの気持ちをぶつけ合い、無事に仲直りできた花依と六見。「今日はもう離れたくない」と六見が新幹線のチケットを破り捨てます。その日の夜、ホテルにお泊りすることになった2人。シャワーを浴びて、六見のいるベッドへ向かう花依だけど…!? 腐女子のモテ期、ついに完結!!!

簡潔完結感想文

  • 花依が直面する男女の問題。BLでは教えてくれない事はどこで学ぶ?
  • 比翼連理が遠く恋離に。試練ばかりの二人が乗り越えるにはどうする?
  • 最終回。最後まで色々とネタを仕込んでくれる読み応えのある最終回。


いまさら主人公が男女のリアルな壁にぶつかる14巻。

知恵を拝借するのは先人の教典、パイセンのHOW-TO。
リアルと二次元、どちらを好きかという六見先輩の問いに答えるべく先輩の旅行先・滋賀に向かった花依はお互いの本心を曝け出す。
帰りの車券を破り捨てて二人が向かったのは現地のホテル。
だがシャワーを浴びた花依の覚悟を知ってか知らずか先に寝入ってしまう六見先輩の紳士的な態度。

帰郷後、その夜の出来事は自分の魅力不足が原因だと大いに悩む花依。
だが恥だと思っているのは据え膳を食わなかった六見も同じらしい。
恋愛経験値の足りない二人がすがるものは…。

六見の懊悩を解決すべく集まったナンバーズ男メンバー4人。
だが経験談を語るはずの会合では一人を除いて未経験者という事態が発覚。
唯一の経験者・五十嵐が四ノ宮を相手役に手取り足取り教えてあげるのだった。さすがエロ輔。
講師の5と受講者の6はともかく、4と7はかつてのライバルに塩送るような、それでいて自分の恥部を晒す拷問のような講習会だ。
キス未経験という四ノ宮という情報は以前にもあったが、七島情報は新しい。
まさかキスの経験も五十嵐オンリーとか⁉ グフフフ。

花依は花依で男女の事なら教典はBLではなく少女漫画という、これまたアサッテの方向に解決策を見い出す。
男女の恋愛談を初めてインストールした花依は自分たちの問題もそれに合ったペースがある事に気付く。
漫画様様である。
きっと花依は漫画で分かる応用物理学(擬人化・萌えあり)とか読んだら即座に理解するに違いない。


だが、好事魔多し。
二人が図書室で大人のキスを交わした時に鳴ったチャイムがきっかけのように、作中の時間の幾度目かのループから抜け出し通常時間に移行してしまう。

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休み時間終了の鐘は 魔法が解ける合図
タイムトンネルの出口は2年生の秋。
六見先輩にとっては受験生の秋、それは進路を決める最終段階の時期である。
二度目の未遂を経て、三度目の正直にするべく花依が六見を自宅に呼んだその日、六見は自分の志望進学先が京都にある事を告げる。
その新事実に許容量を超えるとパニックになる体質の花依は六見に逆ギレして家から追い出す。

そこで再び集結して花依を説得するナンバーズたち。
今回は両親と離れて暮らす四ノ宮が大きな役割を果たしています。
七島は最後まで底抜けのバカでしたが。
それに加えまたもや二次元の「ミラ・サガ」に影響されたこともあり花依は六見にある提案をする…。
となるとこれからは毎度、花依が暴走し出したら二科に二次創作してもらって作中にそれらしい文章散りばめてアニメキャラの言葉で改心させるって手法は採れないんですかね。
やっぱり公式の錦の御旗がないと心に刺さらないのかしら。
あとカップリングなどの見識の違いもあるかな。

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進学先に遠距離の大学を選ぶ六見に 距離を置く花依
初体験やら花依の進路決定やら普通の出来事が色々盛りだくさんな最終回。
そして7年後の結婚式の情報量の多さよ。

4・7の同居情報に2・5の公私にわたるっぽいパートナー描写。
これはもう偏見で大学生活を語っていた花依の「隙あらば番おうとする男女がくっついたり離れたり(中略)テラスハウス状態!!!」という言葉がぴったり。

もう最終回で、しかも結婚式というお祭り騒ぎなので趣味に走ろうが誰がくっつこうが何でもおめでたいですが。
ナンバーズになり損ねた3・三星はさらにその数年後のテレビに映る文字だけで登場。
声優として順調に活躍しているみたい。
この作者の事だから三星はマネージャー赤井と番っているのでしょうか。
一方8・八城は高校の卒業式の場面もその後の描写にも登場せず可哀想な扱い。

最後の数ページは結婚式から更に数年後のお話。
六見と花依の子供(男児)がいる世界。
この子、六見にも花依にも似ていて愛おしくなる。
「変身」という言葉に尋常じゃない反応を見せるオタクな気質もちゃんと受け継がれている様子。
そしてそして最終ページに呼ばれる子供の名前。
キラキラネームというほどではないが、親の一方的な思いが全部乗っかている名前。
でもこの漫画に一番相応しい彼の名前。
それを知った瞬間に笑ってツッコんでから、なるほどいい名前だね、としばし感慨にひたる。
これは君のパパとママの かけがえのない青春のお話だ…。