《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

主に少女漫画と小説の感想ブログです

君は誰とキスをする オレ それとも オレ? って オレとはもう2回してるか。

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星上くんはどうかしている(4) (KC デザート)

星上くんはどうかしている(4) (KC デザート)

アサダ ニッキ
星上くんはどうかしている(ほしがみくんはどうかしている)
第4巻評価:★★★☆(7点)
  総合評価:★★★★(8点)
 

「似てない双子」と有名な2人の星上くん。兄・望はぼっちで、弟・求は学校の人気者。高校1年生の三毛野いさりは、望への憧れと求からの好意の間で大・混・乱! 望と求のバトルが加速するなか、中学時代のいさりと因縁アリな転入生・雲城の登場で、3人の恋模様はどうなる~~!? 正反対のイケメン双子と胸きゅん三角関係ラブ、第4巻は文化祭で恋の嵐が吹き荒れる!

簡潔完結感想文

  • いさりにとって訳ありの転校生・雲城。彼と向き合う勇気をくれたのは…。
  • 雲城との対話。行為の奥にあった心、好意が奥にある心。あの日の続き。
  • 君の清き一票を! イケメンコンテストの投票用紙、君はどっちを応援する?


星上くんたちがどうかしてしまったように、主人公の いさりも どうかして変わりたい4巻。

突如、いさりのクラスに転校生してきた雲城(くもぎ)。
彼は いさりと同じ中学出身で、どうやら いさりと深い因縁がある様子。
だが、それを気にしているのは いさりの側だけで…⁉
星上くんに勇気を貰って彼と立ち向かう決意を固めた いさりだったけど…。

全5巻通じて唯一の新キャラの雲城くん。
ビジュアルは星上くんたちが白双子に対して、雲城は黒王子という感じ。
顔自体は星上くんたちの3人目の兄弟と言われても不思議ではない感じ。つまり似ている。


この学校の二学期は体育祭の次は文化祭と学校行事に忙しいみたい。
こういう高校生活ならではのイベントと恋愛をちゃんと絡めてくれるところが良いですね。疑似青春気分。
ただ、今回は恋愛だけでなく いさりの過去のトラウマとも言える事件も絡んでくる。
序盤のいさりの自己評価がやけに低いのは手痛い過去の失敗が原因だったらしい…。

意を決して雲城に話しかけても「関わるな」と言われてしまい、再び話すことは躊躇してしまう いさり。
そんな いさりの様子を見て相談に乗ってくれるのは星上くん、たち。

兄の望(のぞむ)は いさりの応援団として共に問題解決に取り掛かってくれる。
弟の求(もとむ)は いさりの避難所として自分を利用しろと寄りかかる大樹の役割をしてくれる。
この際に二人とも いさりの頭を触ってくれるのは双子ならではのシンクロか。
求はともかく、望も「女の子の頭を簡単になで」れるようになったんですね。
純朴さが望の売りだと思っていたけれど、どうやら欲しいものは勝ち取る姿勢を見せている。

そんな兄弟間の負けられない戦いは学校内のイケメンコンテストや模擬店の集客でも行われる。
ここにきて王道の双子対決が始まりましたね。両手に花。両手に星。
髪型一つで精神までもイケメン化する望も、髪型一つで望に見とれる女子生徒たちもどうかしている。


そんな彼らに想いを寄せられるザ・少女漫画の主人公ポジションになった いさりだが、彼女の小狡さや勇気がしっかり描かれているから、いわゆるヒロイン気質とは大きくかけ離れていて読者からもそうは嫌われないだろう。

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いさり もまた 自分を変えることを望む
雲城は転校生で学校に不慣れなことも利用して いさりは彼をあの日と同じように屋上に誘い出す。
ホント、計算高いですね(笑)
屋上で語られる中学時代にあったこと、そして いさりからの謝罪。
更には、許す、と言ってくれた雲城に いさりはあの頃の自分が隠し持っていた悪意をも語る。
ここを単なる謝罪で終わらせないのが本書ならではの展開ですね。
中学時代に雲城のために駆けまわった いさりのその奥にある自意識まで包み隠さず吐露させるんだもの。

抱えていた大問題が解決し安心して、へたり込んで泣きじゃくる いさり。
そしてそんな「女の子の頭をそんなに簡単にはなで」られない雲城。
これは出遅れましたね。転校生という遅いスタートでは恋の徒競走では勝てません。

この場面、人間関係に敏い いさりですから、彼の言葉の奥にあった好意は感じ取ってますかね。
はっきり言って雲城くん、この問題のみの登場です。
このまま再度、転校していっても構わない御身分。
あっ、その後のラーメン屋には必要か。
恋愛問題はまた星上兄弟だけに絞られますのでご安心を。

そういえば『1巻』から いさりが屋上に出たがってませんでしたね。
こういう作者の当初からの構想だけで物語が進められると読者としても気分がいいですね。
長編だから深みが出るわけでもないし、短編だから深さが出せないわけではない。
そこは作者の技量によるところが大きい。

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いさりを慰める役を譲る雲城 譲らない双子
編集部の方針で話を無理矢理に伸ばすとしたら、雲城の恋愛参戦や玉峰さんの恋模様、岩伏の猫との生活の話などでしょうか。
どうしよう、どれもかなり読みたいかもしれない。


いさりが上昇気流に乗る望よりも、評判や人気を落としてばかりの求が気になるのもよく分かる。
序盤で誰も知らない望の魅力を知ったように、後半は誰も知ろうとしない求の孤独を知った いさり。
彼女が手を差し伸べなければならないのは求のような気がするが。
星が結んだ「恋の大三角」もいよいよ次巻がラスト。お楽しみにー。


「番外編/その2」…岩伏(いわふし)のバイトするラーメン屋で出くわす担任と優秀ギャル・玉峰(たまみね)の日常会話…。
情報量の多すぎる4ページ漫画です。
そうか玉峰さん、そうだったのか。
一緒に並んで食べていた いさりと雲城は既に帰って、玉峰さんももう食べ終わってるのに席立たないですもんね。
本当に不器用なアプローチしかできない登場人物たちです。
『1巻』1話で玉峰さんの家庭の事情によって風紀委員を辞めて、いさりにお鉢が回ってきたのが物語の始まりなのですね。
玉峰さんは影のMVPだ。本編の活躍は少なかったけど。
にしても岩伏は結構、女子の情報握ってますね。
学校で女子の会話とか力関係とか住所とか調べてばかりなのでしょうか(笑)