《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

主に少女漫画と小説の感想ブログです

小説売りたかったら問答無用でテレビに出なさい! 資本主義にも屈する元女王。

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遠山 えま(とおやま えま)
わたしに××しなさい!(わたしに しなさい! または わたしにバツバツしなさい!)
第17巻評価:★★★☆(7点)
  総合評価:★★★(6点)
 

時雨が一番なことは…信じてほしい…。
小説家のユピナだと時雨に知られたくなければ「オレのこと好きになれよ」と氷雨から脅された雪菜。氷雨への絶対服従と時雨への思いで板ばさみに! しかも水面下で雪菜の正体を世間にさらすために氷雨の作戦が進み…。緊迫の17巻!

簡潔完結感想文

  • 氷雨の人形と化した雪菜。時雨との思い出は全て氷雨に上書きされる⁉
  • 時雨との新しい思い出作り。自分のすべてを出し合う時はラブの終焉の時?
  • 直接対決。比喩ではなく覆面作家のドルチェ。何重にも仕掛けられた罠。


ご主人様のお仕置きは公私にわたる周知・羞恥プレイ⁉ いまは雌伏の時の17巻。

雪菜(ゆきな)の秘密を知っている氷雨(ひさめ)はご主人様で、最大の理解者で、そして唯一のライバル。
この3つの顔を巧みに使い分ける氷雨によって、雪菜は翻弄されるばかり。
しかし負けん気の強い雪菜は氷雨の弱点を突き、ご主人様の翻意を促そうとするが…。


雪菜が氷雨に提案したのは、氷雨の想い人である水野マミとの仮想同級生ごっこ
氷雨の兄・時雨(しぐれ)の制服を借りてまでコスプレをさせてた学校ツアー。
まるで卒業した学校に侵入して思い出散歩するみたいですね。
ハハハ、夏休みが長すぎてまだ通ってる学校なのに在学してたのがもう何年も前のことみたいに思えるや…。

そんな雪菜の目論見だったが暗黒面に堕ちた氷雨にはマミへの恋心は改心の材料にはならず、逆に時雨とのラブミッションの思い出は氷雨のインストラクション(指示)によって氷雨たち北見兄弟の思い出に書き換えられ始めてしまう。
絶対的な自分の弱みを握られている雪菜はラブ万能説にすがるが、実際は時雨に嫌われる恐怖と闘っていた。

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学校の各所を再訪する思い出ツアー。もしくは思い出ツアー。思い出すのは時雨のことばかり。
思い出の書き換えというのは氷雨らしい残忍な手口ですね。
あの子は本当は優しい子なんです!と氷雨をかばう雪菜ママ。
満たされない心をどう満たすのか、という問題の前に絶体絶命の自分。

本当に現実の月日が経ちすぎて「ミッション」なんて単語が出てきたのが、はるか昔のことのように思える。
今、雪菜に与えられるべきミッションは、わたしのしてきたことと向き合う勇気を持ちなさい! だろうか。
嫌われたくないと、氷雨の従僕になり、時雨に言えずウジウジしてるのなんて雪菜ちゃんらしくない、と晶に言ってほしい。
そういう意味ではやっぱり晶は雪菜のそばにいなければならない人でしたね。
だって雪菜ちゃん防御力ゼロなんだもん。


自分が時雨をモデルにした小説を発表していることを打ち明けなければと思っている最中、時雨にケータイ小説がニガテと言われて傷つく雪菜。
そんなどん底の心境にいる雪菜のもとに氷雨が来訪する。

自室に連れて言った瞬間、雪菜のベットに寝転がる氷雨
雪菜のベッドの上に乗る男は3人目でしょうか。
頭に血が上ったとはいえ不用意に氷雨の上にまたがる雪菜。

これは嫉妬深くなっている時雨じゃなくても言い訳ができない状況ですね。
雪菜の場合、自分の軽はずみな行為で時雨が傷ついた表情を実際に見ないとその罪の重さを分からないってのが罪ですよね。
今の雪菜だったら新学期が始まって時雨を囲む女子たちに嫉妬の炎を燃やすだろうに、逆はOKという、まだまだ女王様気質のお方である。


続く事件も雪菜の負けん気によって不必要に巻き起こったと言ってもいい事件。
それはTVで生放送される「ユピナ VS. ドルチェ スペシャル対談」。
出演しないとドルチェとの小説バトルの勝敗が大きく左右されると聞かされた雪菜は二つ返事で承諾してしまう。
今、そのことで大いに悩んでいるというのに本当におバカな子である。

これもツッコミの方向性としては無粋なんでしょうけど、本人の了解もなしにテレビ出演を前提とした企画を勝手に決める出版社ってのもどうなんでしょうね。
こういうコンプライアンスとかモラルとかが全くない利益追求型の会社だからユピナ先生にも小説の書き方のマナーを教えてあげられなかったんでしょうね。
ブームの時だけ調子のいい新興企業という感じがする。あれから数年経った今は潰れてるんだろうなぁ…。


イベントに向けて出版社の人たちとの打ち合わせの際に現れたドルチェはまさに「覆面作家」だった。
正体を知っている読者としてみれば、かなり恥ずかしいコスプレに見えなくもない。
しかもマミが好きなキャラクターシリーズの被り物をしているというのが、とっても青臭いではないか。

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同じ作家として意気投合する雪菜だったが、相手のその仮面の下には…。
人の心などお構いなしに振る舞ってきた雪菜ですが、ドルチェとの対面で彼の被り物を取るような真似はしないんですね。
それどころかドルチェ先生の小説を書く姿勢に共感している始末。
ここでも小説のことになると敵も味方も、現実も妄想も関係ないんだね、雪菜ちゃんは、と晶に一度、諭してもらいたいぐらいだ。
雪菜と完全に別行動を取るようになってしまったのが残念ですね。
あと雪菜の小説家としての初期教育の失敗は君のせいでもあるぞ、晶。


今巻の本書恒例のプレイのお時間は、時雨とお医者さんプレイですね。
ただ今回は過激な描写は少ない。物語が大きく動いてるときは過激さが減る反比例の法則ですね。
本当にいつの間にか時雨がいい男ポジションになってるのが不思議ですね。
序盤の彼の歪みは氷雨と一緒で、いい子であろうとするストレスが生み出した歪みだったんですかね。
今の時雨に『1巻』を読ませて「あの頃はオレも若かったんだよ」と若者特有の言葉を言わせて赤面させるプレイを楽しみたい(笑)