《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

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種をまいてすぐに芽が出る 黒沼爽子の黒魔術花壇。成長早すぎない?

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椎名 軽穂(しいな かるほ)
君に届け(きみにとどけ)
第8巻評価:★★★★(8点)
   総合評価:★★★★(8点)
 

2年生になりました。みんな一緒のクラスでうれしい。明るい健人とも知り合いになった爽子。勉強を教えてクラスメイトになじむ姿や健人にかまわれる爽子をみて複雑な気持ちの風早。2人の距離は少しずつ、大きくなってしまう…。

簡潔完結感想文

  • 登場人物ほぼ同クラ。風早とクラス分けても良かったのではないか。
  • 風早のにおわせ発言。爽子に疑問形で聞いといて切り上げる短気なやつ。
  • 自分以外の爽子理解者の登場に頭を悩ます風早。どこか掛け違う二人。


早くも2年生に進級の8巻。

この学校には3年進級時のクラス替えはないみたいで矢野・吉田・風早・龍・トモとえっこ、そして新キャラ・三浦健人くんと卒業まで同じクラスでいられます。
ちなみに担任はピン先生。
大いなる作為を感じますね。


風早の過保護が加速していく。
いや、独占欲か?
ここはクラスを別にして爽子の自立を見たかった気がしますが、同じ空間・同じ気持ちでいるはずの二人がギクシャクしてしまうのが今巻の内容なので、それもまたよし。

風早は爽子のセールスマンとして活動していたはずが、爽子自身の良さが同級生たちに発見されるとそれはそれで寂しいらしい。
これはセールスマンというより駆け出しの芸能人を青田買いしていたファンの気持ちですかね。
売れるまで全力で支えるけど、売れてしまうと急に遠い人に感じてしまう。
風早が自白している「独占欲」の問題だとしたら、交際したら束縛男が決定的ですね。
良い人に見える人ほど裏じゃ何やらかすか分かりませんね。

また風早は、におわせ発言を連発。
自分が特別だよね、と問いながら答えは聞かない。
そして後日、あれは忘れろと爽子を混乱させる。
確かに爽子と風早の性格や背景の共通点は少ない。
それを二人の関係は「遠い」とも表現できるが、遠い人だからと言って恋愛が出来ないわけじゃないのに。
二人は他人なのだからエゴのない告白や交際なんて出来ないのが当然なのだ。

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爽子の魅力が広まれば広まるほど 風早の焦りは増す
新キャラ・健人のキャラは既視感ありそうで、ない所を責めている感じがする。
少女漫画あるあるの一つ、途中参入の男キャラはチャラくなりがち、はクリアしてるんですが、地味な主人公のこと好きになっちゃいがち(そして振られがち)、はクリアしなさそうなんですよね。

敢えて言えばお邪魔虫キャラという斬新な設定。
チャラいというよりウザい。
女子人気は高いらしいが、風早という正統派にして不動のセンターを前には説得力が弱い。

健人は男子人気は低いだろうし、女子にも一定数嫌われてそうな気がする。
あと実写化したら絶対に雰囲気イケメン。
顔の小ささと髪型で誤魔化しているタイプ。
今のところ好感を持てないからってボロクソに言ってますね、私。

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プロデュースによって爽子を売り出そうとするが 原石は宝石で…。
健人もまた爽子のセールスマンでしょうか。
スポークスマンやプロデューサーの方が近いのかな。
本人は爽子をクラスに溶け込ませるために善意のつもりでやっているようで、それなりの効果があるみたいですが、風早に黒い気持ちを湧き立たせる。
自分の仕事を奪われた事へ苛立つのか、爽子に気安く触れる行為に苛立っているのか、短気の風早は早くも我慢の限界を迎える。
健人の前だけでは爽やかを捨てる黒風早も見てみたいかも。

今のところ健人は爽子の風早への一方的な片想いだと思っている。
これは誤解するような場面に遭遇したからか、まだまだ出会って日が浅いからなのか。
はっきり言って主人公カップルの気持ちを見抜けないのは健人と風早と爽子ぐらいである。
遠からぬ未来、健人が両者の気持ちに気づいた時、どうでるのか怖いところ。
出来れば波風を立てないでほしいが。
と言ってるそばから今巻でも余計な発言で早くも風早の機嫌を損ねる健人。


過保護といえば矢野ちんも過保護。
クラス替えに暗躍したり(ピンの手腕によって事は成されていたが)、風早や爽子を焚きつけたり。
全てが見通せているからじれったさも人一倍なのかな。
でも、お節介と境界すれすれな気がする。

これまで描写のなかった矢野と風早、吉田と風早の会話がたっぷりとある。
矢野は協力を申し出るも風早が断固拒否の姿勢。
矢野ちんの「つきあったら めんどくさそー」という呟きに多い納得。
誠実なのはいいけれど、頑固でまどろっこしい。

自分の気持ちを整えて、相手の気持ちが整うのを待って、全ての問題がクリアになるのはいつか。
どちらかの想いが我慢できなくなった沸騰直前の告白も見てみたい気がする。
矢野ちん曰く「恋愛はタイミング」らしいけど、少女漫画としてもタイミングを見誤らないでほしい。
吉田は吉田でその性格の通り悪気はないけど余計なことばかり言う、期待を裏切らない発言を連発。
その内容が矢野ちんに露見しなくて良かったね。


龍は何気に風早の変化に気づいてますね。
龍は風早に遠慮がなくて笑える。
風早の大きな独り言にナイスなツッコミを入れている。
そして何気に誰も言わなかった、爽子も風早をすきなんじゃね?とさらりと言っている。
後半の吉田と龍の逆壁ドンにも笑った。
あと龍の顔はどんどん簡素化されていきますね。
半分以上、仏顔になっている。チーン。
いつか健人と龍の会話を見てみたいですね。龍は嫌ってないか心配。

君に届け 8 (8) (マーガレットコミックス)

君に届け 8 (8) (マーガレットコミックス)

  • 作者:椎名 軽穂
  • 発売日: 2008/11/25
  • メディア: コミック