《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

主に少女漫画と小説の感想ブログです

読者をときめかせる人、魅入ってしまう人、作品に欠かせない人、君の名は。丸井侑輝。

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南 塔子(みなみ とうこ)
360°マテリアル(さんびゃくろくじゅうどまてりある)
第4巻評価:★★★(6点)
  総合評価:★★★☆(7点)

両想いと片想い。恋のベクトルはますます複雑に!? 丸井の美桜への恋心に気づいた滝くん。「負けない」と宣言する滝くんですが丸井も行動に出る気はなく…。そんな丸井ですが徐々に心境に変化が出てきて…!?

簡潔完結感想文

  • いい加減、美桜と滝くんのすれ違いラブもマンネリを感じる4冊目の頃。
  • 美桜の良き相談相手、茜の目線の先の人、あぁ、丸井の良さばかり伝わる。
  • 滝くんの決定力不足露呈。曇りのち一時晴れ、といった感じの天気が続く。


丸井の株ストップ高の4巻。

やることなすこと全て格好良い。
愛されるより愛したい丸井、
とっても作為的な満員電車の中で扉ドンで美桜を守ってくれる丸井、自分の中の嫉妬や独占欲に悩む美桜の話を聞く丸井、自分の中の気持ちと向き合いつつ真摯に答える丸井。
足の速い丸井、背の高い丸井、数学が苦手な丸井、女子をいきなり下の名で呼ぶ丸井。
どれもこれも格好良い。

…これはドラマで脇役が主役を喰っちゃったってヤツですよね。
果たして、滝くんに足りなかったのは華か、深みか、人間性か…。


この巻から新たなキャラクタが2人登場するのですが、その内の一人がクラスメイトで、滝くんと同じぐらい数学が得意な波多野さんという女子生徒。
2年生まではクラス替えのない学校でクラスメイトが2年目からの急な登場。
彼女の登場によって「ゆるふわ」カップルにまたもや試練が…?というのが、作者の意図なのだろうけど、試練というより付き合いきれん、というのが私の感想。

美桜も美桜で努力している描写はあるものの、どうしても嫉妬や独占欲といった負の感情ばかりが目に付く4巻。
恋愛脳で、些細な事で一喜一憂しちゃう美桜はクラスメイトの同性から好感度高くはないだろうなぁ。

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嫉妬が高じて滝くんを自分の世界に戻す美桜
この巻で美桜は、波多野さんと滝くんのように同じ世界を共有したいと思い、そして空回っていくのだが、実は彼らにはちゃんと共通点がある。
『3巻』で滝くんが丸井から美桜を強引に教室外に連れ出し、そして今回は美桜が波多野さんと滝くんを引き離そうと腕を引く。
その行為は相似形を成していることに二人は気付いているだろうか。
そして似ているのはその後の対応もなのだ。
二人ともそれが嫉妬や独占欲に去来することを相手に言わない。誤魔化すのである。
ある意味で彼らは「無垢な自分の世界」を共有し、守っているのかもしれない…。


そして新たな登場人物のもう一人は茜と同学年の男の子、通称コナンくん。
学年トップの成績で入学した茜に何かと突っかかってくる初登場から、最後の最後まで突っかかるだけの存在。
またも意味ありげで、結局ない不遇な人だ。

彼が徐々に茜に想いを寄せはじめ6,7巻あたりで告白、それが茜に自分の中の丸井への想いを決定付ける、などの展開が欲しかった。
コナンくんにも作者なりの裏設定はあるのだろう。
構想した作品世界を出し切れてない部分が多いと感じるのは、やはり著者初長編ゆえか。


4巻の序盤の身体測定の場面で3cm身長が伸びたことが判明する滝くん。
確かに作中の滝くんは確かに大人っぽくなっている。
少年っぽさを残した1巻から、段々と青年と呼べるような顔立ちに。
おそらく違うのは目の大きさ。
滝くんを描き慣れ、そして作者の画力が上がった事で生まれた効果だろう。
画力の上達度合いが見られるのは若手連載ならではの楽しみですね。

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いつの間にか体育も出来る設定の滝くん
巻末の番外編は、美桜と丸井の小学生時代の話。
こういうのは後に恋人になる人たちがやる演目ですよね。
あの場面が恋の伏線だった的な。
作者にはこの時点で丸井エンドも選択肢にあったのだろうか…?
360゜マテリアル 4 (マーガレットコミックス)

360゜マテリアル 4 (マーガレットコミックス)

  • 作者:南 塔子
  • 発売日: 2011/06/24
  • メディア: コミック