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少女漫画と小説の感想ブログです

父の再婚により 危うく『シンデレラ』の意地悪な義姉ポジション直前。破滅フラグの回避なるか!?

夕暮れライト(1) (フラワーコミックス)
宇佐美 真紀(うさみ まき)
夕暮れライト(ゆうぐれライト)
第01巻評価:★★★★(8点)
 総合評価:★★★☆(7点)
 

父親の再婚話が浮上して、再婚相手が住むマンションに引っ越してきたちなみ。再婚相手とその娘・和音を見極めようとするけど、和音の幼なじみのイケメン兄弟、奏多&雄大に邪魔されて…!? 同じマンションに住むことになった4人の、ハッピーストーリー開幕です!!

簡潔完結感想文

  • 相手を観察する時、相手もまた こちらを観察している。第一印象 最悪なのは恋の合図。
  • 少女漫画で一番大切な遊園地の乗り物・観覧車に、圧倒的な姫ポジションの女性と乗る。
  • 体育祭での お姫様抱っこも お姫様のため。主人公の役目は歯切れの良い啖呵を切ること。

滅フラグを回避するため、悪役令嬢から良き友人枠に収まることを目指す 1巻。

あぁ、面白い。やっぱり宇佐美作品は最高である。
これまでは どちらかというと「宇佐美男子」というべき男性キャラに惹かれていたが、本書は男女ともに同じくらい好きになった。

本書は同じマンションに住むことになった男女4人の家族愛と友情と恋愛を描いた作品である。『1巻』の段階では、父の再婚話を機に このマンションに越してきた主人公・安藤(あんどう)ちなみ が完全なる異邦人。彼女が既に疑似的な「兄妹」として完成されている、再婚相手(候補)の娘の桜井 和音(さくらい かずね)と、和音の隣人である相馬 奏多・雄大(そうま かなた・ゆうだい)兄弟と どうやって距離を縮めるかに費やされ、ほぼ恋愛要素はない。だが兄・奏多以外は中学3年生ということもあり、自分が未熟であることにも気づかないような若い彼らが不器用に交流し、そして信頼していくエピソードの数々は宇佐美作品ならではの面白さと工夫に溢れていた。こういう作家さんに出会うことが読書の喜びなのだと思う。

引っ越した先にイケメンが住んでいる という状況は少女漫画的だが、当初 彼らは主人公に冷淡である。

が面白いと思ったのは、通常の少女漫画とは ちょっと座標が ずれていること。少なくとも『1巻』の段階では、ちなみ は主人公であってヒロインではないように思うのだ。
どちらかというと和音の方がヒロイン感が強い。どうしても読者は ちなみ の視点で物語を追ってしまうが、和音のことを考えると彼女の方がヒロインに相応しいように思う。1つは生い立ち。ちなみ の両親は離婚しているが2人とも健在。一方で和音の父親は他界しており、父と会えるのは仏壇の前だけ。どちらも子供にとって不幸であり、比べるものではないが、悲しみは和音の方が深いだろう。そんな彼女を幼なじみで隣人の相馬兄弟が全身全霊で守ろうとするのも無理はない。早くに人生最大の悲しみに見舞われた和音から少しでも嫌なことを無くすために彼らは騎士(ナイト)として立ち上がった。

そうして和音は最初から本書における姫ポジションに収まっている。そこに再婚を機に ちなみ が参入してくるのだから、相馬兄弟の警戒心がMAXになるのも当然だろう。彼らは和音が家族(候補)の問題で頭を悩ませて欲しくない。
作品としては主人公が異邦人となって その世界に足を踏み入れるという定番の場面から始まっているが、和音(というか相馬兄弟)の側からすると ちなみ父子というのは病原菌かもしれない存在であって、過剰な反応を示すのも騎士としては当然の行動なのだ。

相馬兄弟は和音を姫ポジションにしているが、『1巻』の段階では、彼ら自身は「王子様」ではない。騎士以上の働きが見られるところはなかった。まだ恋愛問題は分からないことだらけなので、この先に配役の変更はあるかもしれないが。


族の形態が変わることへの危機意識は ちなみ も同じである。たった1人の家族になった父親と幸せになるために、再婚相手の家族を観察しようとする。そこで ちなみ が理解するのが和音と相馬兄弟の関係性。そして彼女だけが守られるべき存在で、自分は異邦人であることを つくづく痛感する。

やはり ちなみ がヒロインではない。どちらかというと彼女に与えられたのは『シンデレラ』における意地悪な義姉の役だろう。シンデレラ一家である和音に対して、悪意をもって虎視眈々と悪いところを探している。

ただし歯に衣着せぬ物言いをする ちなみ は、シンデレラだけでなく自分の正義に反するもの全部に噛みつく。そして そんな態度が とある名言を生み、それが和音や雄大のツボになり、彼らとの観察合戦の終焉を早めていく。お互いが自然体の その人を認め合うことで、警戒心は解け、一気に友情へと反転する様子は とても清々しかった。

もちろん、これに必要なのはシンデレラ自身の気質の美しさ。周囲と摩擦を起こしてしまう ちなみ とは違い、和音は姫ポジションが故に摩擦を起こし、巻き込まれる形で悪意に晒されていた。それでも絶望せずに、自分の為すべきことを黙々と行っているのを同じように孤立しがちな ちなみ は見てきたからこそ態度を軟化させ、彼女の本質を見抜いた。自分は ただ巻き込まれた被害者なのに声を荒げず、そして清純な心を持ち続けている点も和音こそ少女漫画ヒロインっぽく感じる点である。


た幾つかの「少女漫画あるある」の変則的な使い方も印象的だった。登場順で言うと、遊園地で一番大切な乗り物である観覧車に乗るのは ちなみ と和音だった。ここで分かりやすくヒーロー役と一緒に乗らないで、まず家族愛や友情を成立させることを優先させている点に作者の知性を感じる。そして体育祭(練習)での お姫様抱っこ。この場面を見て、和音こそヒロインじゃないか!と強く思った。主人公である ちなみ の役割が騒音の排除だけというのも本書らしい。こういう変則的な名場面の後、男女4人の間に垣根が無くなった後に、イヤホンの共有があるのが一層 効果的に思えた。恋愛要素に飢えていた読者が歓喜する供給である。この時間的余裕は、作者が これまでの作品で人気と実力を出版社側に認められた結果であろう。急ぎすぎない正しい歩幅に またまた好感を持った。

観覧車という密室での会話が相手との心理的距離をグッと縮めるのは、男女の場合と同じである。

シンデレラも義姉も孤独な魂を持っていたからこそ共鳴し合った。異邦人である ちなみ が この地を安息の地と思えるところで『1巻』は終わる。果たして彼女が育む友情と そして恋愛は何をもたらすのか。せっかくシンデレラと心を通わせるルートに入ったのだが、女性同士の友情の大敵は恋愛である。恋愛が また新しい破滅フラグを発生させてしまうのではないかと心配である。

本書の同じマンション内という設定は 南塔子さん『テリトリーMの住人』を連想した。この本も『1巻』の段階では主人公は完全な異邦人で、自分の知らない世界に足を踏み入れる大変さが描かれていた。


人公の ちなみ は父に騙される形で転校を余儀なくされる引っ越しを容認した。だが そのマンションには父親の再婚相手も住んでいた。住環境の改善だけでなく父親には私欲があったようだ。親の都合に巻き込まれる形になったが、ちなみ の方にも転校をすることは望んでいた心機一転の またとない機会でもあった。

再婚相手には ちなみ と同じ中学3年生の娘がいるらしい。だが心の整理がつかない ちなみ は その母子が挨拶に来ても顔を出さなかった。再婚自体は容認するにしても、父が自分の都合を優先したことが多感な年頃の ちなみ には複雑なのだ。
しかも ちなみ は実の両親の離婚の時に、浮気をした母親ではなく残される父親を選んだ。そんな父親と祖母と一緒に暮らしていたが、祖母は去年 他界し、家族が たった2人きりなった途端に父親は新しい「家族」を設けようとしている。変わり続ける家族の形。そこへ再婚話が舞い込み、ちなみ が自分の存在価値を踏みにじられる気持ちがして当然と言えよう。

ただ父親も自分の失策を理解できる冷静さと聡明さを持っており、娘の反対を押し切ってまで この結婚話を性急には進めないつもりである。しかし ちなみ にとっては娘に全てを一任するのも責任の押し付けのように感じられた。

そこで ちなみ は父親の再婚相手の家族が本当に「家族」になれるかを自分で見極めることにした。早速 ちなみ は相手宅に乗り込む。彼女の思い切りの良さと「観察」をすると言う目的が行動力に繋がっているようだ。


が再婚相手(候補)の家から出てきたのは、その家にはいないはずの男性だった。中には2人の男性がいて、その内の1人は ちなみ を睨みながら家を出ていく。
母親は不在で娘と2人きりになる。同じ年のその子は和音という名前で、第一印象としては内気で弱気と言ったところか。

和音の説明によると家にいたのは和音の家のお隣さんの相馬兄弟だと言う。
家を出た ちなみ を待っていたのは その相馬兄弟。兄は1学年年上の高校1年生の奏多。弟は同じ年の雄大。兄の方は愛想が良いが、弟は ちなみ の父親のことを不安視したり、攻撃的な言動に出る。再婚相手の家族として「観察」されているのは ちなみ も同じなのだ。

その夜、改めて2組の親子は対面し、実母とは違う印象を和音の母に抱く。だが それは決して嫌な感じではなかったようだ。ちなみ は自分の嫌なことは ちゃんと口に出すだろうから、それがないということは合格点なのだろう。


校した ちなみ を待っていたのは同じクラスにいる雄大だった。しかも隣の席になるが、雄大は ちなみ と机の距離を取る。そして和音は別クラスのようだ。

その学校では翌週に飯盒炊さん の課外活動があるが、その班分けで転校生の当然 ちなみ は孤立する。その孤立は ちなみ に前の学校のことを思い出させる。どうやら前の学校では同調圧力が酷く 友人関係が上手くいかなかったようだ。

飯盒炊さん で ちなみ は1人で黙々と料理を作る和音を発見する。どうやら同じ班の女子生徒は料理の出来る和音に何もかも任せて遊んでいるらしい。和音に ちょっと料理法を注意されたことで臍を曲げたらしい。そして和音は単独行動が好きそうだから、と孤立させられていた。

だが自分の経験から そうやって一方的に決めつけられる辛さを知っている ちなみ は その女子生徒たちに強く反発する。ちなみ の強気な発言と、騒ぎになりそうな雰囲気を察した雄大のアシストで その場は収まる。


うして和音は助かったが、ちなみ の気の強さばかりが悪目立ちし、転校早々 ちなみ は周囲から距離を置かれてしまう。またも孤立する学校生活の帰り道、先を歩く和音の姿を認めるが、話すこともないので ちなみ は遠回りをする。

河川敷を歩き、広い視野から自分の新しいマンションを見ると、急に自分の不自由さを自覚することになった。

すっかり遅くなって帰宅すると、和音と そして相馬兄弟がいた。食材を買いに出た父親が和音に会い、夕飯は1人で食べると言う和音の話を聞き和音と、和音の心を軽くするために相馬兄弟を誘ったという。そこから焼肉パーティーが始まる。
ちなみ一家の部屋に入ったことで相馬兄弟は それとなく家の中を観察する。攻撃的な雄大だけでなく、奏多も抜け目なく小姑のようなチェックを怠らない。
そして それが和音のためだと ちなみ は理解する。兄妹みたいに育った彼ら3人には「妹」の幸せを考える兄がいた。そして それが1人っ子で異邦人の ちなみ には自分と和音との差を痛感させられることとなる。

父親は若者4人が1:3に分かれていることを察し、次は遊園地に出掛けることを提案する。父親が完全に鈍感な人間ではないのに救われる。彼も ちゃんと再婚相手との生活が出来るという彼なりの目途がついてから手順を踏んだのだろう。


うして何とか ちなみ父子・和音母子・相馬兄弟の計6人での遊園地での1日が始まる。

だが開始早々 雄大に、ちなみに友達がいないことを気にした父親から執拗に誘われたと聞かされ、ちなみ が和音にも友達がいないと返答すると、その言葉を和音本人の前で言うなと雄大は気色ばんできた。和音一家を観察するつもりが、見えてきたのは、どこまでも噛み合わない自分と周囲という現実。こうして ちなみ は どこまでも孤立し、1人で遊園地の乗り物を回る。攻撃的すぎる雄大は奏多に たしなめられるが、奏多にとっても重要なのは和音なのは変わらないだろう。

和音は ちなみを迎えに来るが、そこで ちなみ の前の学校の女子生徒たちと遭遇し、ちなみ は嫌味を言われる。それにしっかり反論するちないと一触即発になるが、和音がちなみを強引に彼女たちから引き剥がす。

そうして和音が向かったのは観覧車。少女漫画で一番 大切な乗り物ですね。そこで2人の姉妹(予定)は そこでゆっくり2人きりで話す。和音がちなみを助けたのは飯盒炊さんの恩返しでもあった。だが ちなみ にとっては和音を助けたのではなく、ハブられた自分の過去と重ねて、言いたいことをいっただけ。それでも和音には ちなみ の言葉は刺さった。ちなみ が和音を同情から庇ったのではなく、自分に本心で語りかけてくれたことが和音は嬉しかったのだ。

これは逆に かつて周囲から反発され、上手くいかなかった過去を自分を和音が認めてくれたということでもあった。そのことがちなみには涙が出るほど嬉しかった。


が2人の距離は一気には縮まらない。お昼休み、ちなみ は1人でご飯を食べる和音を見かけるが、声をかけられない。そして和音が いい子なのに孤立していることを ちなみ は疑問に思い始める。

どうやら和音の孤立の原因は相馬兄弟にあることを ちなみ はクラスメイトから聞かされる。特に兄の奏多も同じ学校にいた昨年度は、学校の人気者である兄弟に守られる姫ポジションに収まる和音を快く思わない女子生徒が多かったようだ。だから相馬兄弟を好きな女子生徒は和音と距離を取り、そして和音に関わると自分にも害が及ぶと言う可能性から相馬兄弟を好きではない女子生徒も和音に関わらなくなるという負の連鎖が発生した。

そうして ちなみ が雄大を観察してみると、確かに女子生徒の人気は高そう。陸上部のエースである雄大は彼の部活を見守るファンも多数いると言う。

そんな雄大が活躍する体育祭が近づく。確かに雄大は足が速く、ちなみ も彼の練習風景に一瞬 見とれてしまう。その練習環境を整えるのに和音は またも便利に使われており多忙。だが無理が祟り、熱中症になり倒れてしまう。

それを目ざとく発見した雄大が、和音を抱えようとするが、それだけで女子生徒から羨望の悲鳴が上がる。雄大にとって女子生徒の監視の目があるから和音と喋ることもままならないことは以前の場面から察せられる。和音の孤立を知りながら、彼が手を出すことが孤立を深めるから、何もできない もどかしさを雄大は抱えているだろう。

そんな色恋しか頭にない女子生徒に対して代わりに怒るのは、ちなみ。歯切れの良い啖呵で女子生徒を一瞬にして黙らせる。「干からびてろ」なんて少女漫画の主人公からは絶対に聞かれない一言だなぁ。やはり ちなみ は、多作品であるなら歯に衣着せぬ物言いをする友達枠に登場しそうな感じである。

完全にヒロインの友達ポジション。おとぎ話の お姫様になれない子は どうやって恋をするの?

音の孤立の原因が雄大にあると知った ちなみ は雄大に敵意を燃やす。それは ちなみ が和音を心配し、距離を縮めたい、仲良くなりたいと言う気持ちの表れでもあった。

そんな ちなみ の「干からびてろ」発言は雄大に彼女が和音の敵ではないと思わせるには十分だった。女子生徒の前ではクールな雄大だが、ちなみ の言動を思い返し破顔一笑する。
和音も倒れていても ちなみ の発言は聞こえてたらしく、思い出し笑いをする。どうやら この発言は この「兄妹」のツボに入ったらしい。

そこから雄大は ちなみ に対して軽口を連発するようになる。

そんな娘の人間関係の変化を感じ取ったのか、父親は これから夕食を和音母子と一緒に取らないか、という提案を ちなみ にする。それは父親が当初から考えていた段階的な融和作戦の一つらしいが、ちなみ はそれを了承する。

早速、夕方 和音の家を訪れるが、和音は これから買い物に出るところだった。ちなみ は この時 初めて和音の家の中にあがり、リビングに置かれた仏壇の中に どこか和音に似た父親の遺影を見つける。どうやら和音は父親とは死別したようだ。離婚ではなく死別だからこそ相馬兄弟も和音に一層 優しくなったのだろう。


めて2人で買い物に出ようとすると、マンションの廊下で相馬兄弟の母親と遭遇し、そこで相馬家での夕食に招待される。この回で相馬家の両親は初登場となり、母親は溌溂としているが、父親は普通の中年。息子たちも いずれ こうなるのだろうか…(笑)

初対面の人もいて、1人だけ異邦人の ちなみ は大人しい。雄大はそれを茶化す。そして「干からびろ」という発言で和音は大笑いする。帰宅した奏多が それを見て、この「姉妹」が仲良くなれそうな気配を感じる。こうして奏多も敵対モードを緩める。仮想敵だと思っていた人も話してみれば味方になれる可能性を秘めている。

食後、和音と奏多はホラーゲームに熱中するが、ホラーが苦手な雄大は一足先に逃亡。それに付き合わされていた ちなみ もギブアップして奏多の部屋を出る。そこで雄大が自室でくつろいでいるのを発見する。だが そんな彼らに和音たちの絶叫が襲う。

そこで雄大はイヤホンで音楽を聴き、またも一足先に逃避。それを羨ましく思う ちなみ に、雄大はイヤホンの片方を渡す。少女漫画名物、イヤホンの共有が自然な形でなされていてキュンである。そしてこの時、雄大が嫌がることなく ちなみ にイヤホンを差し出しているのも、2人の間に敵対心が無いことの証明のようで またキュンである。

雄大が音楽プレイヤーで聞いていた曲は ちなみ も大好きなバンドのものだった。そして好きな曲も同じで2人に共通項が見つかる。そうして嬉しさを分かち合う2人だが、ちなみ は雄大との距離の近さに気づき、恥ずかしくなる。

だが翌日、学校で雄大が そのバンドのアルバムを貸してくれて、ちなみ は彼への警戒心を一層 解く。しかも雄大から今日 一緒に帰れるか聞かれ ちなみ は急に緊張する。そのまま放課後になるが、ちなみ は嘘をついて赤面しながら逃亡する

嫌な人間という色眼鏡を外して見る雄大は、単純に いい男なのだろう。恋愛の準備は整った。