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猫田のことが気になるのは私だけじゃない⁉ というか私以上に気になってない⁉

猫田のことが気になって仕方ない。 6 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)
大詩 りえ(おおうた りえ)
猫田のことが気になって仕方ない。(ねこたのことがきになってしかたない。)
第6巻評価:★★★☆(7点)
  総合評価:★★★☆(7点)
 

顔が猫にしか見えない同級生・猫田のことが気になって仕方ない、みっきーこと未希子。本当の顔が知りたくていろんな作戦を考えるけど、謎は解けないまま、卒業式をむかえることに…! 大切な友だちとの別れ、新しい出会い、そして、猫田の素顔にせまる手がかりが!? ますます目がはなせない中学生編、スタート!!

簡潔完結感想文

  • 卒業式。別れを意識して改めて周りの人たちの大事さを感じる みっきー。特に猫田。
  • 中学校入学。猫田の姿を見た途端、クラスメイトの反応がおかしくて…。デジャブ?
  • 猫田の不可思議さに混乱する千砂。でも彼を知る度に惹かれていく自分にも気づき…。

新たな出会いが新たな謎と展開を呼ぶ 6巻。

猫田の中学の進路がどうなるのか、で終わった『5巻』の続き。

緊張と緩和。
みっきーと猫田と学校が別れてしまうと思わせるセリフのあとの否定。
安心感とともに無駄に巻をまたぐな!と逆ギレ気味に怒りが湧いてくる。

ただ、それは みっきーも同じ。
これまで考えてもみなかった猫田との別れが現実として急浮上し、
そして変わらずに同じでいられることに安心する。
それは別れたくなかった自分の本心の気づきでもあった。

そういえば『1巻』で みっきーはクラスメイトとの関係も「長くてせーぜー1年間のつきあいでしょ」と思っていましたが、
進級に際しては、みっきー自身からはその問題が浮上してきませんでしたね(担任が転校の有無を聞いてたましたが『5巻』)。

考えもしなかった、考えたくなかったというのもまた みっきーの毎日の充実の証拠でしょうか。

仲良しの友だち5人組の中では春菜(はるな)が私立の名門女子校に進学することに。
猫田も嘆いていたとおり、貴重な みっきーのブレーキ役・叱責役がいなくなってしまいました。
まぁ、読者としては猫田の顔同様に みっきーの暴走にも慣れた感じがありますが。

春菜との別れを惜しんで みっきーは自発的に寄せ書きを募ることを計画する。
これもまた1年前の彼女では考えもしなかったことだろう。
密度の濃かった小学6年生もこれで終わり。
このまま中学生編に突入します。

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1年間を振り返って自分の生活における猫田の重要性を再認識する みっきー。
中学校は、みっきーたちの学校と隣の小学校の2校から半々ぐらいの割合で生徒が集まってくるらしい。

みっきーの新クラスには猫田とマチャコ、
そして小学生編で登場した、おだんごちゃん こと笹井さんとメロス役の葛西が集まった。

別の学校に行ってしまった春菜と、クラスが別れた ゆっけ の枠が埋まったという感じか。
ということは、いづれ入江枠のモテモテ男子が出てきたりするのだろうか…(笑)
ちなみに入江は番外編で元気にナルシストな姿を見せてくれてます。

そして新キャラとして実家がラーメン屋の松崎 千砂(まつざき チサ ← なぜかカタカナ表記)が登場。

中学生編の序盤はこの千砂が重要な役どころを担う。
というのも、なんと千砂は猫田の顔が、猫に見える人なのだ!!

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ちょうど1年前に同じようなリアクションをしている人がいたような…。
千砂の困惑などは1年前に みっきーで時間を掛けてるから、かなり割愛されてます。
その代わり みっきーが「猫田学」の先輩としてこれまでの研究を伝授している。


これまでも猫田問題 → 学校イベント → 猫田問題と順々にお話が展開してきましたが、
今回は卒業・入学に続いての猫田問題といつも通りの順番なのだが、。
そこにこれまで前例のないアレンジが加わっている。
まさか猫田が猫に見える人「猫変換」が起きている人がもう一人出てくるとは思いませんでした。

みっきーと猫田が、何らかの運命の人だからこそ起きる現象だとばかり思っていましたので、
これは予期せぬ展開で度肝を抜かれた。

そして相変わらず構成が巧みだなと思うのは、
入学の日にまず みっきーと千砂を知り合わせておいて、
その次の日に猫田と千砂を初対面させて、問題を起こしているところが上手い。

みっきーが名前を憶えて、名前で呼ぶ仲良くなるイベントを先に起こすことで、
千砂に「猫変換」が起きることが判明しても、先に二人が仲良くなっているので会話がスムーズに成立している。


更にこの千砂は、猛スピードで みっきーの現状を抜き去ってトップランナーになっていく。

千砂は離婚した父親のこともあって男嫌いをこじらせている。
なので、猫田のことも敵視しており、気になってるというよりも単純に「猫変換」が自分の身に降りかかってきたことに悩まされていた。
千砂は1年前の みっきーとは違って、出来るだけ猫田のことを避けていたい人である。

が、避けても一緒になってしまう運命なのか、みっきーと仲良くなったのが運の尽きなのか、
入部希望の家庭科部でも、遠足の班でも猫田と一緒になる千砂。

だが、一緒の時間を過ごすうちに、みっきーが言う猫田の「いいヤツ」の部分も理解する千砂。
更にはシングルペアレントという家庭の共通点もあって急接近。

猫田のことが気になって、頭がいっぱいになって、顔が真っ赤になってしまった千砂。
みっきーよりも先に、猫田への好意を自覚した瞬間に…。

なんと「猫変換」の呪いが解除されるという驚きの展開の速さ。
「猫田学」において後輩だったはずの千砂が一気に先輩に昇格。
今までみたいに一瞬だけ人田(人の顔状態)に戻るのではなく、もう「猫変換」されなくなったというから驚き。

そして呪いは解けるという前例を作ってくれました。
『6巻』はこうした猫田学のデータが山積みの巻である。


そして、この騒動で猫田の精神のイケメンっぷりが際立っております。
これは別の意味での(異性としての)「猫田学」の情報ですね。

肉体的にも精神的にも傷ついた時に寄り添ってくれる人。
惚れてまうやろーー!!

猫田自身も自分の顔に何かしら問題があることを気にしている様子。
確かに みっきーも千砂も当の本人に猫変換の話はしてませんね。
直接話したときに呪いがどう変化するのかは知りたいところ。
これはラスト付近まで持ち越しですかね。

葛西と何かと話す みっきーに「ぬん…」と嫉妬する猫田も読みどころ。
猫顔だけど人間臭いヤツなんです、ホントは。