《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

主に少女漫画と小説の感想ブログです

完結後だって再開したい。影野由輝、恥ずかしながら帰って参りました。

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北川 夕夏(きたがわ ゆか)
影野だって青春したい(かげのだってせいしゅんしたい)
第3巻評価:★★★☆(7点)
  総合評価:★★☆(5点)

めでたくも、前代未聞な格差カップルとなった影野&光永さん。影野のセカイはキラキラ輝き始めます。 でも、影野はあまりにも幸せに慣れていないせいで「つきあってればフラれることもある」なんて考えはじめてしまい!? 恋と友情のこじらせ大爆発☆ 胸キュン&胸アツな学園青春ストーリー、第3巻♪

簡潔完結感想文

  • 影野再臨。人の心にネガティブがある限り影野は何度だって甦る。
  • 光永家と初対面。偽りの仮面を被り、上流階級の宴に溶け込むが…。
  • 影野の明るい友達計画。彼氏も友達も自分と正反対の人がいて…。


永い眠りについたはずの私が目を覚ますと、そこはあの日から3か月経過した世界だった…。

ということで、めでたく光永の本当の彼女になってから3か月後の高校2年生の始業式の日からスタートする3巻。
進級時にクラス替えがあったが、光永とはまた同じクラス。
光永との毎日で自分がかつてないほど浮かれている事を自覚した影野は自戒の念と共に勉学や生活全般において光永に相応しい存在になろうとするが…。


3巻はギャグが冴えわたってますね。
影野自身は相変わらず空回っているけれど、周囲に見下されて影野が落ち込むのではなく、自虐が多いので、素直に笑えるし、影野を応援したくなる。

私が特に好きなのは光永家との初対面の回(光永父は出張中、実はこれ伏線)。
光永家族全員が影野の容姿や言動を嘲笑することなく、逆に影野の言動で笑顔になっていくというスタンスなのが良かった。
そこで影野はあまりに出来過ぎた家族像に引け目を感じるのだが、それを一笑に付す光永母の言葉は胸を打つものがある。

この回での影野はシンデレラである。
前に影野はシンデレラではないと書きましたが、この回だけは限定的に彼女に魔法がかかる。

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素顔を覆い隠すほどのメイクをすれば影野もこの通り。
といってもメガネを取ったら実は美人とか、少しのメイクで劇的ビフォアフなどの典型的な変身ではなく、光永姉による特殊メイクに近い魔法がその素顔を覆い隠すのだ。
そして秀逸なのは可動域を超えると解けるシンデレラの魔法の描写。
それはまるでホラー。
けれどそれが、その後の幸福な場面と繋がるというジェットコースター的な展開。

ちなみに影野は自分じゃ(特殊)メイクが出来ないので、もうこんなには綺麗になりません。
他の人に別人と認識される、正体不明のお助けキャラという使い方も面白かったかも(姉必須ですが)。


そしてクラス替えでイジメの首謀者・雨宮麗奈も影野たちのクラスメイトとなっていた。
この巻で影野は麗奈に対してある意味で復讐を果たす。
危機的状況に陥った麗奈の前で、影野はその救出の前にしっかりと過去の恨みつらみを思い出し、彼女を威嚇し委縮させる。

ここは性善説の如く身体が勝手に動く展開じゃなくて良かった。
ネガティブを維持してこその影野だ。
私としては不本意なことに、麗奈とはこの後も親交を深めますが、彼女が根本的に性格が悪いまま、というのが面白い関係ですね。


『3巻』でもキス未遂描写がありましたが、影野はこの後しばらく無意識的に光永のキスを避け続ける。
キスを避けるといえば、なんとなく付き合った当て馬的彼氏がキスしようとすると女主人公がとっさに拒否してしまい、男に「そんなの俺たち付き合ってるって言えるのかよ!」とキレられる。
そこで女主人公の本当の想い人が発覚するという場面に使われますが、まぁ影野にそんな別の心などあるはずもない。
それが光永にとって生き地獄なんだけど…。
この後、光永はしばらく悶々とします。
光永は相変わらずやられ役がお似合いです。

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光永さんを助けるためならば、この身だって捧げる覚悟なんです。
ちなみにこの世界、体重なんて存在しない、と思った方がいいですね。
『2巻』での屋上からぶら下がった影野、そして『3巻』でのトラックの風圧で舞いあがる影野、釣り竿で釣られる影野、自分より大きい女子を持ち上げる影野(憎悪パワーなので一番現実的か)。
ツッコミありきのギャグ回、どんどん振り切ってもらいたい。