《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

主に少女漫画と小説の感想ブログです

5日ぶりの感想文ですって⁉ 少しはわたしに興味を持ちなさい!

f:id:best_lilium222:20200417195756j:plain
遠山 えま(とおやま えま)
わたしに××しなさい!(わたしに しなさい! または わたしにバツバツしなさい!)
第13巻評価:★★★☆(7点)
  総合評価:★★★(6点)
 

切れて…しまった…私と時雨をつなぐ糸が…。
自分の心がわからなくなってしまった雪菜は、時雨とすれ違い続き。傷つけたことを謝ろうとしたが、さらにつきはなされてしまう。いっぽう、マミに執着する氷雨は、晶とマミの急接近に嫉妬。雪菜を巻き込み、大暴走して…。五角家計はますますヒートアップ⁉

簡潔完結感想文

  • 雪菜、昏倒。暴力事件は大病院一族の手によって眼鏡代で闇の葬られた。
  • 困った時はマミは晶に、氷雨は雪菜に助けを求める。関係性は泥沼化⁉
  • 物語に没頭するあまり自分を見失う雪菜。彼女の心はどこにあるのか?


氷雨の暴力行為は事件・事故両面から捜査進められ、雪菜の振る舞いは過失か故意かを問いただされる13巻。これは恋⁉


マミに無理矢理近づこうとする氷雨に対しての晶の挑発発言が氷雨の逆鱗に触れてしまい、氷雨は晶に殴りかかる。
その間に割って入ったのは女王ならぬナイト雪菜。
地面に倒れ込んだ彼女を氷雨は父親の経営する病院に運ぶ…。
男たちの争いに割って入る勇敢な女性主人公。
これは丸ごとユピナの小説に使えそうな設定ですね。
氷雨は沸点が低そうだとは思ってましたが、まさか殴り掛かるとは。
弱い犬ほどよく吠えて、弱い犬だから自分を見捨てなかった雪菜に懐いてしまうのかもしれません。
氷雨にとって雪菜は時雨への駒の一つであり、良き相談者であり、そして…。
本当に四角で固まり始めた物語の枠を無理に五角形に広げてくれる物語の功労者です。
暴力にはドン引きですし、報われなさが憐れを誘う人ですが。


この病院の場面で初登場するのが時雨父。正確には義父か。そして氷雨の実父。
あの時雨をも委縮させる存在なのでどれだけラスボス感溢れる人物なのかと思いきや、意外にあっさりとした風貌。
イケメンには間違いないのだが、年齢不詳。というか絵力や威厳がまるでない。
果たしてお幾つなのでしょうか。
少なくとも15歳の実の息子はいるんですよね。
以前出てきた29歳の幼稚園の先生よりもお若く見えます。

f:id:best_lilium222:20200629193331p:plainf:id:best_lilium222:20200629193327p:plain
初登場の北見父。実はマミと同じで初登場時が活躍のピーク。あとは下降線…。
そして父の欠点はその頼りなげな容貌だけではない。
息子の暴力を謝罪する言葉の中に優等生の時雨と劣等生の息子を比較する言葉を放つ教育の間違いを雪菜にすぐに指摘されてしまう院長先生。
なんだか小物感がしますね。さすが氷雨の実父だ。


もしかしたらこれも後述する雪菜の性格的な欠点なのかもしれませんが、雪菜は氷雨の行為を根に持たず、彼に恐怖心を感じずに以前のまま接する。
こうやって自分のしたいようにする天上天下唯我独尊の感じは彼女の長所でもあります。

雪菜は氷雨を嫌うどころか病院に一泊した際に個別に見舞いに来た氷雨の優しさに胸を高鳴らせてしまうのだった。
もしかして雪菜は、彼氏など特定の人ではなく、その行為自体にドキドキするのではないか、それが彼女の特性なのではないかという問題が浮上する。


ここにきて物語の根幹を揺るがす、雪菜の心の問題が浮上する。
これまで私がずっと気になっていた雪菜への倒錯ともいえる小説と現実の世界の混同すらも雪菜の在り方の問題だったとは驚かされる。
じゃじゃ馬の馬力で引っ張っていった物語の前提すらひっくり返されるとは思わなかった。
これは本当に作者の手で踊らされていましたね。私は孫悟空でした。
散々文句言っていた部分を削除したいぐらいの赤面の至り。
ちなみに私は完読してから感想を書いているですけどね…(恥の上塗り)。

f:id:best_lilium222:20200629193538p:plainf:id:best_lilium222:20200629193541p:plain
構図の反転。ずっと違和感のあった雪菜の高圧的な態度にも理由があった…。
過激な描写はともかく、良質なストーリーテラーの作品を読んでいるではないか、と小中学生のための作品として優れていると薦めたいぐらいかも。
物語の冒頭こそ女王様と奴隷の関係だったのに、それが徐々に変化していって一見ハイスペックな人々の不器用な一面が垣間見れるとは思わなんだ。
雪菜のアレな行動の数々や、肉体面での接触や自分を好きだという男の前で違う男の名前を出すデリカシーの無さも全てを内包する雪菜の内面世界の欠落。
物語がカタルシスを得そうな予感と共に俄然この漫画に興味が湧いてきた。
キャラと構成の両面から物語を牽引するので全く飽きさせないのは一漫画読者として好感を持つ。


細かい点としては晶がビジュアル的に幼くなりましたね。
目がどんどんと大きくなっていっている。
これではマミと変わらない。似た者カップルになっていく。

そしてマミは氷雨にいじめられながらも、その関係性はマミが一つ年上ということもありお姉さんと弟という感じですね。
Sキャラではあるけど、やり過ぎると後悔する氷雨
そんな氷雨を優しく包み込んでいる様子には母性すら感じる。
実母のいない氷雨にとってはそんな幻影も追い求めているのかな?
マミがこんなに好感度の高いキャラクタになるとは思わなかった。

あとメガネの修理代高すぎない?
やっぱり家のでかい氷室家は北見家に負けない資産家なのかもしれない。
そして雪菜にメガネの予備はないのか。
心の壁、ATフィールドとしての機能もあるのに一つしか持たないなんて危機意識が低い。