《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

少女漫画と小説の感想ブログです

真のヒロイン 水野マミたん。わたしの恋の結末は みんなが小説にして投稿しなさい!

わたしに××しなさい!(19) (なかよしコミックス)
遠山 えま(とおやま えま)
わたしに××しなさい!(わたしに しなさい! または わたしにバツバツしなさい!)
第19巻評価:★★★☆(7点)
  総合評価:★★★(6点)
 

みんなの前で秘密を明かした雪菜。恋のために小説を捨てる決断をするが、時雨から考える時間がほしいといわれて…。ミッションから始まった恋の結末はーー!? マミたちの三角恋愛&激甘注意な2つの番外編も加え、大人気ラブ完結!

簡潔完結感想文

  • 一度、雪菜と距離を取る時雨だが母の声に背中を押され、父の声は一蹴して…。
  • 両想いのラブ、観覧車でのキス。あんたたち いつまでも幸せに暮らしなさい!
  • 番外編。追って追われて恋のトライアングル。最終巻だけど結末は持ち越し。


わーい、傲慢で横柄で勘違い甚だしい雪菜(ゆきな)ちゃんが ちょっとだけ戻ってきたーー!! の最終19巻。


ユピナの小説を完読することによって、これまでの雪菜の想いを受け取った時雨(しぐれ)。
これまで2回も子育てに異論を唱えられ苦手意識があるからか雪菜とは関わらないよう忠告する父の声に反逆して時雨は雪菜のもとに走る...。

ってか北見父、弱っ!!
ラスボスの雰囲気と性格の悪さを醸し出しながら、中学生に青ざめる最弱キャラでした。
温厚そうに見える雪菜父より保育園のあの先生より弱い。
そんな へたり込む北見父の後ろでガッツポーズをする時雨母。
彼女にとっては実の息子の自分の意志による反抗で、夫の悪い所を直してくれる一挙両得の展開ですね。

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最後まで言い返されると二の句が継げない北見父の防御力の弱さが際立つ。
一方、変な威圧感を出したのが雪菜父。
そういえば雪菜父もなかなか目つき悪いですね。
そして、この漫画の男たちの最強手段は恫喝であることが判明。
雪菜父といい晶といい、目で牽制して物事を解決しています。


行方不明の雪菜の思考をトレースすることで彼女を探し当てた時雨。
雪菜はメガネを失くし他人の視線の恐怖と闘いながらも自分の一番大切な人に駆け寄る。
どんなものよりも大切な存在と口づけを交わす二人だった…。


大団円ですね。
漫画としては当初の構想通りに描き切ったのかな。
人気が出なければキス一つで終わらせられるので便利ですよね。
氷雨登場によって雪菜のユピナとしての至らなさまで炙り出されたのは良かったが、恋愛漫画としては冗長になってしまって一長一短かな。
時雨と晶との三角関係で終わらせてもスッキリしたかも。
特にメインの読者層が精神的成長の早い10代前半の女子ですと漫画より現実の方が大事という、雪菜とは逆の現象も起きかねませんからね。
だからこそここまで続いたことが人気の証しかもしれませんが。


気になることの一つとしては、ユピナの小説の方があまりにもご都合主義な終わり方だったことですかね。
自分の命か女王として守るこの国かの二者択一の選択を迫られる展開がキス一つで解決してしまってました。
これまたツッコむところではないですが、生態系とか溶けてしまった氷の城とか、それでいいの?と思うバカ真面目な私です。


もう一つ気になるのはマミの恋の行方。
兄の時雨と同じように好きな子を一日中探している氷雨(ひさめ)は、マミから呼び出された屋上で晶を発見する。
氷雨の雪菜に対する仕打ちを許せず、今度は晶がマミを使って氷雨に精神的苦痛を与えると宣言。
顔色一つ変えずに脅迫し相手を痛めつける様子は雪菜のナイトというよりもアサシンといった感じか。
氷雨にマミの居場所を教え、彼は駆け出す。
この時点では晶は脅迫者ではあるものの、恋のキューピッドのようでもありますね。

マミと出会った氷雨は好きよりも言えなかった言葉を発する。
大人になった氷雨は、時雨にしても晶にしても意外と強力なライバルかもしれません。
氷雨までいい意味での反抗期を迎えますます居場所がなくなる北見父ですね。
15年後には息子たちの手によって院長室から追い出されてるでしょうね(笑)
育て方を間違えたのは父親の方ですからね。

ちなみにマミの三角関係の様子は番外編でも読めます。…が、決着はつきません。


「Extra Misson.1 マミのクリスマス大作戦」…
クリスマスにどうしても晶と過ごしたいマミだったが、どうやら晶には雪菜ではないクリスマスを過ごす大事な人がいるみたいで…。
どちらにも なびく気がある魔性の女・マミ。
雪菜に続き、自分を巡る恋の三角関係。
マミもラブの迷子になってしまったようだ。
晶からの恋のベクトルはすっごく短いですけどね。
しかし晶もあれで負けず嫌いだから氷雨に挑発すればするほどマミに固執する可能性が高い。
これからはマミの髪留めのピンの数がどんどん増えていくかもしれない。
決着はつかないので、マミが主人公の漫画の漫画の結末は読者が創りなさい!

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こちらの三角関係は決着つかず。真のモテモテ ヒロインはマミたんなのですぅ☆
「Extra Misson.2 私と新婚ごっこをしなさい!」…
中学の卒業旅行として向かった北見家の別荘で1日を過ごす雪菜と時雨。だがその夜に時雨はケダモノになり…。
中学生の身で婚前旅行、ご両親は何も言わないんざますか?
両想いになってしまうと作品としては「xしな!」ならではの勢いがありませんね。
激甘のドルチェ先生の小説みたいになってる。
雪菜はちゃんとユピナとして小説が書けているようですね。
構想中の新作が事故による記憶喪失で離れ離れになってしまう男女の話だからって、時雨と別れたり、事故に遭ったりしませんように…。
この別荘からの帰り道、事故に遭った雪菜と時雨はお互いのラブを忘れたまま別々の高校に進学する。
ある日、ユピナの新作小説の広告を街で見かけた時雨は、頭に痛みを覚える。
オレにラブを教えてくれた人がいたような…。
フフフ、これで「xしな!」はあと10巻は戦える!