遠山 えま(とおやま えま)
わたしに××しなさい!(わたしに しなさい! または わたしにバツバツしなさい!)
第2巻評価:★★★(6点)
総合評価:★★★(6点)
女王様・雪菜の命令に、従順なシモベのふりをしながら反逆を企む時雨。でも、そんなことは雪菜を見守る騎士(ナイト)・晶がゆるさない! そんな中、雪菜のケータイ小説ランキングが2位に転落。首位奪還のため雪菜は、もっとドキドキしなきゃいけなくなって――!? 大好評の番外編「雪菜のお姫様大作戦」やキャラトークも収録&ユピナのケータイ小説『悪魔でリフレクション』の設定資料もついてくる、超お楽しみの第2巻!!
簡潔完結感想文
- いとこの晶、参戦。「ボクが雪菜ちゃんの恋人になる」。女王を巡る三角関係。
- 心理戦の効果覿面。勝ち誇るはずだった時雨だがなぜか雪菜のもとに駆け寄る…。
- 甘く切ないだけが恋ではない、苦くて痛いのも恋。近づけば遠ざかる2人の距離。
早くも女王の氷の心は溶けているんじゃないか疑惑が出てくる2巻。
『1巻』で感じた「DEATH NOTE」と見紛うばかりの手練手管の限りを尽くした主導権争いは鳴りを潜め、はたから見ればイチャラブこいてるとしか思えない展開の連続。
主題はラブであって、どちらかが「告らせたい」漫画じゃないんだから、今巻の様な展開こそが通常運転なのでしょうけど。
ただ雪菜が時雨に甘い言葉を囁かれると思考が停止してしまい、簡単に時雨の術中にはまってしまう展開はちょっと物足りなく思う。
早くも雪菜は時雨に対して、女王様として在るのではなく一人の少女の顔を覗かせてしまっている。
更には中盤の「時雨だとドキドキする」という言葉がもう、本書の結論であって、あとは結論までの紆余曲折という感じがする。
これ以降の雪菜の「ラブ」の概念くんがない世界の住人としか思えない鈍感な描写で作為的に映る。
少女漫画としてはそこから生み出されるトラブルやすれ違いが楽しめるのでしょうけど。
もう、万が一ユピナの小説のごとく本書の読者人気が急落したとしても、最終回まで2話の余裕があればお話を終わらせることが出来るだろう。
そういう意味では今後は長い蛇足とも言える。
ただ、蛇足にならないためにも用意されたのが、晶という同級生で雪菜のいとこ。
晶は従順で雪菜のためなら何でもするという根っからの従属気質。
設定の面白さでいえば高慢な奴隷である時雨の方に軍配が上がるかな。
女王様はどっちが「好み」でしょうか?
どちらかを選ぶことが「ラブ」への近道となるのでしょう。
その意味では晶は比較対象であり、そして当て馬ですかね。
気持ちの純粋さは、計算高い時雨、鈍感で時に人を傷つける雪菜よりもずっと高い純度で雪菜を想っているのだけれど。
晶としての最大の攻め所は雪菜がラブを分かっていない現時点ではまだ勝機があるという点だろう。
肉体的接触や名前を呼び続けることで雪菜が晶との間にあるものこそが「ラブ」だと勘違いしてくれるかもしれない。
あくまで勘違いであるから、その魔法もすぐに解けちゃうんでしょうけど。
一方、その時雨も雪菜と同じで素顔でいる時間が長くなっている気がする。
特に少女の顔を覗かせた雪菜の言動には赤面し続けている。
何だかんだいっても二人とも結局、純粋なのでその辺りは楽しいですね。
私は素直じゃない人も、赤面する人も好きなのです。
中盤の保健室の場面では刺激的。
ブレザー脱ぐと雪菜のスタイルの良さ(特に胸)が際立ちますね。
どうなってんのこれ⁉ というアニメ的なデフォルメです。
雪菜の体形というよりも服の構造が気になる。なぜ胸の形があんなにもハッキリと出る…?
作者は女性キャラ描くのが好きみたいですね。
確かに体形も雪菜の表情にも気合が入っているのが伝わってきます。
女性や少女を理想化し過ぎると、男性オタクが行き着く先と同じ着地点なんですね。
顔がとんがり過ぎているせいか、顔が間延びして見えますよね。
雪菜や晶と違い少し小さい目が、ちょっと顔の上方に付きすぎてるのかな。
顔の作りに関して言えば、晶の方が良い気がします。
もしかしたらそうやって男性2人の一長一短のバランスを取っているのかもしれない。