- 作者: 別冊宝島編集部
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2006/02/01
- メディア: 文庫
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巻頭対談は森博嗣と西尾維新。森ミステリィとその小説作法を語りあう。庭園鉄道やこだわりのコレクションを公開し、S&Mシリーズ、Vシリーズ、四季シリーズほか全作品を詳細に解説。「河童」のコミック化作品も収録!
読めば読むほど疑問に感じてくるのは、誰に向けた本なのか?という事。もちろん答えは森博嗣のファン、だろう。事実、ファンの私も読んだ。 しかし、この本を買う(読む)森博嗣ファンにはこの本に書かれている内容に目新しいものはないように思われる。何人かのライターさんよりも、ファン歴の長い読者の方が森博嗣に詳しいんじゃないかって思う部分もあった。森博嗣自身の言葉が聞きたい(読みたいのなら)『森博嗣のミステリィ工作室』や『100人の森博嗣』がある。本の内容紹介や登場人物紹介は森博嗣の著作を読めば分かるし、本も人物の感想もライターの感性次第。確かに最初はシリーズ10冊以上にわたる、ちょっとした情報がまとめられていて新発見というか忘れていた事に気づき嬉しかったが、逆もまた然り。つまり文字にされる事で違和感が生まれるのだ。私がとらえていた内容と違うとらえ方を書かれると「そうかな?」と思ったり。読んで損は無いけれど、大いなる得も無かった…。作者・作品を深く知るという事にはならない。
冒頭の森さんと西尾維新さん対談からこの本のスタンスは決まっている。森博嗣と作品の賛美。目的が決まってるから仕方はないけれど、もうちょっと違った切り口を見てみたかった…。特に森ミステリィはフーガだ!は強引過ぎる感がある。段々、森博嗣自身から遠ざかってるし…。大体、森さんの著作の冒頭や各章の最初で引用している文献を選んでるのって出版社の編集者さんじゃなかったっけ? そうなると、この森博嗣のべた褒めも見当違いの論になっているのだ。(私の記憶違いだったら私が見当違いの論ですが…)漫画版河童はページを埋めるためか? 森絵都さんの別冊宝島もそうだったけど、なぜ漫画化するのだろう? 謎。