- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/12/14
- メディア: 文庫
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ミステリィを書く上で、影響を受けた100冊をセレクトした「ルーツ・ミステリィ100」、犀川&萌絵シリーズの自作解説「いまさら自作を語る」の他、同人誌時代の漫画、専門誌に寄稿したエッセィ、山田章博・荻野真・ささきすばる三氏が語る森博嗣像も収録。森ミステリィの魅力と秘密に迫る、充実の個人読本。
森博嗣好きは必読の本。何故か分からないけれど、私を含め多くの人が、森博嗣という作家に惹きつけられる。魅力的な作品・文章のその先、つまり森博嗣自身がどんな人か気になる存在。この本では珍しく写真を撮らせない森さんの写真が何枚か載っている。これが私が森博嗣の顔を見た最初ではないか。その時の心中は複雑だった。最後に掲載されているミステリィの十戒ではないが、勝手に作り上げた像があったのだ…。
そんな話は置いといて、この本は私に大きな影響を与えた。それが「森博嗣のルーツ・ミステリィ100」。当時の私は「北村薫」さん→森博嗣さんを読んだだけだったミステリ初心者(今もあまり変わらないけど…)だったので、これは非常に役に立った。あの森博嗣が薦めている物だったら面白いだろう、と思った。それ位、森さんは当時の私にとって絶対だった。海外ミステリィはカタカナ名が苦手な私には壁が高かったので、国内作家の作品を中心に手に入るだけ買う。それが島田荘司さん・「法月綸太郎」さん・「京極夏彦」さん・「西澤保彦」さんであったり、はたまた「ツチケン先生」との出会いであった。
他にも趣味の話・大学の話・漫画の話と森博嗣が持つ様々な側面が紹介されている。どの顔も今(2005年)より「素」が垣間見られる。森さんのプロテクトが幾分、弱い気がする。趣味の話は現在も進行している事で、この本で書かれている内容が実現しているからすごい(森軽便鉄道など(今は違う名前だよね?))小説が売れる → 読者の森博嗣への興味 → 趣味の紹介 → 趣味さえ商売 → 印税ガッポリ(笑) → 趣味の拡大、という流れが見事に出来上がっている。私的に最高なのは森さんの初エッセイ。何と森博嗣と犀川助教授・西之園萌絵が会話をしているのである!斬新。多分、今の森さんは書かないだろう作風(というのか?)貴重な一篇なのでファンこそ読んだ方がいい。というよりも、ファンしか読まない(by.森博嗣)