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われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う (文春文庫)

われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う (文春文庫)

名作「わたしのギョーザをとって食べた人へ」をはじめ「胃カメラからの生還」「妻への詫び状」「論よりだんご」「女性を徹底的に賛美する」「わたしの教えた学生ワーストテン」など、常識の垣根を取り払い、森羅万象をユーモアと諧謔で解きあかした、お笑い哲学エッセイ集。著者自身によるイラスト多数収録。


ツチケン・エッセイ第2弾。ツチケンの基本的なスタンス(詭弁・恐妻家・ジャズ好きなど)は「1冊目」にして既に確立しているので、笑いがこの方向に向かうのは承諾済みで読むのがいいだろう。また?と思って冷めてしまうと一気に面白みが減る。流し読みしないで、一文一文の文章の巧みさがツチケンの魅力である。ユーモアとは受け手に知性があって初めて成り立つ、と「森博嗣」が言っていたがその通りである。正解が分かっているから、そのズレが面白いのである。しかし時々、読む速度が上がってくると、自分で想像した展開に笑っている事がある。読み間違えをした方が楽しく読めるのである(笑)。そう考えると笑いは原因不明である。何が楽しいのか、どこが楽しいのか、よく分からないまま笑っている事がままある。読者の気分を躁状態にするのがツチケンの魔力なのかもしれない。
イギリスの留学の話が面白かった。異文化に触れたツチケン先生。イギリスからの書簡も英語をマスターする方法も摩訶不思議な面白さがある。ツチケンの笑いはイギリスで(英語で)展開されても不思議がない。むしろユーモアの方向や文章の組み立て方は英語圏のものなのかも。英語で書かれると私は読めなくなるが…。解説の方が落語のような面白さ、と書いていたが言われるとその通りである。私はツチケンの会話文が面白いと感じていたので、なるほど生き生きとおかしな方向へ喋りが進むのは落語のようだと合点がいった気がした。

われ大いに笑う、ゆえにわれ笑うわれおおいにわらう、ゆえにわれわらう   読了日:2002年12月09日