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QED 六歌仙の暗号 (講談社文庫)

QED 六歌仙の暗号 (講談社文庫)

七福神は呪われている」明邦大学を震撼させた連続怪死事件以来、その研究はタブーとなっていた。しかし、棚旗奈々の後輩・貴子は兄の遺志を継ぎ、論文を完成させようとする。そして新たな事件が!?ご存知、桑原崇が歴史の闇に隠された「七福神」と「六歌仙」の謎を解き明かす。大人気シリーズ第2弾。


知らない人名と漢字に囲まれたこのシリーズをまた読んでしまった。正直に言いますと、読むのに非常に時間がかかるし疲れる。そして見返りが少ない‥
今回は六歌仙と和歌がテーマ。そして今回もミステリの部分は余計。前作『百人一首の呪』の時も今回もダイイング・メッセージが使われているのですが(ネタバレではないはず‥)、その手法と解釈が一方的過ぎる。前作は百人一首の歌が飾られた館で、被害者が百人一首の一句を抱いて死ぬというもの。もっと分かりやすい伝達の仕方があろうに‥今回は血で文字を書くというオーソドックスなものだが解釈の仕方が「?」である。トリックや動機に関しても、日本史とそこまで深く関連づけなくても、と思うところがありました。今回も日本史の豆知識は嬉しいし、奥深い和歌の世界など学校の授業や入試では絶対に教えてくれない(不必要と考えられる)部分がとても私の知的欲求を満たしているんです。六歌仙七福神の関係も興味深く読めたのですが、やっぱりミステリと日本史の知識の抜粋の部分が巧く融合していない。一冊の本としてみた場合、不満の残る一冊でした。

QED 六歌仙の暗号QED ろっかせんのあんごう   読了日:2001年05月31日