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QED ベイカー街の問題 (講談社文庫)

QED ベイカー街の問題 (講談社文庫)

シャーロキアンのクラブ「ベイカー・ストリート・スモーカーズ」のパーティーに出席した、桑原崇と棚旗奈々がまきこまれた連続殺人事件。しかも現場にはダイイング・メッセージが。現実の事件と「ホームズ譚」の謎が交錯する中、崇の推理がたどりついた真犯人とホームズの秘密とは?好調シリーズ第3弾。


シリーズ3巻目。今回は日本史から遠く離れて、シャーロック・ホームズがテーマ。実は私、1冊もシャーロック・ホームズの本を読んだことが無いんです。だからホームズ愛好家の人たちを「シャーロキアン」というのも知らなかったですし(「名探偵コナン」に出てた気もする)、モリアーティ教授って誰?って感じで、自分で解釈つけながら読んでました。事件に関しては、今までのこのシリーズの感想と同じです。無理矢理遠回りさせていると感じざるをえない。どうも崇が奈々の前で物知りうんちくを披露したいがために、事件解決を先延ばしにしているんじゃないかと(笑)事件を一瞬で解くのは名探偵というよりエスパーですが、事件の解釈を一方向に考えるのは人間としてどうか‥今回、印象に残ったのは"When you have excluded the impossible,〜"の一文。ホームズを知らない私には初めて聞いた一文で、ミステリの名文だと思いました。これが一番の収穫かもしれません…
日本史というカテゴリを外れて初めて気がついたんですが、 このシリーズ、薬学ミステリでもあるんですね。 著者の高田崇文さんは薬科大を卒業なさってるから知識があるのは当たり前ですが、なんで、やたらと主人公・崇の漢方知識や薬品成分名が出るんだろうな〜と思ってました…。そういうことね。

QEDイカー街の問題QED ベイカーがいのもんだい   読了日:2001年06月07日