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アンフィニッシュト (文春文庫)

アンフィニッシュト (文春文庫)

東シナ海に浮かぶ伊栗島に駐屯する自衛隊の基地で、訓練中に小銃が紛失した。前代未聞の大事件を秘密裡に解決する任務を負い、防衛部調査班の朝香二尉とパートナーの野上三曹が派遣される。通信回線というむき出しの「神経」を、限られた人員で守り続ける隊員達の日常。閉鎖的な島に潜む真犯人、そして真実はどこに。


『UNKNOWN(アンノウン)』の続編。自衛隊という特別に規律を遵守する組織の中に起こる事件を描くシリーズ。シリーズ化したので、私は朝香&野上シリーズと勝手に命名。同じ自衛隊をテーマに扱いながら福井晴敏さんとはアプローチもスケールも全く違う。一方は自衛隊施設内のミステリ、一方は日本全体を巻き込む冒険小説である。どちらも自衛隊という日本において特殊な機関に言及しているところは似ているが、こちらは本格推理の自衛隊。あっ、防衛庁調査班って「ダイス」じゃないよね(笑)
ミステリの題材的には小さい謎。訓練中に小銃が消えた、たったそれだけである。しかし前回と同じく規律によって支えられている自衛隊であるから、勝手な行動はすぐに露見する。だからこそ起こった事件に対しては論理的推理をしないと真相にはたどり着かない。派手じゃないけど、その謎の解明の論理はミステリ小説の面白さそのもの。その謎を丹念に秘密裏に行う朝香二尉。完璧すぎる彼ですが、今回は彼にも試練が…。でも、相変わらず変な趣味に凝ってます。変な趣味というと変態的ととられかねないので、子供っぽい趣味と言い換えます。続編希望です。

アンフィニッシュト(未完成:改題)   読了日:2001年09月18日