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ああ言えばこう食う (集英社文庫)

ああ言えばこう食う (集英社文庫)

「口から生まれた双子座」のダンフミと「天然の饒舌」アガワサワコ。二人の才女がくりひろげる、辛辣でセキララでユーモア溢れるやりとりの数々。「食」をテーマに始まった往復エッセイはどんどん脱線し、人生の森羅万象を抱腹絶倒の喜劇に変える。女同士の友情に満ちた罵倒のなんと心地良いことか。第十五回講談社エッセイ賞受賞作。名コンビの生みの親(?)五木寛之氏との特別鼎談も収録。


タレント・作家さんなどのエッセイを読む流れというのは普通、
①あるタレント・作家さんが既に好きで、
②その人は日々どんな暮らしをして、どんな事を考えているのだろう?となり、
③エッセイを読んで、この人ってこんな暮らしで、こんな文章を書くのね。
④やっぱり面白い人だなぁ。改めて好きになっちゃった。
という流れがオーソドックスだと思いますが、この本と私の関係はこのパターンではなかった。私は阿川さんも檀さんも全くといっていいほど知らなかったのである。読むきっかけはテレビ番組だったと思うが、その番組でやたらと喋っていたおばさま二人の正体を私は知らなかった。全くイメージのつかめないまま、エッセイに突入。するとどうだろう、この悪口の数々は。自分の文章で自分を傷つける捨て身の(だけど品を感じさせる)文章は。一気に私はお二人の虜になった。
一応、設けられているテーマは悪口、ではなくて「食」。でもテーマなんてあってないようなもの。「食」から連想したエピソードを最初は書いてはいるが、行き着く先は自分の不幸か、相手への罵倒や責任転嫁。しかし罵詈雑言の限りを尽くしているのに文庫特別鼎談の五木寛之さんが仰られている通り、どこか温かく、品がある。お二人とも、とても文章が上手いと思った。エッセイで親近感と好感を持ちました。 往復書簡のタイトルも好きです。エッセイの内容を表すのはもちろん、お互いに呼応していて洒落ている。育った環境や現在の境遇は同じでも、性格や食欲・料理方法の違うお二人のエッセイは、対照的であるが故に笑いを誘う。ちなみに私が好きなエッセイは阿川さんは「愛と血だらけのキャベツ」、檀さんは「不条理なクッキー」。どちらもお二人の個性が分かったエッセイでした。

ああ言えばこう食うああいえばこうくう   読了日:2004年03月09日