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ああ言えばこう行く (集英社文庫)

ああ言えばこう行く (集英社文庫)

ご存じ名コンビの抱腹絶倒の往復エッセイ第二弾。さらにパワーアップした今回のテーマは「旅」。ふたりの波瀾万丈の珍道中と胸のすく「悪口」の応酬。お見合い相手のリサイクル(?)から中国雲南省に忘れたパンツまで、話題はやっぱりどんどん脱線し、向かうところ敵なしのおもしろさ。巻末にはTVでもおなじみの野坂昭如氏を迎えた文庫オリジナルの大爆笑鼎談を特別収録。


前作がとても楽しかったので、すぐに買って来て読みました。本書が前作に比べて変わった点はお二人のエッセイが、より「往復エッセイ」っぽくなった所でしょうか。2人の2つのエッセイで1つのお話という構成が更に活かされています。前回も書きましたが、エッセイのタイトルが面白い。2組セットで考えられているタイトルには毎度プッと吹き出してしまう。ユーモラスかつ機知に富む文章も好きな点の一つ。文章で笑わせるという作業は実に難しい。対面してたり、テレビで動きを加えれば、場の空気・表情・動作などが笑いを後押ししますが、文章だとそれがない。そのハンデをもろともせずに、罵倒という武器で笑いを乱射しています。
感想を書くために、お二人のことをかなり知ってから再読して納得したのは、巻末鼎談の野坂昭如さんのお言葉。そのお言葉は「生身の檀さんはどうでもいい」。これは私も深く共感いたします。そうなんです、私にとっては阿川さん・檀さんともに、エッセイ上の生き物(笑)とでもいいましょうか、現実感が少ない方が楽しかったりする。まぁ、私の場合、生身にお会いしたことがないから、現実感は最初から少ないですが…。 今回面白かったエッセイは阿川さんは「擬似母の心」。阿川さんが女優に初挑戦したのは森絵都さん原作『カラフル』の映画版。エッセイに出てくる子供とは(多分)今をときめくジャニーズのあのグループのあの人。檀さんは「御息所の執念」。これは阿川さんとセットで面白いんだけれど、対談への檀さんの注釈、オチを源氏物語になぞらえる所など素晴らしく笑えた。
1作目の感想に書かなかったのですが(文庫版の)表紙もすごく凝られてます。阿川さん個人の著作のイラストを担当されている和田誠さんと、檀さんのエッセイの南伸坊さんが競作しているのも見所。面白いことをしてるんだな〜、と後にお二人の著作を読み、それぞれの表紙を知ってから感心しました。

ああ言えばこう行くああいえばこういく   読了日:2004年03月13日