- 作者: 山口雅也
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/08/10
- メディア: 文庫
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
見合いの度に怪事件が発生し、破談になってしまう和風美人の垂里冴子。続編でも4回のお見合いに四つの事件がついてきた。老舗旅館に出没する幽霊の正体、肌が荒れるエステティック、七福神盗難事件、象の靴の謎。史上最も縁遠い美人名探偵の活躍が心地よい極上の連作ミステリー。好評にお応えしての第二弾。
先日、このシリーズの前の巻の感想で「ドラマ化したら面白い」「空美は室井滋さんだ」と書きましたが、調べてみると、あれは別々に当たっていたようです。まず既にドラマ化されていました、冴子は若村麻由美さん、空美は大河内奈々子というキャストだったそうです(NHKの「N響アワー」歴代司会者というのは、何かの因果か)。冴子が若村さんでは綺麗すぎますよね。そして空美ですが、作者の山口さんの中では「室井滋」さんをイメージしたらしい。この的中はちょっと嬉しい。私の「読み」が当たっていたんですもの。この本自体の感想は前巻と変わらず面白いの一言。京一くんの不運が可哀相ですが。最後の章で冴子の今後の目標が書かれていますが、どうなるやら。私は、あの人と結ばれると踏んでいますが…。次巻を切望です。出版社さんお願いします。
- 「湯煙のごとき事件」…傷心の京一を引き連れて垂里三姉弟が向かった温泉旅館。そこでお見合いをすることになった冴子。しかし、その夜に空美が湯船に浮かぶ女性を見る…。このシリーズは倒叙モノとまではいきませんが、犯人の目星はついているので解決手段と真相と姉弟の会話が読む目的の大半ですね。京一くんのシスコン度が増してるのは気のせい?温泉は入浴法を守って入りましょう。
- 「薫は香を以て」…エステサロンの研究所に勤務する男性とお見合いすることになった冴子。しかし、そのエステに通い始めた空美は心身に変調をきたす。エステに一体何が…?ミスリーディングが上手いなと思った作品。ただ動機もトリックも漠然としていてリアリティはないかな。前巻で登場した記者が再び登場。私は彼をマークしているんですが、この結果はまだ先のようです。新刊出して〜。
- 「動く七福神」…お寺から次々に七福神の像が盗まれる事件が発生する。残された証拠から考えると、犯人は京一の友人の中にいるかもしれず…。困った京一は姉に事件の解明を託す。京一青春編とでもいえる作品。日常ミステリで、さらにほんわかと楽しめる。タイトル通り七福神がキーになる短篇。高田崇史さんの作品っぽい。あちらもこのぐらい短ければ…。京一くんはいい子なのに受難の日々。
- 「靴男と象の靴」…高学歴ながら実家の靴屋を継いだ男性と見合いすることになった冴子。しかし、またもや事件は起こり…。彼の過剰なまでの靴への愛情に疑念を抱く空美だったが…。 お見合い相手が靴フェチ男という設定が上手く活かされていますが、彼の過去は相当に恐い。暗号のような言葉はロマンティックではあるが、優柔不断さと起きてしまった過ちに憤慨しなくもない。いや怒り心頭。