- 作者: 西澤保彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/05
- メディア: 文庫
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初期・西澤作品。ミステリ(例えば全300ページの作品)を読書する時の私の中でのイメージは、序盤の100ページが上り坂、中盤100ページが緩やかな上り坂、終盤100ページは下り坂という感じ。このイメージは読書スピードと自分にかかる負担(必要馬力)から連想するものだろう。どのミステリも序盤の100ページは設定や謎を理解するのに上り坂のイメージなのだが、西澤作品の序盤100ページは崖にも見える。もう競技種目が違うのだ。登山というよりもロッククライミング。けれどその分、降りるのが楽で爽快なのが西澤作品の魅力。