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夏の約束 (講談社文庫)

夏の約束 (講談社文庫)

ゲイのカップルの会社員マルオと編集者ヒカル。ヒカルと幼なじみの売れない小説家菊江。男から女になったトランスセクシャルな美容師たま代……少しハズれた彼らの日常を温かい視線で描き、芥川賞を受賞した表題作に、交番に婦人警官がいない謎を追う「主婦と交番」を収録した、コミカルで心にしみる作品集。


児童書以外で文字の大きい書籍は私に向かない。これは私の人生の格言の一つである。この手の本はいつも読んだ後に不安になる。「重大なテーマが隠されているのではないか?」と。特にこの作品は芥川賞を受賞したので、そう思う。というのも余りにも淡々と文章が綴られ、気づいた時には終わっていたのだ。
主人公がゲイである事がこの小説の大きな特徴だろうが、主人公がゲイである事に関して自意識過剰になっていない所が好き。少なからず存在する誤解や偏見に対しても、自分をニュートラルに保とうとする姿勢に好感が持てる。世間(多くの人)から少し変わっているだけで、大きく接し方が変わるという事を静かに大きく訴えている小説なのかな、と思った。だけど見方一つで誰だって少し人と違って、誰でも毎日を生きている、って事だ。まぁ、これは後から考えた感想であって、読んでいる最中は、うぅ暑苦しそうだな、この人たちとか、よく食べるな〜食費かかるだろうな〜とか、思った。多分、これが正しい読み方だろう、と思う事にする。この本はピクニックにまつわる本だ。ピクニックに行こうと約束した男女が送る毎日だ。それ以上でもそれ以下でもない。そういう小説なのだ、この本は。

夏の約束なつのやくそく   読了日:2001年05月12日