- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/01/17
- メディア: 文庫
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犯人が決して語らぬ動機加賀刑事の推理は!? 誰が?なぜ殺したのか!?超一流の「フー&ホワイダニット」 人気作家・日高邦彦が仕事場で殺された。第一発見者は、妻の理恵と被害者の幼なじみである野々口修。犯行現場に赴いた刑事・加賀恭一郎の推理、逮捕された犯人が決して語らない動機とは。人はなぜ、人を殺すのか。超一流のフー&ホワイダニットによってミステリの本質を深く掘り下げた東野文学の最高峰。
加賀恭一郎シリーズが間を空けずに登場。今まで5作おきぐらいだったから、ファンには嬉しいだろう。ファンがどんどん増えたのだろうか? 確かに、著作の多い割りにシリーズ物の少ない東野さんの代表シリーズでしょう。この作品は東野圭吾さんのターニングポイントや進化の起点と言われています。それは人間の心理に焦点を当てたからでしょう。『白夜行』などでも見られる、暗い人間の心というのが描かれているからでしょう。心理描写の名手とも言えますね。
この話の場合、焦点になるのはタイトル通り「悪意」。事件の関係者は尋問に対して一見まともな答えをしているが、どこか違和感を覚える加賀恭一郎。何がおかしいのか、人の心はどのように働くのかという事を加賀は考える。殺人事件は「動機」と「犯行」のワンセットなはず。しかし統一されない二つの要因‥このような、トリックは好きですけど地味ですね。現場はいたって普通だし、なるほどっ、と思っても世界が回転するわけではない。回転するのはモノの見方だけ。非常に緻密な構成じゃないと描けないトリックですが、やっぱり地味なんですよね。