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殺意の集う夜 (講談社文庫)

殺意の集う夜 (講談社文庫)

「嵐の山荘」に引き寄せられた怪寄な人々。そこで万里が犯したドミノ殺人。だが同時に、万里の親友の園子も、何者かによって殺されていた。園子を殺したのは、万里が殺した6人のうちの誰かのはず。複雑に絡み合った殺意の糸を解き明かし、自分が犯した罪もその犯人に着せるべく、万里の必死の推理が始まった。


『解体諸因』の感想の冒頭でも書きましたが、初期の西澤作品は妙にエログロに走っている。今の作品でもその傾向があるものもありますし、それが西澤さんの作品の特徴でもあると思います。が、私の感性を超えている。西澤さんも文庫版の解説でこの作品を「品がない」とおっしゃっていますが、まさにその通り!この作品も、悪意は無い(?)にしろ6人もの人間を立て続けに殺してしまった人が主人公。主人公は読者に好意を得るために存在するわけではありませんが、少なくとも作品の好き嫌いの判断基準の一つではあると思うんです。だからどうも好きになれない作品。設定的には面白いんですけどね。「犯人が推理する」というのは魅力的なのに、品がない…西澤さんもう一回書いてくれないかな、軽犯罪で。
ミステリ的に見てもあまり驚けなかった作品。最後の文章は驚愕のセンテンスなんでしょうが、「?」としか浮かばなかった。今までの経緯を見るとアンフェアとも思ってしまった。構成や展開が悪いと思わないんですけど、やっぱり「品」かな?今回ばかりは西澤さん特有の粘着質な文章もついていけなかった。思考をそのまま文章にするのが西澤作品ですが、ちょっと挫折気味。事故(?)とはいえ連続で殺人を犯した人の言い訳を聞かされても。

殺意の集う夜さついのつどうよる   読了日:2001年04月21日