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なつこ、孤島に囚われ。 (祥伝社文庫)

なつこ、孤島に囚われ。 (祥伝社文庫)

異端の百合族作家・森奈津子は、見知らぬ女に拉致され、離れ小島に軟禁された。だが、意外にも上機嫌だった。紺碧の海は美しく毛蟹は食べ放題で、まさしくパラダイス。彼女はこの島を「ユリ島」、向かい側に見える島を「アニキ島」と名付け、誘拐を満喫していた。一週間後、アニキ島で死体が発見された!妄想癖の強い奈津子は"とんでもない推理"を打ち立てるが…。


う〜ん、微妙。この作品は祥伝社の、テーマ競作「無人島」の4作品のうちの一つなんですが、どの作品も微妙としか言いようが無い。本の価格と質が比例するわけではありませんが、400円文庫のこのシリーズは粗製乱造という言葉が適当かと思ってしまう。他3作品のうち現在、私が読了しているのは恩田陸さんの『puzzle(パズル)』近藤史恵さんの『この島でいちばん高いところ』の2作品。どれもその作家さんらしさが無いんです。無人島ってミステリではよくある設定だと思うんですけど、ページ数が少ないと、その設定がうまく機能する前に物語が終わっていく。なんだか展開が急というか、犯人当てという作業が省略されてますね。西澤さんは、ある意味ではらしい作品なんですけど、私が読みたかったのとは違いました。
推理の仕方は、『麦酒の家の冒険』などと同じく過分に妄想の入った安楽椅子型の推理方法なのですが、誘拐されるという設定から明かされる真相まで、なにからなにまで突拍子も無いんですよ‥唖然というか、もう付いていけませんって感じです。これは評判悪い作品だと思う。笑えもしないんですよ。でもシリーズ化されてたり…。思いっきり手抜きとまでは言えませんが、身内ネタで1作、作ったって感じですね。

なつこ、孤島に囚われ。なつこ、ことうにとらわれ。   読了日:2001年11月20日