- 作者: 小林聡美
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2001/06/01
- メディア: 文庫
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結婚生活も三年目に突入したマダム小林。家事全般をひきうけながらも、一歩外に出れば女優という職業婦人である。そんなマダム小林、ある時はロケ先であわや突然死事件を起こし、ある時はストーカー銀行員と対決し、またある時は、愛するオットとカナダで激流に呑み込まれる…。慎ましやかだけど、なぜだか笑える事件続出の「マダム人生」。
ついに小林聡美もこの本でマダムになった。私はここ何年かで強烈に好きになったので、マダムになってからの小林聡美しか知りません。だから結婚会見など、このご夫婦がツーショットで並んでいる所を見た事がない。うーん、実に惜しい。昔の私は見る目がなかった…。でも、その生活の一部は本で読めるもんね!
この本ではエッセイ1編が長めになっているので、トピックス的には少なめ。ただ長い分、強烈な出来事が書かれていて味わいがあります。特に「汚い話」は面白かった!マダム以前のエッセイにもレギュラーで登場していた2匹の猫と、今回から登場のオットの初コラボレーション作品。確かに汚い話、だけど面白い。オットの部屋のダンボールの中から発見されたウ○コ。容疑者は3名。2匹の猫か、オット。オットって…(笑)猫とオットを低いレベルで同格にしてるよ…。誰が犯人なのか判明する瞬間の緊張感は、ミステリを読んでいる気分だった。三谷家のペットと人間の面白い話はオット作の『三谷幸喜のありふれた生活2』辺りにも書いてあります。読んでみてはいかがでしょうか。 私は小林さんのエッセイの中の三谷さん、三谷さんのエッセイの中の小林さんを読むのがとても好きだ。違った視線・違った見方、でも同じ慈しみ。本当にいい夫婦。だから、「長編読み物・心のアウトドア派」は大満足。二人の(三谷さんの?)珍道中・珍行動が長く読めて嬉しい。
さて、この本の最後に書かれている英会話の話。英語を身につけようと奮闘されているマダム小林はその後どうなのだろうか。まだ近所で英会話を習っているのか、そして先生はソバージュなのかパキスタンなのかは定かではありません。が、その後ニュージーランドに短期留学しています。遂に、念願のネイティブ発音での勉強だったはずが…(その後は『キウィおこぼれ留学記』参照です)。