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上と外〈上〉 (幻冬舎文庫)

上と外〈上〉 (幻冬舎文庫)

両親の離婚で別れて暮らす元家族が年に一度、集う夏休み。中学生の楢崎練は久しぶりに会う妹、母とともに、考古学者の父がいる中央アメリカまでやってきた。密林と遺跡と軍事政権の国。四人を待つのは後戻りできない「決定的な瞬間」だった。全五巻書き下ろし、隔月の連続刊行、熱狂的面白さで読者を魅了する恩田ワールドの決定版、待望の第一巻。


「上と外」全6巻の1巻目。文庫本6冊を1冊にまとめた単行本も出ていますが、私は文庫版で読んだので1冊ずつ感想を書いていきます。
シリーズを前提に書いているから1巻目は物語の前段階。登場人物の人となりを様々なエピソードをからめて紹介している。どのエピソードも面白く効果的で、練という人をパッと掴める。けれど1巻目に詰め込むものは全て詰め込んどけ、という感じで情報に溢れ、物語はあっちへ飛び、こっちへ戻るので少し読みづらい。
後の展開でどうなるかは分からないけれど、この巻の千鶴子はひどい女だなぁ。もうちょっと大人の女かと思いきや、自分本位の恋に盲目な女で終わってしまった。一方、作中で触れられていたが賢パパも一対一で付き合うには息苦しそうな男である。そんな両親を冷静に見る練も只者ではない。冷静すぎて怖いぐらいだ。
さて、1巻目の終わり方は、誰もがこの続きを読まずにはいられない!という終わり方だ。ここで彼らをあの状態のままにしておく事は出来ない。果たして彼らはどうなったのか?「君は生き延びることが出来るか?」である。

上と外(1) 素晴らしき休日うえとそと1 すばらしききゅうじつ   読了日:2003年06月13日

G国で軍事クーデター勃発。楢崎練の帰りを待つ祖父ら家族は突然の報に不安を募らせた。一方、決起グループに隔離監視された賢と千鶴子は子供たちの無事をすべなく願った。その頃ヘリコプターから落下した練と千華子は密林を彷徨する。疲労困憊する中で二人が聞いた轟音。そこで見たものは!?ノンストップの面白さで息もつかせぬ第二巻。


1巻最後でヘリから落ちた練と千華子。主人公だから生きていることは確実だけれど、彼らが一体どうなるのか気になって急いで2巻を開いた人は多いはず(私がそうだ)。しかし、焦らされる。2巻開始1/3までは日本の楢崎の家と、捕まった賢・千鶴子に割かれている。練たちは、どうしたんだ!?と思うけれども、こうやって世界各国、同時刻に各自が情報収集し、行動を起こそうとしている描写があると、物語に現実味が帯びて客観的に事態が把握できた気がする。そして改めて、練たちの置かれている状況が過酷で芳しくないことも思い知らされるのだ。
さて、1/3を過ぎてやっと練たちの密林探索。持っていた道具や練の知識は、やや出来すぎるような気もするけれど、どの道具をどういった知識で活用するのかは見所の一つ。これを覚えておけばジャングルで迷った時も方角も分かるし、生き延びることが出来るかもしれない。そういえば「この方法で生きのびろ!」という本もありますね。ジャングルで迷う時は予め、あの本か、「上と外(2)」を持っていこう!
物語とは全然関係ないですが、練たちが飢餓感を訴える描写を読むと、毎日の食事がありがたく思えます。そして、なぜか急にお腹が空いてご飯が美味しく食べられる。練たちには悪いが、快適な空間でご飯をいただきました。
さて、次巻への伏線は謎の地下通路と二人だけの彷徨に忍び寄る黒い人影…!?

上と外(2) 緑の底うえとそと2 みどりのそこ   読了日:2003年06月13日

誰かに見られてる、誰もいるはずのないジャングルの中で…。得体のしれない不安を抱えつつ歩き続ける練と千華子は、その入口に深い闇をたたえる遺跡を見つけた。そこでの束の間の休息。しかしすぐに疲労困憊する千華子の身に異変が起こった。それを待ち受けるかのように現れた新たな謎。そしてついには練の身にも…。緊張と興奮の第三巻。


ジャングルの中の生活に慣れ、どうにか生き延びる術を考え、習得した練たちには、また違う脅威が訪れる「上と外」3巻目。練たちに数々のアプローチを起こす謎の集団の描写には背筋が寒くなった。誰もいないことよりも誰かいることの方が怖いっていうのは、この状況ならではの感情ですね。敵意ある人との対面よりも孤独を望む。しかし彼らには人為的な影が忍び寄る。怖かった、けれど面白かった。どんどん続きが気になってきます。果たして練たちに語りかける者の正体は…!?
そして、ついに3巻中盤で賢と千鶴子らも行動を起こす。子供たちが必死に生き延びようとしている時に、大人たちも(生きているか分からないけれど)彼らを探すために決死の行動に出る。物語を引っ張るドキドキが2つに増えました。3巻の大人パートの終わり方は気になります…。どちらにも悲劇的な結末が訪れないよう祈るばかりです。これで結末が、やる瀬なかったら堪らないな〜。
なんか終盤、凄い展開になりましたね…。練に新たなサバイバルが!でも、日本語喋ったり、地下都市だったりは現実味が薄くなった気もして残念な気もする。この展開はどこに行き着くのだろうか!?最後まで行き着けるのか…?

上と外(3) 神々と死者の迷宮(上)うえとそと3 かみがみとししゃのめいきゅう   読了日:2003年06月18日