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天国までの百マイル (朝日文庫)

天国までの百マイル (朝日文庫)

経営する不動産会社を潰してしまった城所安男は自己破産者となり、別れた妻への仕送りにも頭を悩ます日々を送っている。そんなある日、狭心症で入院中の母を見舞った安男は、主治医から母の心臓が極めて危険な状態であることを知らされる。安男は母の命を助けるために、天才的な外科医がいる千葉県鴨浦町のサン・マルコ記念病院をめざして、オンボロ・ワゴンで百マイルの旅に出た…。バブル崩壊による自己破産、離婚、子供たちとの別れ、そして重い病を患う老母―病める現代社会を象徴する家族の問題を描く、小説トリッパーに好評連載された直木賞受賞後初の長編小説。


著者の代表作である「鉄道員」を恥ずかしながらまだ読んでいないので、この作品で「泣かせ」の手法を初体験です。難病の母を助けるために、ダメ男が奮起するなんて最後に泣きがないわけがないでしょう。
読んでいくと、題名の「天国までの百マイル」が何を意味しているのか、判明してきます。母を助ける、夢中の百マイル。けれど、「天国」って…。いいんですか、行き着くところはそこで?と思わずにはいられない。「泣かせ」の浅田次郎はそんな切ないラストを用意しているのか!?とも思ったんですけど、天国にも色々な意味が含まれているということで。

天国までの百マイルてんごくまでのひゃくマイル   読了日:2002年12月27日