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10センチの空 (徳間文庫)

10センチの空 (徳間文庫)

夢の中で僕は空を飛んでいます。なぜそんな夢を見るのか。それは、僕が本当に空を飛べるから。川原敏也は10センチの高さだけ、空を飛べる。でもそれが何の役に立つ?大学生の敏也は自分のやりたいことが見つからず、就活にも及び腰。ラジオ番組にその悩みを投稿したことがきっかけで、少年時代、その能力を得たときの“友人との出会い”を記憶に甦らせる。感動の青春ファンタジー


主人公・敏也は大学4年生。将来の希望を定められず、就職活動にも身が入らない。彼には人にはない特別な能力がある。それは10センチの高さで浮遊して、進行方向に体重をかければ移動もできる能力。しかしそれが就職に有利なわけでもない。10センチ、その高さでしか飛べない彼はいつか自分の進路を決め、羽ばたけるのだろうか?という内容。


物語の視点の変わり方は好きだった。急に太陽と地球の配置で時間や季節を表現したり、冒頭の時代ごとの偉人と空飛ぶ人たちの描写は一気に引き込まれた。10センチ飛ぶ描写も疾走感あふれている。飛んで進む感覚はセグウェイ(ジンジャー?)みたいなのかも、と思った。敏也がなぜ10センチ飛べるのか、なぜ10センチなのかという事を(意識が)過去に戻って、断片的に解き明かすのはミステリのようで面白かった。途中でミッシングリンクの様な事も出てきますし。10センチの理由がしっかりと説明されて良い。それによるラストも素敵。ただ、どれもいまいち効果的に使われてるとは言い難い。読者を驚かせる事を主体にしてないのは分かるが、もう少しハッとさせて欲しかった。物語の最初から最後までの流れから敏也が選ぶ進路は、なるほどと思わせられたが、これはダジャレに近いのでは…?敏也の手紙の中の単語は強引に思うぞ。日本人なら日本語で言うんだ! そしてラジオであんなに個人を扱う事はない気もするけれど…。細かいことばかり気になりました。

10センチの空10センチのそら   読了日:2005年03月02日