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ぶたぶたの休日 (徳間デュアル文庫)

ぶたぶたの休日 (徳間デュアル文庫)

ある時は占い師、ある時は定食屋手伝い、はたまたある時は刑事。動き、喋り、働くピンクのぬいぐるみ(ほぼバレーボール大)、山崎ぶたぶた氏はなにを隠そう、お父さんでもあるのだった!休日だからと気を抜いてしまったのか。ちょっと寝過ごしたぶたぶた。ゴミを出し、洗濯物を干し、雨のなかを買い物に走る。約束の時間に間に合わせるために…。ぶたぶたの魅力あふれる、「お父さんの休日」「約束の未来」「評判のいい定食屋」「女優志願」の四篇を収録した最新作、書き下ろしで刊行。


よく「パニックになりそうな時に、自分よりもパニックに陥っている人を見ると落ち着く」というが、人生に、生活に悩んでいる人たちが山崎ぶたぶた氏を初めて見ると、その存在の不可思議さで悩みなんて吹っ飛んでしまうのかもしれない。彼のような超自然的存在から見れば、自分の悩みは自分の理解の範疇を超えてないと思えるのだろう。いささか、ショック療法的ではあるが…。彼を見て驚かず「ぶたぶたさん、こんにちは」といえる人は心が穏やかな証拠であろう。幸せが繋がっていくようで、ホカホカとした気持ちにさせてくれる本である。かわいい!

  • 「約束の未来」…お目当ての占い師に見てもらえないまま、女子大生の理恵は結婚を決めてしまったが…。占い師のぶたぶた。いまいちでした。ぶたぶたが何かする、というよりも自分で結論を出してしまったので、ぶたぶたがかすんでいる。
  • 「評判のいい定食屋」…平日は別居の夫が浮気しているのでは?と疑う妻。彼女は夫の一人住まいの近くを調査するが…。定食屋手伝いのぶたぶた。一番面白かったけど、よくよく考えてみればかなり屈辱的では…? 恋人を恋人と同性の人に奪われるのに酷似していると思うぞ。豚汁には大爆笑!! 彼も食べたのかなぁ?
  • 「女優志願」…不倫相手の男と保険金目当てに夫の殺害を計画した元モデル。彼女の野心は全て成功したかに思われたが…。ちょっとしたミステリ。初出がどちらが先なのか私は分からないが、刑事のぶたぶたは本になっている。
  • 「お父さんの休日1〜4」…ある日の家庭人のぶたぶた。ぶたぶたの生活圏に入ってきた人、ぶたぶたの外出など様々な人物が見るぶたぶた。こうやって一人、また一人ぶたぶたの存在を知って、ぶたぶたはメジャーな存在になるのかも。最後の一人にならない内に、私もぶたぶたに遭遇して目をテンにしてみたい!

ぶたぶたの休日ぶたぶたのきゅうじつ   読了日:2005年10月21日