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ぶたぶたのいる場所 (光文社文庫)

ぶたぶたのいる場所 (光文社文庫)

海辺の瀟洒なリゾートホテルには、知る人ぞ知る神出鬼没のホテルマンがいた。見た目はかわいいぬいぐるみだが、中身は頼りになる敏腕執事。お客が困っていると、何処からか現れ、疾風のように去ってゆく。その姿を目撃した者は、幸せになれるという伝説があるのだ。今日も新たなお客がやってきて…。とっても不思議で心温まる、超人気シリーズ最新作。


久しぶりの「ぶたぶたシリーズ」。今回のぶたぶたさんはホテルの執事(バトラー)。そして普段はホテルの従業員の教育係をしているから、人目には付かないように行動しているという設定。だからホテルの宿泊客の中でも限られた人にしかその存在を知られない。その存在は伝説になり怪談にもなる。忘れてましたけど、ぶたぶたさんって初対面の人にはアンビリーバボーな存在なんですよね…(笑)
ただ、以前にも書きましたが、もはやお馴染み過ぎて新鮮味が無い。今回は連作短篇集や作中作の面白さもありますが、やはり既視感(既読感?)は否めない。どの登場人物もステレオタイプなのだ。発言や行動に年齢や個性が表れていない。登場人物、皆が同じ口調に同じツッコミ。ぶたぶた以外でも読ませて欲しい。

  • 「人形の夜 〜春の物語」…実家に戻った織(おり)は、高校の同級生からある相談を持ちかけられ…。連作短篇集のプロローグ。地元の素人が参加する演劇に丸1年も準備期間を要するのかとか、玄人好みの忙しい演出家に威厳が全くないとか思う所はあるけれど、ここからプロジェクトは始まります。
  • 「柔らかな奇跡 〜夏の物語」…美しい彼女との初めての旅行に、幸せになれる伝説があるホテルに行く事になったのだが…。この作品だけ書き下ろしではなく、既存の作品なので連作短編の形式の中でちょっと浮いている。終わり方もいつもと違って大人のえげつなさがある。登場人物も好きになれなかった。
  • 「不機嫌なデズデモーナ 〜秋の物語」…離婚してから10年近く会っていない娘に会える事を期待して、軽い気持ちでお芝居の選考に応募したのだったが…。やる気のない人ほど合格するっていうのは、本気の人の事を考えるとやっぱり嫌な感じだ。そういえば今回はぶたぶたさんの家族の話は一切出てきませんね。
  • 「ありすの迷宮ホテル 〜冬の物語」…ホラー作家の熊野井はホテルでのカンヅメ生活に入ったのだが着想は得られず、更には風邪まで引いてしまい…。今回は「化け物のぶたぶた」編。しかし、このホラー作家は幾つなのだろうか。年齢による落ち着きや、男としての振る舞いがゼロである。出来上がった作品も…。
  • 「小さき者と大きな空 〜再び、春の物語」…いよいよお芝居本番の日。客席には出演者の関係者など色々な人が訪れていた…。さすが人気演出家による演出でぶたぶたの魅力・特性を十分に使った演劇になっている。短編4つとは言え、全登場人物を合わせるとかなりの人数になります。さて転職の多いぶたぶたさん、次の職業・設定は何であろうか。マンネリでもぶたぶたさん目当てに読みます。

ぶたぶたのいる場所ぶたぶたのいるばしょ   読了日:2006年08月26日