笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/07/15
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 40回
- この商品を含むブログ (224件) を見る
偉大な数学者、天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」。そこで開かれたパーティの席上、博士は庭にある大きなオリオン像を消してみせた。一夜あけて、再びオリオン像が現れた時、2つの死体が発見され…。犀川助教授と西之園萌絵の理系師弟コンビが館の謎と殺人事件の真相を探る。超絶の森ミステリィ第3弾。
シリーズ3作目。今回は森博嗣流「館シリーズ」ですね。この作品の舞台「三ツ星館」の見取り図もあるし、ザ・本格だ。
犀川先生と萌絵さんが二人で会話してるだけで嬉しい、そんな状況でした。ただ今回は、首を捻りました。むち打ちです。大きな事件の トリックは難しくない。実際私も読んでる途中にこうなれば解決するじゃん、と思ったほど。そのぐらい簡単、単純。何でこれに犀川先生と萌絵さんは気付かないの? 私の頭の回転速いの? などちょっとした優越感に浸ってました。しかしノベルス版の北村薫さんの解説によるとこの本の大事なところは最終章の文であり事件そのものはそれほど大きな意味を持たない、みたいな事を仰っていた(多分) でも最終章が分からなかった。いったい何が言いたいのか。私、こういう曖昧な形・明示されない結末って好きじゃありません。そのぐらい自分で考えろって言われてるみたいで。私には物語の余韻ではなく、しこりとして残ってしまいます。森さん以外の回答は近似であっても、真の値ではない、と思うタイプなので気になります。
この本に出てくる10.10.4.4.を加減乗除で24にするという問題、萌絵さんたちには簡単らしいのですが、私は解答見るまで思いつかなかった。自分の頭の回転の遅さと、萌絵たちとの距離を感じる結果になりました。