《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

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数奇にして模型 (講談社文庫)

数奇にして模型 (講談社文庫)

模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態。同じ密室内で昏倒していた大学院生・寺林高司に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃にM工業大で起こった女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む。


今回のタイトルは「好きにしてもOK」とダブルミーニング。相変わらずのセンスです。言われるまで気付きませんでしたが。「数奇」は「すうき」と読むのが正解。数寄屋造りとかの「すき」かと思ってました。
今回は1章が1日の、全7章で1週間の出来事。タイトルにもある通り、模型がキーワードです。模型を愛する人達が多く登場。ちょっと長いですけど、ミステリ的に好きな話です。構成がキレイ。1つ1つパーツをはめてく感じで、最後に1つの完成体。いや読んでいる過程に美しさがあるのか。犯人の動機も分からないものでもないし。その前の話、国枝さんと萌絵の正常と異常の話を始めとした一連のカテゴリ分類や異常の認定の仕方など、前段階でしっかり咀嚼されて理解できて分かりやすい。作中にこんな話を何気なく書く森さん大好きです。正常と異常の話はファイルして持っておきたいぐらい好きです。国枝さんステキだ。スルメみたいな人格ですね(知れば知るほど味わいがあるってことです。干乾びてる、という意味ではありません)。ラスト一巻なのが非常に残念。
シリーズの後半でますます登場人物に味が出てきてます。初登場の反町愛・金子勇二・そして大御坊安朋。金子君なんて八面六臂の活躍。この作品、私的には初登場の西之園萌絵の従妹であり、犀川・喜多の中・高の同級生・大御坊安朋よりも喜多北斗先生のフィーチャー本だと思ってます。何気に今まで登場回数の少ない喜多先生の、犀川・萌絵との会話が面白かった。喜多先生にファンが多いのも分かります。高校時代から変わらぬ犀川先生の変人っぷりもいい。犀川・喜多・大御坊の三人の会話は、高校時代を連想(妄想)してしまって頬緩みっぱなし。2004年に読み返した時、大御坊は華道家の仮屋崎省吾さんを連想しました。容姿は違うけど、口調がバッチリ。 冒頭での喜多先生の何気ない一言、実は正鵠を得ていたのね。素晴らしい観察眼、さすが20年来の付き合い。これは分かる人だけ分かってください。大御坊安朋は『今パラ』で再登場。喜多先生も。

数寄にして模型すうきにしてもけい   読了日:2000年11月08日