《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

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DIVE!! 下 (角川文庫)

DIVE!! 下 (角川文庫)

密室で決定されたオリンピック代表選考に納得のいかない要一は、せっかくの内定を蹴って、正々堂々と知季と飛沫に戦いを挑む。親友が一番のライバル。複雑な思いを胸に抱き、ついに迎える最終選考。鮮やかな個性がぶつかりあう中、思いもかけない事件が発生する。デッドヒートが繰り広げられる決戦の行方は?!友情、信頼、そして勇気。大切なものがすべてつまった青春文学の金子塔、ここに完結。


いよいよ下巻。前半は私のお気に入りキャラ要一くんが主人公。キーワードは胡蝶蘭と雪だるまですかね? 要一の複雑で面白いキャラクタの謎の根源が分かります。要一の直面する壁…。それは飛び込みはたった一人のスポーツで、その一人の自分すら見当たらなくなってしまった現状。それを打破するための要一の戦いが始まる。要一の頭痛の原因・父との考え方の相違。この葛藤で、要一という人間の成り立ち方が分かってきます。この巻で興味深かったのは、ヒロのインターネット・知季の逆立ち演技など森絵都さんの作品への愛情や集中力が伝わってきた所です。またもや、うまい!と唸ってしまいます。クライマックスでの知季の行動には納得ですが、章のサブタイトルに騙され(?)ドキドキしてしまいました。果たして誰がオリンピックに出場するのか…!?


書評の時に他の作家さんを例えに出すのも芸がないですが、漫画家の「あだち充」的盛り上げ方ですね。ラストのラストまでライバルとの決戦を延ばす手法とでも言いましょうか。それが実に効果的。1行1行の緊張感は他の作品とは一線を画します。今回は1章ごとに選手が1飛びし、1章ごとに視点が変わる構成になっている。これまでの3巻の主人公たち3人を客観的視点によって成長が見つめられ、また他の登場人物の感情・考え方が見える仕組みになっています。ピンキー山田があんなにキーキャラになるとは!実はいい奴!?この本でのシドニーオリンピック出場では、それぞれ苦悩の種を抱え、状況が異なっていましたが、もし次のオリンピックまで描かれていたら…!?と想像を巡らせています。この3人が万全の態勢で望むアテネ予選ではどんな戦いを見せるか気になります。

DIVE!!〈下〉   読了日:2004年06月15日