- 作者: 高田崇史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/08/10
- メディア: 文庫
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あの「QED」シリーズの高田崇史が贈る、上質の論理パズル短編集。背スラリ、髪サラリの天才高校生・千波くんが、浪人生の"八丁堀"たちと共に、鮮やかに難問を解き明かす。解説の森博嗣氏絶賛の「夏休み、または避暑地の怪」から、書き下ろし作品「誰かがカレーを焦がした」まで全5本を収録。著者がパズラーとしての本性を剥き出しにした野心作。
背はスラリ・髪はサラリ・それをパサリかき上げる天才高校2年生・千葉千波と八丁堀ともぴいくんとも呼ばれる本名不明の浪人生主人公、そして黒い服で固めている同じく浪人生の饗庭慎之介の3人が市井の事件を解くシリーズ。天才と銘打つ割に千波くんは、頭の切れを見せません。シャープさに欠けるんですよね。それよりも問題は誰が著者の高田崇史さんを"パズラー"として認めたのか、ということだ。ただのこじつけ王だと思っていたよ、私は…。
- 《4月》「9番ボールをコーナーへ」…麻薬の取引が行われていることは確かだが、場所の指定の方法が分からない。犯人はどうやって取引場所を知りえたのか?千波くんによる推理が難解な方向へ‥解決がいささか急で物足りなかった。
- 《5月》「My Fair Rainy Day」…ご婦人方の食事会中に一人の持ち物から黒真珠が消えた!どこを探しても見当たらない真珠を居合わせた三人は見つけられるか?真相を聞けばそういうこともあるかと思いますが‥スマートじゃないですね。
- 《6月》「クリスマスは特別な日」…連続爆弾犯はどんな法則に則って事件を起こしているのか?という事を解き明かす。う〜んミステリのためのミステリ。偶然が多すぎる。最後の2ページの真相もわざわざ取る手法とも思えない‥
- 《7月》「誰がカレーを焦がした」…タイトルどおりの事件を解決するなんとも平和な短篇。ぴいくんの妹まで登場して和やかムードで推理合戦。この雰囲気がこのシリーズに一番あっているのに‥フェアだけどフェアじゃない一篇。
- 《8月》「夏休み、または避暑地の怪」…一番パズルを感じる一篇だが、だれがここまでついてくるというのだ‥解説の森博嗣ぐらいだよ楽しむのは。こんなこと考えるなら勉強しろ、と一番突っ込んではいけない突込みを入れてしまった。