- 作者: 高田崇史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/03/16
- メディア: 文庫
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「日光東照宮陽明門」「山王権現」「三猿」「北極星」「薬師如来」「摩多羅神」「北斗七星」そして「三十六歌仙絵連続強盗殺人事件」。東照宮を中心軸とする膨大な謎は、ひとつの無駄もなく線でつながり、時空を超えた巨大なミステリは、「深秘」を知る崇によって見事解き明かされる。ミステリ界に屹立する「QED」の第四弾。
今回のテーマは東照宮。関東在住の方ならば小学校の修学旅行で行った方も多いのでは。私もその一人なんですが、東照宮をはじめ、日光の思い出ってあまり無いんですよね。歴史に関心の薄い小学生に歴史的建造物を見させたって「三猿」と「眠り猫」ぐらいしか見ないでしょう。もし人生で好きな時に1回だけ東照宮に行っていいとなったらこの本を読んだ直後に行くでしょうね、修学旅行ではなく。そのぐらい東照宮についてたくさん書いてある本。今回もいささか過剰な知識披露の文章と、無理があるミステリ、そして新たなる発見、この1セット。連続してシリーズを読んでいた時と間をおいての読みだったので、このシリーズの波をつかむまで苦労しました(読書サーファー)。だからなのか、今回はうんちく部分がいやに多く感じられました。面白いと思えば面白いのですが、いったんイライラしてくると無駄話にも…そして東照宮に加え、三十六歌仙絵。存在すら聞いたことの無いものに興味を持つほど私は知識に対して貪欲ではなかった…もう頭の容量オーバー。
この本を読んでいると、昔はもちろん現在でも歴史を重んじている物事があるということが分かるんですが、それを殺人事件と絡めることで、無意味に誇張して伝えてる印象が残ります。東照宮がどのような歴史を歩んだのか、それが何を生み出したのかは興味がありますが、その信奉してきた歴史を体現する(悪い方向に)人間が現代に表われると は考えにくいです。何度も言いますが、統一感の無い1冊。