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銀の檻を溶かして 薬屋探偵妖綺談 (講談社文庫)

銀の檻を溶かして 薬屋探偵妖綺談 (講談社文庫)

見たところ20代後半の爽やかな青年・座木(くらき・通称ザギ)、茶髪のハイティーン超美形少年・秋、元気一杯な赤毛の男の子リベザル。不思議な組み合わせの3人が営む深山木(ふかやまぎ)薬店は探偵稼業が裏の顔。だが、もっと驚くべきことに、彼らの正体は○×△□だった!?謎解きはあくまで本格派をいく第11回メフィスト賞受賞作。
たっぷり雪が積もった小学校の校庭に、一夜にして全長100メートルものミステリーサークルが現れた。雪の妖精あるいは蝶の標本のような輪郭はくっきりと美しく、内側にも外側にも足跡などはいっさい残っていない。だが、雪が溶けたとき、その中央には他殺死体があった!薬屋でもあり○×△□でもある美男探偵トリオが、初めての難事件に挑む!


メフィスト賞≠ミステリである事を思い知らされた一冊。またはメフィスト賞≠成人向けという事を思い知らされた一冊。ジャンルは今でいうライトノベルですよね、これ。確かに謎解きの要素を含んでいるが、真似事に過ぎない感じ。構成が上手かったら、もう少し読めただろうが飛び飛びに配置されている話は統一感がなく、最後の章で急展開を見せるだけという感じがした。ミステリとして読んでいる人には、それは驚きというよりも呆気にとられるという表現の方が正しいかも。中でも、いきなり登場するネット上での情報屋「シャドウ」。なぜか色々な情報を持っていて主人公たちにヒントを与えるとんでもないキャラクタ。素性はその内、明かされるのだろうか…? そうだ忘れてた。そもそもなんで主人公たちが妖怪であるのかが疑問。また、出来る事・出来ない事の境界が曖昧で読んでいて歯痒い。今回の事件なんかはただの人間でも調査も解決も出来る。妖怪という特徴の「+α」が全て「+余計な設定」に思える。事件に興味を持った高校生たちが興味本位で解決に乗り出すが…、みたいな話でもいいのでは?と思ってしまった。
作者の名前や経歴を知らずに読んでも女性の書いた小説と分かる小説。主役格三人を始め、出てくる人物がいわゆる女性側からの「萌え」所満載の誰でもより取り見取りな感じで書かれている。ただ王道のキャラ設定過ぎて新鮮味が無いし、披露する知識の故事や外国語も付け焼刃。折れやすい。好きな物を詰め込んだんだろうな、と感じる所がいっぱい。だからこそ退いてしまう一冊。ライトノベル風は私には合わないな〜、と思いながら、このシリーズ5冊も読んでます…。

銀の檻を溶かしてぎんのおりをとかして   読了日:2001年06月28日