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いらつく二人 (幻冬舎文庫)

いらつく二人 (幻冬舎文庫)

「僕の名前は、三十画で、田中角栄さんと一緒なんですけど」(三谷)「あ、何か聞いたことある。浮き沈みが激しいって」(清水)。「流しカレー」に「醍醐あじ」から「うつぶせと腹ばいの違い」に「キング・コング実話問題」まで。「不思議」で出来てる脚本家と、「毒電波」で出来てるタレントの、痛快無比な会話のバトルに、笑いが止まらない。


前作『むかつく二人』に続く、清水&三谷両氏のラジオ番組「Making Sense」の単行本化第2弾。内容は第1弾と全く一緒。お二人が自然体で「由無し事」をトークしているだけ。どのぐらい意味がないかと言うと「ピザパイ」の話題がいつの間にか「ペチャパイ」問題になってるぐらい(笑) 書名のように二人が「いらつ」いている訳ではない。むしろ読めば貴方も「にやつく読者」になれるはず。
内容が第1弾と同じなら、私の感想も全く同じで書く事がなくて困っている。今回だけの特徴を無理矢理挙げるとすれば、三谷さんのテレビ出演の話、占いの話、そしてリスナーからのメールが前作とは違う点だろうか。本書掲載の放送時期(2005年末から半年)は、三谷監督の「THE 有頂天ホテル」公開、そしてその宣伝の時期でもあった。毎日のようにテレビに出演する過剰な宣伝方法や出演時の煮え切らない態度に眉を顰めた方もいらっしゃるかもしれないが、それに対しては清水さんが本人に面と向かって『(テレビ出演時の三谷さんが)「出たくないのにな」っていう顔してると、首を絞めたくなる』という事を言ってくれてます(笑) また妻の小林聡美さんもテレビ出演する三谷さんには『タレントの幸喜さん』『役者気取りさん』など皮肉を言うらしい。この2人のお目付け役がいる限り、三谷さんはいい気になる事はないだろう(元来、本分を忘れるような人ではないと思うが…)。
続いて多かったのは占いの話題。清水さんが占いを信じるタイプの一方、三谷さんは懐疑的。占いの話題ではお二人の男女の違いがよく表れていた気がします。占いという括りの中でも、手相・スピリチュアル・姓名判断、そして当時流行した成分分析など話題は多岐に亘っている。そして今回は半期に一度しか読まないというリスナーからのメールが何通か紹介されている。ほとんどのメールはその日のトークテーマを決定付ける取っ掛かりとして使われていた。
第1弾でも思ったが番組の構成作家であり、本書の構成をしている松岡昇さんという方の「ついでの話」での文章・心配りが好きだ。特にそれを感じたのは「あれっ、この話題は前にもしたような…」とガッカリした直後の「ついでの話」での適切なフォロー。本書や仕事に対する真摯な態度・集中力が伝わってきた。
清水&三谷のプライベートな交流はますます深まっているはずなのに、番組内では馴れ合わずお互いのスタンスを維持しているのが良かった。またお互いにその知性や機転の速さを認め合っているように思えるのが、文字上からも伝わる。その心地良い関係性も番組人気の理由の1つなのだろう。

いらつく二人いらつくふたり   読了日:2009年08月23日