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幸菌スプレー (文春文庫)

幸菌スプレー (文春文庫)

うっかり自宅の納戸に閉じ込められてしまったムロイ。膀胱破裂寸前の緊急事態にふと目に入ったのが猫トイレ用の砂。はてさてどうする!?交差点のど真ん中で間一髪犬を助け出した。ラジオの生放送で呼びかけてみると、早速飼い主が現われて…朝ドラ「ウェルかめ」で共演した倉科カナちゃんとの文庫化記念対談は必読ですよ。


すっぴん魂シリーズ第7弾は『何かと緊張を強いられる日常の中で、この本をシューして、ほんのわずかでも和んだり、緩んだりして(「あとがき」より)』もらえるよう『幸菌スプレー』と命名の由来がある。なるほどなるほど。本書収録の各エッセイの前半は世の中世知辛いね、生きにくいね、困ったもんだね、という共通の流れがある。しかしそれらはエッセイの終わりには室井さんの幸菌パワーで浄化される。少しばかりの苦い体験もそこから教訓を経験則を見出す事で、明日をもっといい日に変えるヒントとなる。本書には実際に幾つか生活の知恵・知識として覚えておく事があった。その名の通りの幸せエッセイなのだ。
作中で取り上げられる対象は人間はもちろん、動物・植物から果ては地球にまで及ぶ。更には目には見えない存在の話も。また飲食店などお店での良い/悪い出来事、そして複雑になっていく人間関係の話も多かった。特に興味を惹かれたのはこの「幸菌」エッセイの中の「悪い菌」の話。一つは足の水虫菌。旅館でのスリッパなどで起こり得る今そこにある危機の話。もう一つはカビ菌。水分を大量に摂取した後に爆睡した男友達が室井邸に残したモノは…、という話。後者は特異体質だと思うが、前者はいつでも身に降りかかる話。気をつけねば。
また「犬が轢かれるッ!」は本書の中でも一際目を惹く内容だろう。室井さんの行動力と知名度に改めて感服した。彼女の行動があったからこそ誰も悲しい思いをしなくても済んだのだ。これは室井さんの故郷で、人の繋がりが密だから出来た事だろうなぁ。動物話は室井さんの大きな愛を感じられる。
お馴染みになった不思議体験の話に、不思議未体験の私は、いつも「ほぇ〜」と驚かされる。室井さんや周囲の人々に起こった事であって、奇跡とか宗教とかと関係なく、普通の人々の出来事だからより一層、真実味が増し驚かされる。そして室井さんには「室井さんだもんね、何でもありだ」と思わせる器の大きさを感じる事が信用に繋がる。これも人柄か。心が温かくなる体験なら、不思議も良いかなー。しかし毎度の事ながら室井さんの交友関係の広さにも驚かされる。誰しも一つぐらい「エッセイ的」な出来事に遭遇しているからネタが尽きないのだろう。
また室井さんが重大な罪を犯す「ああ、地球温暖化は思わず吹き出してしまった。内容が内容だけにその罪は重い。しかし地球にまでに思いを馳せるには、まず自分の心身が健康でなければ始まらない。本書はその一助になる、かも…!?

すっぴん魂7  幸菌スプレーすっぴんコン7  こうきんスプレー   読了日:2010年08月02日