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コンビニ・ララバイ (集英社文庫)

コンビニ・ララバイ (集英社文庫)

小さな町の小さなコンビニ、ミユキマート。オーナーの幹郎は妻子を事故で亡くし、幸せにできなかったことを悔やんでいた。店には、同じように悩みや悲しみを抱えた人が集まってくる。堅気の女性に惚れてしまったヤクザ、声を失った女優の卵、恋人に命じられ売春をする女子高生…。彼らは、そこで泣き、迷い、やがて、それぞれの答えを見つけていく。温かさが心にしみる連作短編集。


期待が大きかった分、残念だった作品。期待というのは「本の雑誌」2002年度上半期No.1とか帯に書かれていたことと、コンビニ舞台の作品は面白そう、と私の中ですごい期待が生まれたこと。乾いた都会での人の交流の場としてのコンビニか、いい所に視点を置いたな、とも思ったのですが…文体・描写も少し苦手。
昔のドラマで「ひとりぼっちの君に」というのが、浜田雅功さん・永作博美さん出演で、浜田さんがコンビニ店長役であったのを思い出して、なんだかげんなり。どこかで見たような設定だぞ、と。全然新しくなかった…しかも読んでみると話もどこかで読んだことがあるようなドラマ仕立て、もしくはコンビニでこんなこと起こるか?ということのどっちか。もう少し調理法はなかったのかと思います。今回は辛口で。登場人物のだれ一人として好きになれなかったんですよね。誰も魅力的じゃなかった。主人公・幹郎の復活・再生ストーリーとしてもきかっけが分からなかった、不完全燃焼。同じテーマでも他の人が書いた方が楽しいのでは、と思う作品。

コンビニ・ララバイ   読了日:2002年12月14日