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黒の貴婦人 (幻冬舎文庫)

黒の貴婦人 (幻冬舎文庫)

また、あの4人組に会える!タック&タカチ・シリーズの名作『依存』で不動の地位を築いた西澤保彦の、同シリーズ最新、珠玉の短編集。本格ミステリにして、ほろ苦い青春小説を五編収録。タック、タカチ、ボアン先輩、ウサコの4人が、行きつけの飲み屋でいつも姿を見かける「白の貴婦人」と絶品の限定料理・鯖寿司との不思議な関係とは…? おなじみの4人組が大活躍の本格ミステリ短編集。


久々のタックシリーズ。でも長編が読みたいよ…。『依存』の直後の話が。しかし、この作品もシリーズ好きにはたまらない1冊であります。時系列はバラバラですが、タカチの変化・ボンちゃんの就職・ウサコの結婚プレリュード・タックとタカチの愛のカタチ(!)が書かれてます。会話の一つ一つがとても重い。『依存』の重さが、ここでもずっと鳴り響いています。この作品は今までの長編・短編の間を巧く縫っていて、登場人物の心理の変化、関係の変化が味わえ、その上さらに極上の謎も付いている贅沢な一品。もっと書いてよ、西澤さん!西澤さんの作品は冒頭が唐突で戸惑うのですが、気付くとぐっとのめり込む、タカチのような作品だと思います。

  • 「招かざる死者」…玄関を開けると、死者が舞い込んできた!このシリーズは人の心理を上手に書きますね。男の慢心を書かせたら日本一かも。短編らしい短編。でも動機とトリックはいかがなものか。公安は都合よすぎるような‥でもタックとタカチだけで幸せです。
  • 「黒の貴婦人」…ボンちゃんが飲みに行くと、必ず白の帽子の女性が登場する?(ちょっと無理あるけど)解決した事件が展開する様はいい。このシリーズの特徴として4人は誰でも探偵である、のも挙げられます。タカチの服の変化に込められた意図がすごい。戦ってますねタカチ。うぅ白井教授か…
  • 「スプリット・イメージ または避暑地の出来心」…旅行先の家で朝起きると窓の外に死体が!この事件はタカチが東京で就職・ウサコが大学院の時の話。なんだかんだでタックはべったりな気がします。このシリーズがタカチシリーズと言われるのも分かるような。絶大なりタカチパワー。そして最後には彼にが‥
  • 「ジャケットの地図」…死んだ愛人が残したモノとは?暗号はどこに?これもタカチin東京の時。「謎亭論処」の短編にこの話が少し出てきます。愛人であった彼女は上手く立ち回っているようで、結局、盲目的な行動ですね。愛の話です、多分。
  • 「夜空の向こう側」…披露宴会場で御祝儀袋の中からお金が盗られる、誰が何故?ウサコとボンちゃんの二人だけの話。謎そのものよりも、4人の関係の変化に目がいきます。2人のカタチは2人が決めればいい。ボンちゃん切なすぎるよ…。幸せになってください(泣)

黒の貴婦人たいとる   読了日:2004年09月22日